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【オマケによる兵士の調教2】
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さてテーブルにミラーは大人しく着いて居た。
テーブルの上に作った料理を置いてやる。
「何だよこれ?」
怪訝そうな顔でミラーが横に立っている深海を見上げてきた。
「蒸かしたジャガイモにクズ野菜の塩スープ、それに酢の入った水だ」
「ふざけんな!こんな家畜が食うようなもん食えるかっ!」
ドゴッ!
深海の前蹴りがミラーの顔面にはいりミラーがそのまま椅子から落ちる。
「何すん――――――っ!?」
再び床に転げ落ちる事になったミラーはこれまた再び髪を掴まれ無理やり顔を持ち上げさせられた。
「お前は今国民を家畜扱いした。その意識はあるんだろうな?」
「何で、俺が国民を家畜扱いしたことになるんだよ……」
先ほどの恐怖が染みついているのだろう。目は怯え声も小さい。
「これはカカンの国民の毎日の料理だ。
スープが付いている分まだ豪華なほうだな。
ここの国民は殆どジャガイモだけで飢えを凌いでいる。
これは作った農作物がジャガイモを除いて殆ど国に税として取り上げられるからだ。
なぁ分かってなかったのか?
お前ら王宮の者たちが白いパンに美味い肉を食べてる間、国民はジャガイモしか食ってなかったんだよ。
お前らがミードを、エールを飲んでるとき国民は酢の入った川の水を飲んでたんだよ。
お前らが野菜で出汁を取った具材がゴロゴロ入った豪華なスープを口にしている時に国民はクズ野菜の塩スープを数日に1回有難がって味わっていたんだよ。
それも知らずお前らはのうのうと贅沢し、挙句は国民の食事を家畜のえさ呼ばわりか?お偉いものだな姫の近衛兵さんは!」
深海の怒気が籠った声にミラーは体をブルブルと震わす。
そして瞳が潤んできたと思ったらその双眸からボロボロと涙を零し始めた。
「そんな、そんなの知らなかったんだ。クロナは教えてくれなかった。クロナは白いパンがこの国の主食だと言っていた。クロナが好きなだけ肉食って良いって言ってくれた。クロナがこの国は自分が守るから心配いらないって言ってたんだ……」
「クロナクロナクロナ!お前はクロナに言われなければ何も考えられないのかよ!!」
座らせ顔面に拳を叩き込む。
右手で殴りつけ、次に左手で殴る。
もちろん理屈で理詰めで正論で泣くミラーを罵り言い訳したら言葉でねじ伏せ殴る。
謝ったら謝ったで 「国民家畜扱いしてからじゃ遅いんだよ!」と殴る。
喋ったら 「黙れ!」と殴る。
無言になったら 「何か言え!」と殴る。
許してくれと抵抗したら 「お前に人権は無いんだよ!」と殴る。
1時間くらい顔面に拳を叩き込んで深海が疲れてきたところでその行為が終焉を迎えた。
ミラーの顔はボコボコに腫れ上がって歯が何本も折れたり抜けた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」
ミラーは虚ろな目で涙を流しながらひたすら謝っていた。
何に対して謝っているのかは分からない。
深海に対して許して欲しくて謝っているのか国民に対して罪悪感から謝っているのか。
「明日は俺と一緒に王都を回る。平民の格好して正午に庭の裏門前に居ろ。俺が付くまで一切飲み食いするな。それとルナトーの所に言って怪我は完治させておけ。
どれか1つでも出来なかった場合、さっきので済ますぐらいの暴力以上は振るわれる覚悟しておけよ」
ミラーの返事も聞かず放置して深海は食堂から出た。
そのまま帰ろうかと思いふと自分が何故ここにいるか
思い出した。
ラキザと約束をしていたのだった。
こんなに時間が経って鳴海が心配していることを想像し顔面蒼白になる。
そのまま深海は厨房に帰還した。
:::
「よ、お前意外と激情型だったんだな」
厨房の中は光魔石で明かりが付けられておりオタマを持っているラキザが居た。
和食特有のかぐわしい香りが厨房に広まっている。
「覗いてたんですか?やだな~あんなところ見られるなんて恥ずかしいじゃないですか声かけて下さいよー」
「いや、そこ照れるところじゃない。にしてもお前あのミラーをよくあそこまでボコボコにできたな。アイツ一応この王宮でも戦闘能力上位なんだぞ」
「まぁナルにブーストかけて貰ってましたから。それにああ言う本能で動いてそうな奴には最初にこちらが上だとアドバンテージ取っておけば割と簡単に躾出来るんですよ」
「お前自分の居た世界で何してたの?」
「やだなーただの1学生ですよ」
(絶対嘘だ)
ラキザは言っても上手く口車で丸め込まれる気がしたので心の中で留めておくことにした。
この5ヵ月程だが一緒に居て深海がかなり頭が回ることをラキザは認識している。
異世界の知識量もさることながらカグウとチノシスと会話しているところを見ると脱帽する。
ラキザは自分で頭は良い方だと自負しているが流石にカグウとチノシスの会話に詰まらずついて行けるほどの能力はないと自分で判断できる。
いや、ラキザだけでなくカグウとチノシスの会話について行ける者などカグウの腹違いの弟であるクリムゾンか、カグウが絶対の信頼を寄せている先輩くらいだろう。
なのにこの深海は2人の会話に困った様子も見せずついて行けるのだ。
自分と頭の作りが違うことなどその時点で理解している。
「聖女ちゃんが時間心配してるだろうから俺が遅れたことにしとけな」
見た目はヤンキーなのに何処までも優しい男である。
フィルドを筆頭に癖のあるカグウや親衛隊のメンバーの世話をしているラキザは、その料理上手さも相まって最近深海はラキザがカグウと親衛隊オカンに見えるようになってきた。
「助かります。そうさせて貰います」
ラキザから木でできた弁当箱のような蓋つきの箱に入った料理を手渡される。
「聖女ちゃんと2人で食べて感想きかせてくれよな」
「有難うございます。では俺はナル待たせてると思うんでもう行きますね!」
早足に去っていく深海をみてラキザはしみじみ「凄いシスコンだな」と思った。
:::
「ナル、戻った」
窓から部屋に戻ると泣きそうな顔をした鳴海が深海に抱き着いた。
「ふーちゃん遅いよ!心配したんだからね!!」
「うん、ゴメンな。ラキザ様が手を離せない予定があって来るのが遅れたんだって」
「そっかーラキザ様も大変だね」
「それより飯食おうぜ。ラキザ様が2人分用意してくれたんだ」
「えっ本当!?」
「2人分の感想聞かせてくれ、てさ」
テーブルの上に箱を置く。
流石に箸はないがフォークを付けてくれている。
「良い匂い~美味しそう~」
鳴海の瞳がキラキラしている。
「味の保証は出来る。毎日食ってる俺が言うんだから間違いない」
「いただきまーす」
おしぼりで手を拭くと嬉しそうに鳴海が手を合わせた。
「いただきます」
次いで深海も手を合わせる。
パクリ、と鳴海がジャガイモを口に含んだ。
パァッ、と鳴海の瞳が輝く。
ラキザはしっかり昆布の使い方をマスターしているようだ。
「美味しいね、美味しいねふーちゃん。日本のご飯の味だね!」
鳴海がポロポロ涙を流しながら嬉しそうに食べていた。
本当に久しぶりの日本の味なのだろう。
深海は和食で無いものの、ラキザの食事のお陰で食では追い詰められていなかった。
しかし鳴海はどうだ。
口に合わない食事を5ヵ月延々と取り続けたのだ。
苦手とする人物を前にしながら。
考えてみるとさぞや食事の時間が苦痛であっただろう。
食事面では苦労が無かった深海は自分だけが楽しく過ごしてきた事に大きな罪悪感を覚えた。
(今度からラキザ様に鳴海用のお弁当作って貰おう)
泣きながら嬉しそうに食べる鳴海を見て、深海は明日ラキザにお願いすることにした。
テーブルの上に作った料理を置いてやる。
「何だよこれ?」
怪訝そうな顔でミラーが横に立っている深海を見上げてきた。
「蒸かしたジャガイモにクズ野菜の塩スープ、それに酢の入った水だ」
「ふざけんな!こんな家畜が食うようなもん食えるかっ!」
ドゴッ!
深海の前蹴りがミラーの顔面にはいりミラーがそのまま椅子から落ちる。
「何すん――――――っ!?」
再び床に転げ落ちる事になったミラーはこれまた再び髪を掴まれ無理やり顔を持ち上げさせられた。
「お前は今国民を家畜扱いした。その意識はあるんだろうな?」
「何で、俺が国民を家畜扱いしたことになるんだよ……」
先ほどの恐怖が染みついているのだろう。目は怯え声も小さい。
「これはカカンの国民の毎日の料理だ。
スープが付いている分まだ豪華なほうだな。
ここの国民は殆どジャガイモだけで飢えを凌いでいる。
これは作った農作物がジャガイモを除いて殆ど国に税として取り上げられるからだ。
なぁ分かってなかったのか?
お前ら王宮の者たちが白いパンに美味い肉を食べてる間、国民はジャガイモしか食ってなかったんだよ。
お前らがミードを、エールを飲んでるとき国民は酢の入った川の水を飲んでたんだよ。
お前らが野菜で出汁を取った具材がゴロゴロ入った豪華なスープを口にしている時に国民はクズ野菜の塩スープを数日に1回有難がって味わっていたんだよ。
それも知らずお前らはのうのうと贅沢し、挙句は国民の食事を家畜のえさ呼ばわりか?お偉いものだな姫の近衛兵さんは!」
深海の怒気が籠った声にミラーは体をブルブルと震わす。
そして瞳が潤んできたと思ったらその双眸からボロボロと涙を零し始めた。
「そんな、そんなの知らなかったんだ。クロナは教えてくれなかった。クロナは白いパンがこの国の主食だと言っていた。クロナが好きなだけ肉食って良いって言ってくれた。クロナがこの国は自分が守るから心配いらないって言ってたんだ……」
「クロナクロナクロナ!お前はクロナに言われなければ何も考えられないのかよ!!」
座らせ顔面に拳を叩き込む。
右手で殴りつけ、次に左手で殴る。
もちろん理屈で理詰めで正論で泣くミラーを罵り言い訳したら言葉でねじ伏せ殴る。
謝ったら謝ったで 「国民家畜扱いしてからじゃ遅いんだよ!」と殴る。
喋ったら 「黙れ!」と殴る。
無言になったら 「何か言え!」と殴る。
許してくれと抵抗したら 「お前に人権は無いんだよ!」と殴る。
1時間くらい顔面に拳を叩き込んで深海が疲れてきたところでその行為が終焉を迎えた。
ミラーの顔はボコボコに腫れ上がって歯が何本も折れたり抜けた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」
ミラーは虚ろな目で涙を流しながらひたすら謝っていた。
何に対して謝っているのかは分からない。
深海に対して許して欲しくて謝っているのか国民に対して罪悪感から謝っているのか。
「明日は俺と一緒に王都を回る。平民の格好して正午に庭の裏門前に居ろ。俺が付くまで一切飲み食いするな。それとルナトーの所に言って怪我は完治させておけ。
どれか1つでも出来なかった場合、さっきので済ますぐらいの暴力以上は振るわれる覚悟しておけよ」
ミラーの返事も聞かず放置して深海は食堂から出た。
そのまま帰ろうかと思いふと自分が何故ここにいるか
思い出した。
ラキザと約束をしていたのだった。
こんなに時間が経って鳴海が心配していることを想像し顔面蒼白になる。
そのまま深海は厨房に帰還した。
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「よ、お前意外と激情型だったんだな」
厨房の中は光魔石で明かりが付けられておりオタマを持っているラキザが居た。
和食特有のかぐわしい香りが厨房に広まっている。
「覗いてたんですか?やだな~あんなところ見られるなんて恥ずかしいじゃないですか声かけて下さいよー」
「いや、そこ照れるところじゃない。にしてもお前あのミラーをよくあそこまでボコボコにできたな。アイツ一応この王宮でも戦闘能力上位なんだぞ」
「まぁナルにブーストかけて貰ってましたから。それにああ言う本能で動いてそうな奴には最初にこちらが上だとアドバンテージ取っておけば割と簡単に躾出来るんですよ」
「お前自分の居た世界で何してたの?」
「やだなーただの1学生ですよ」
(絶対嘘だ)
ラキザは言っても上手く口車で丸め込まれる気がしたので心の中で留めておくことにした。
この5ヵ月程だが一緒に居て深海がかなり頭が回ることをラキザは認識している。
異世界の知識量もさることながらカグウとチノシスと会話しているところを見ると脱帽する。
ラキザは自分で頭は良い方だと自負しているが流石にカグウとチノシスの会話に詰まらずついて行けるほどの能力はないと自分で判断できる。
いや、ラキザだけでなくカグウとチノシスの会話について行ける者などカグウの腹違いの弟であるクリムゾンか、カグウが絶対の信頼を寄せている先輩くらいだろう。
なのにこの深海は2人の会話に困った様子も見せずついて行けるのだ。
自分と頭の作りが違うことなどその時点で理解している。
「聖女ちゃんが時間心配してるだろうから俺が遅れたことにしとけな」
見た目はヤンキーなのに何処までも優しい男である。
フィルドを筆頭に癖のあるカグウや親衛隊のメンバーの世話をしているラキザは、その料理上手さも相まって最近深海はラキザがカグウと親衛隊オカンに見えるようになってきた。
「助かります。そうさせて貰います」
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「有難うございます。では俺はナル待たせてると思うんでもう行きますね!」
早足に去っていく深海をみてラキザはしみじみ「凄いシスコンだな」と思った。
:::
「ナル、戻った」
窓から部屋に戻ると泣きそうな顔をした鳴海が深海に抱き着いた。
「ふーちゃん遅いよ!心配したんだからね!!」
「うん、ゴメンな。ラキザ様が手を離せない予定があって来るのが遅れたんだって」
「そっかーラキザ様も大変だね」
「それより飯食おうぜ。ラキザ様が2人分用意してくれたんだ」
「えっ本当!?」
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「いただきまーす」
おしぼりで手を拭くと嬉しそうに鳴海が手を合わせた。
「いただきます」
次いで深海も手を合わせる。
パクリ、と鳴海がジャガイモを口に含んだ。
パァッ、と鳴海の瞳が輝く。
ラキザはしっかり昆布の使い方をマスターしているようだ。
「美味しいね、美味しいねふーちゃん。日本のご飯の味だね!」
鳴海がポロポロ涙を流しながら嬉しそうに食べていた。
本当に久しぶりの日本の味なのだろう。
深海は和食で無いものの、ラキザの食事のお陰で食では追い詰められていなかった。
しかし鳴海はどうだ。
口に合わない食事を5ヵ月延々と取り続けたのだ。
苦手とする人物を前にしながら。
考えてみるとさぞや食事の時間が苦痛であっただろう。
食事面では苦労が無かった深海は自分だけが楽しく過ごしてきた事に大きな罪悪感を覚えた。
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