44 / 161
【男装の女王と晩餐会3】
しおりを挟む
「はぁ…」
深海が溜息をつく。それに鳴海が反応した。
「ふーちゃんまだしんどいの?」
「ん、痛み止めの漢方薬が切れてきたみたいだ。腹がじくじく痛んできた」
深海の額には汗の粒が浮かんでいた。
「ルナトーさんとこ行こっか?」
「ん、良いか?」
鳴海に支えられながら深海が会場を後にしようとした。
「ナルミ様、フカミさん、何処に行かれるのですか?」
しかしそれを阻むものが居た。
クロナだ。
白の絹の生地に黄色の花が刺繍された少女らしい清楚なドレスを着ている。
長い髪は、黄色の花を散らせハーフアップにしている。
清楚なその恰好はクロナに良く似合っていた。
もっとも清楚に見えるがその生地の良さや刺繍の細やかさ、散りばめられた黄色の生花。
決してかかっている金額はカグウの比ではないだろう。
そしてクロナの後ろには騎士服を着たミラーが立っていた。
黒を基調に赤ラインの軍服だ。
晴れの場でも着ていけるクラシックなデザインの軍服はミラーを年齢より大人びて見せた。
しかしその目の奥にあるのは怯えだ。
余程深海に与えられた恐怖が深く根付いているらしい。
「ふーちゃんの体調が悪いからルナトーさんに見て貰おうと思って。ちょっとの間だけ退出しても良いですか?」
「フカミさんが退出するのは構いませんがナルミ様は此処に居て貰わないと困ります。ナルミ様はカカン国の聖女様ですから。後でスティルグマ女王にも御目通しして頂かないといけません」
「でも、ふーちゃん今日朝から体調悪くて……」
「ミラー、フカミさんをルナトーの下へ案内して」
「承知しました姫」
ミラーがクロナから離れ深海と鳴海を引き離した。
深海が逃げないよう両腕でしっかりと抱きとめている。
傍から見たら倒れそうなのを支えているように見えただろう。
「放せよ」
「大人しくしてて下さい。ここに居たら危ないから俺がルナトーの所に連れて行きますから」
深海の耳元で小さな声でミラーが言った。
「危ないってなんだ」
深海もミラーだけに消えるほどの小さな声で問いを返す。
「分かりません。でもクロナがフカミ様を嫌っているので一緒に居ないほうが良いです」
小さな声で問うた深海にミラーはやはり深海にしか聞こえない程の小さな声で答えた。
「お前はクロナ姫派閥じゃなかったのか?」
「俺、あれから考えて、今まで自分でちゃんと考えた事ないのに気づきました。
だから少しずつでも色んなこと考えないといけないと思って、クロナの言うことを鵜呑みにするのをしないようにすることにしました。
まだ始めたばっかなんで難しいんですけど」
「そうか、お前も頑張ってるんだな…つぅっ!」
「大丈夫ですか!」
「腹が痛んだだけだ。気にするな。それよりクロナ姫とナルを一緒にしておく方が心配だ。腕を放せ。俺は此処に居る」
「ダメです。ちゃんと診て貰わないと」
「ナルを1人には出来ない」
本来ならラキザやフィルドに鳴海の事を頼みたいところだが親衛隊は皆上級の役職に就いて居る。
ホスト国としてスティルグマの貴族の相手に忙しそうだ。
親衛隊の皆が手いっぱいで頼れないことが分かると後はミホクくらいしか深海は頼れる相手が居ない。
だがそのミホクもチノシスの隣で補佐をしていた。
「わかった、ルナトーの所には行く。だからお前がナルを見ててくれないか?」
「俺、ですか?」
「今の俺はお前しか頼める人間が居ない」
「わかりました。聖女様の安全は俺が守ります」
「あぁ頼ん――――」
ガシャン!
給仕の持っていたトレイが床に落とされワインの入っていたグラスが床に叩きつけられて甲高い音をたてて割れる。
「聖女覚悟――――――ッ!!」
「ナルッ!!!」
鳴海の後ろに居るクロナに期待は出来なかった。
絶妙に他者から離れた位置に居た2人に近かったのは深海とミラーだ。
そしてあらかじめ鳴海によってブーストをかけて貰っていた深海が鳴海のところに駆けつけるのが1番早かった。
トレイの下に隠し持っていたナイフを鳴海に突き刺そうとした給仕の手を拳でいなしナイフを叩き落とす。
そのままの流れで上段蹴りを給仕のこめかみに叩き込んだ。
給仕の膝がガクリと折れ、そのまま床に崩れ落ちた。
「あら、撃退しちゃったのね」
感情のない声でクロナがそう言ったのを聞き逃さなかった。
だが既に深海は限界だった。
ぐらりと体が揺れて床に倒れ込む。
「ふーちゃん!!」
「フカミ様!!」
鳴海とミラーが深海に駆け寄る。
倒れた体の状態を持ち上げるとその顔は蒼白で玉のような大粒の汗が浮かんでいる。
呼吸も浅く速かった。
その様子から深海が相当今苦しい状態なんだと分かる。
「おい!大丈夫かフカミ!!」
「フカミちゃん無事ッ!?」
流石にカグウが来ることは出来なかったが比較的近くにいたラキザとフィルドが深海の下へ駆け寄って来た。
「ナイフは何処に当たった?」
「いえ、ナイフは叩き落としてました」
ラキザの問いにミラーが答える。
「下半身に傷があるのか!?足から血が!」
ラキザの言う通り深海の両足に真紅の血液が伝っている。
「そっか、ふーちゃん」
何かに気付いたらしい鳴海が羽織っていたショールを深海の腰に巻くと腕と膝の下に腕を差し込み、軽々と深海を持ち上げた。
「なっ!?」
「え、聖女様!?」
ミラーが運ぶのを手伝おうと手を伸ばす。
「深海ちゃんに触らないで」
鳴海の口から何時もより低い声が出てミラーを罵倒した。
その眼付も座っていて攻撃的だ。
「クロナ姫、私は深海をルナトーさんの所へ連れて行くから貴女のご機嫌とってる暇がない。悪いがお人形遊びがしたいなら別の女の子当たって下さい」
「ナルちゃん俺も付いていくよ!ラキザも行くよね?」
「お、おう!俺も付いていくわ」
突然の鳴海の豹変に誰もが戸惑っていた。
その状態を救ったのは甘いアルトの声だった。
「ラキザ、フィルド、深海は任せたぞ。
ご来場の者は皆気にせず宴を続けてくれ。姉様お見苦し所をお見せしてすみません。くだらない三文劇のせいでせっかくのビールが不味くなったでしょう。
口直しに今カカンで新しく作られたショウチュウと言う酒もあるのですがいかがですか?甘口で香りが鼻を通ってとても口当たりがよい旨い酒です。
良かったらお飲みになって下さい?」
「お前がソコまで薦めるとは相当自信のある酒らしいな。是非頂こう」
「コキョウ、ショウチュウを持ってきてくれ」
「承知した」
カグウの命を受けてコキョウが焼酎を取りにそばを離れた。
カカンの王が自信をもってスティルグマ女王に薦める酒に周りの者も興味を引かれたらしい。
焼酎の話題で会場が賑やかになり始めた。
「ラキザ、カグウが会場の気を引いてくれた。今のうちに行っちゃうよ」
「あぁ。ナルミ、フカミを抱えるの替わるか?」
華奢なドレスを着た少女が自分と同じくらいの体格の少年をお姫様抱っこしているのは異様な光景だ。
今はカグウが気を引いてくれているので皆気にしていないようだが。
「いえ、私が運びます。この状態の深海を他の男に触られたくなので」
「そ、そうか。じゃぁ今のうちにルナトーの所へ行くか」
深海を抱えた鳴海を隠すようにラキザとフィルドは位置を保って会場から退出した。
クロナとミラーだけはただ茫然と立ち尽くしていた。
深海が溜息をつく。それに鳴海が反応した。
「ふーちゃんまだしんどいの?」
「ん、痛み止めの漢方薬が切れてきたみたいだ。腹がじくじく痛んできた」
深海の額には汗の粒が浮かんでいた。
「ルナトーさんとこ行こっか?」
「ん、良いか?」
鳴海に支えられながら深海が会場を後にしようとした。
「ナルミ様、フカミさん、何処に行かれるのですか?」
しかしそれを阻むものが居た。
クロナだ。
白の絹の生地に黄色の花が刺繍された少女らしい清楚なドレスを着ている。
長い髪は、黄色の花を散らせハーフアップにしている。
清楚なその恰好はクロナに良く似合っていた。
もっとも清楚に見えるがその生地の良さや刺繍の細やかさ、散りばめられた黄色の生花。
決してかかっている金額はカグウの比ではないだろう。
そしてクロナの後ろには騎士服を着たミラーが立っていた。
黒を基調に赤ラインの軍服だ。
晴れの場でも着ていけるクラシックなデザインの軍服はミラーを年齢より大人びて見せた。
しかしその目の奥にあるのは怯えだ。
余程深海に与えられた恐怖が深く根付いているらしい。
「ふーちゃんの体調が悪いからルナトーさんに見て貰おうと思って。ちょっとの間だけ退出しても良いですか?」
「フカミさんが退出するのは構いませんがナルミ様は此処に居て貰わないと困ります。ナルミ様はカカン国の聖女様ですから。後でスティルグマ女王にも御目通しして頂かないといけません」
「でも、ふーちゃん今日朝から体調悪くて……」
「ミラー、フカミさんをルナトーの下へ案内して」
「承知しました姫」
ミラーがクロナから離れ深海と鳴海を引き離した。
深海が逃げないよう両腕でしっかりと抱きとめている。
傍から見たら倒れそうなのを支えているように見えただろう。
「放せよ」
「大人しくしてて下さい。ここに居たら危ないから俺がルナトーの所に連れて行きますから」
深海の耳元で小さな声でミラーが言った。
「危ないってなんだ」
深海もミラーだけに消えるほどの小さな声で問いを返す。
「分かりません。でもクロナがフカミ様を嫌っているので一緒に居ないほうが良いです」
小さな声で問うた深海にミラーはやはり深海にしか聞こえない程の小さな声で答えた。
「お前はクロナ姫派閥じゃなかったのか?」
「俺、あれから考えて、今まで自分でちゃんと考えた事ないのに気づきました。
だから少しずつでも色んなこと考えないといけないと思って、クロナの言うことを鵜呑みにするのをしないようにすることにしました。
まだ始めたばっかなんで難しいんですけど」
「そうか、お前も頑張ってるんだな…つぅっ!」
「大丈夫ですか!」
「腹が痛んだだけだ。気にするな。それよりクロナ姫とナルを一緒にしておく方が心配だ。腕を放せ。俺は此処に居る」
「ダメです。ちゃんと診て貰わないと」
「ナルを1人には出来ない」
本来ならラキザやフィルドに鳴海の事を頼みたいところだが親衛隊は皆上級の役職に就いて居る。
ホスト国としてスティルグマの貴族の相手に忙しそうだ。
親衛隊の皆が手いっぱいで頼れないことが分かると後はミホクくらいしか深海は頼れる相手が居ない。
だがそのミホクもチノシスの隣で補佐をしていた。
「わかった、ルナトーの所には行く。だからお前がナルを見ててくれないか?」
「俺、ですか?」
「今の俺はお前しか頼める人間が居ない」
「わかりました。聖女様の安全は俺が守ります」
「あぁ頼ん――――」
ガシャン!
給仕の持っていたトレイが床に落とされワインの入っていたグラスが床に叩きつけられて甲高い音をたてて割れる。
「聖女覚悟――――――ッ!!」
「ナルッ!!!」
鳴海の後ろに居るクロナに期待は出来なかった。
絶妙に他者から離れた位置に居た2人に近かったのは深海とミラーだ。
そしてあらかじめ鳴海によってブーストをかけて貰っていた深海が鳴海のところに駆けつけるのが1番早かった。
トレイの下に隠し持っていたナイフを鳴海に突き刺そうとした給仕の手を拳でいなしナイフを叩き落とす。
そのままの流れで上段蹴りを給仕のこめかみに叩き込んだ。
給仕の膝がガクリと折れ、そのまま床に崩れ落ちた。
「あら、撃退しちゃったのね」
感情のない声でクロナがそう言ったのを聞き逃さなかった。
だが既に深海は限界だった。
ぐらりと体が揺れて床に倒れ込む。
「ふーちゃん!!」
「フカミ様!!」
鳴海とミラーが深海に駆け寄る。
倒れた体の状態を持ち上げるとその顔は蒼白で玉のような大粒の汗が浮かんでいる。
呼吸も浅く速かった。
その様子から深海が相当今苦しい状態なんだと分かる。
「おい!大丈夫かフカミ!!」
「フカミちゃん無事ッ!?」
流石にカグウが来ることは出来なかったが比較的近くにいたラキザとフィルドが深海の下へ駆け寄って来た。
「ナイフは何処に当たった?」
「いえ、ナイフは叩き落としてました」
ラキザの問いにミラーが答える。
「下半身に傷があるのか!?足から血が!」
ラキザの言う通り深海の両足に真紅の血液が伝っている。
「そっか、ふーちゃん」
何かに気付いたらしい鳴海が羽織っていたショールを深海の腰に巻くと腕と膝の下に腕を差し込み、軽々と深海を持ち上げた。
「なっ!?」
「え、聖女様!?」
ミラーが運ぶのを手伝おうと手を伸ばす。
「深海ちゃんに触らないで」
鳴海の口から何時もより低い声が出てミラーを罵倒した。
その眼付も座っていて攻撃的だ。
「クロナ姫、私は深海をルナトーさんの所へ連れて行くから貴女のご機嫌とってる暇がない。悪いがお人形遊びがしたいなら別の女の子当たって下さい」
「ナルちゃん俺も付いていくよ!ラキザも行くよね?」
「お、おう!俺も付いていくわ」
突然の鳴海の豹変に誰もが戸惑っていた。
その状態を救ったのは甘いアルトの声だった。
「ラキザ、フィルド、深海は任せたぞ。
ご来場の者は皆気にせず宴を続けてくれ。姉様お見苦し所をお見せしてすみません。くだらない三文劇のせいでせっかくのビールが不味くなったでしょう。
口直しに今カカンで新しく作られたショウチュウと言う酒もあるのですがいかがですか?甘口で香りが鼻を通ってとても口当たりがよい旨い酒です。
良かったらお飲みになって下さい?」
「お前がソコまで薦めるとは相当自信のある酒らしいな。是非頂こう」
「コキョウ、ショウチュウを持ってきてくれ」
「承知した」
カグウの命を受けてコキョウが焼酎を取りにそばを離れた。
カカンの王が自信をもってスティルグマ女王に薦める酒に周りの者も興味を引かれたらしい。
焼酎の話題で会場が賑やかになり始めた。
「ラキザ、カグウが会場の気を引いてくれた。今のうちに行っちゃうよ」
「あぁ。ナルミ、フカミを抱えるの替わるか?」
華奢なドレスを着た少女が自分と同じくらいの体格の少年をお姫様抱っこしているのは異様な光景だ。
今はカグウが気を引いてくれているので皆気にしていないようだが。
「いえ、私が運びます。この状態の深海を他の男に触られたくなので」
「そ、そうか。じゃぁ今のうちにルナトーの所へ行くか」
深海を抱えた鳴海を隠すようにラキザとフィルドは位置を保って会場から退出した。
クロナとミラーだけはただ茫然と立ち尽くしていた。
1
お気に入りに追加
648
あなたにおすすめの小説
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる