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【オマケと兵士の王都探索2】

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「それより次行くぞ。まずそこの露店覗く」

「露店ですか?カカンに特別特産物なんてないと思うけど…」

「見れば分かる」

 頭にはてなマークが付いて居るのが表情で分かる。
 その顔が驚愕の表情に代わる。

「すっげー綺麗な装飾品だ!全部形が花なんだな!」

「お兄さん他国から来たのかい?最近のカカンは装飾品のモチーフは全部花だよ。花の種類について1つ1つ花言葉ってのがあるんだ。他の国じゃ絶対に変えない品さ!好きなの買っていってくれよ。損はしないぞ」

「花言葉って何だ?」

「花には1つ1つ意味があるんだよ。赤いバラなら愛してる、とかな。ここに置いてある装飾品は全部違う意味がある品さ!」

 キラキラした目でミラーがアクセサリーを値踏みしている。
 真剣な眼差しだ。
 誰か上げたい人物でもいるのか、店主に「この花の意味は?」「こっちはどんな意味あんの?」と花言葉を聞いている。

 この花言葉制度は深海が考えたものだ。
 意外と花好きな深海は花言葉にも詳しかったのでソレをアクセサリーの付加価値として付けることを提案した。

 勿論カグウからは2つ返事で許可が出た。
 この世界には花言葉と言う概念がないらしい。
 思わぬところで国の特産物が産まれた訳である。

「これ、いいな……」

 ミラーが手に取ったのは意外や小さなヘアピンだった。
 黄色の小さな花のモチーフがついている。

「クロッカスだな」

「お、そっちのちっこい兄ちゃんは花に詳しいのか?」

「嫌いじゃないな」

「これクロッカスてゆーのか?可愛い花だよな。アイツに似合うかな?」

 ピンを空にかざして愛おしいものを見る目で眺めている。

「水色に栄えそうだな。プレゼントにか?」

「でもアイツ、こんなチャチなもの付けないよな…」

「何だ兄ちゃん惚れてる女にでもプレゼントかい?クロッカスの花言葉は”青春の喜び”だ。兄ちゃんくらいの年頃にはぴったりの花だな」

「これ買う!」

「おーそのピンは銀貨8枚だ」

「そんなに安いのか?ピンの部分にも細工彫りがされててすげー綺麗なのに」

「これは学校の生徒が作ったやつだからな。特別安いんだよ。
いくつかはこうやって学校の生徒の出来の良い作品を委託して置いてやってるんだ。まぁ取り分は5:5だからうちの実入りは少ないけどな。
けどこうやって授業で作ったもので収入を得られるからスラム街のガキ共も盗みとかの悪さしなくなったし良いことだらけさ。
御使い様が来てからこの国は本当潤ってきているよ。
このまま御使い様にはカグウ王の傍に居て欲しいもんだ。
カグウ王は10年前から俺たち庶民の間では救世主だったけど御使い様が来てから更に王都が庶民の住みやすい国になってきた。
クロナ姫の事はあまり知らないが召喚の儀式してくれたことだけは感謝だな。
聖女様がどう言う方かは知らねーがお兄様であらせられる御使い様がこうやってカカンに現れたんだから」

「聖女様の兄が御使い様!?それに10年も前から国民はカグウ王を支持してたのか!?」

「そりゃそうさ、カグウ王がジャガイモを栽培して国民に配ってくれたおかげで餓死する民が居なくなったんだ。確かにジャガイモばかりの飯は飽きるがそれでも飢えの苦しみから俺たちは救って貰ったんだ。カグウ様が王座に座ることになった時は国民全土で祝ったんだぜ」

「……知らなかった」

「まぁ他国のもんじゃ知らなくて当然だよな。それより兄ちゃん少し臭うぞ。公衆の清拭場に行って来いよ。頭も体もスッキリして臭いも消えて最高だぞ。頭のかゆみが消えた時は感激したぞ!兄ちゃんも行ってみな」

 ぽかんと口を開けてミラーは呆けていた。店主の話しの内容が想定外過ぎて思考が追い付かないらしい。

「ほら、行くぞ」

 深海はミラーの腕を引っ張り、店主の薦めてくれた公衆清拭場に移動した。
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