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【オマケとジャガイモの試食会】

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 さてまず手が延ばされたのはポテトサラダ。

「うん、美味いな。酸味が無くまろやかな味付け、旨味があって美味しいな。じゃがいもの『ゴロゴロ』食感もあり卵の風味もマッチしていて、非常にバランスの取れたいい料理だ。このまろやかさは何のソースでじゃが芋を混ぜたんだ?」

 どうやら料理の説明を聞くのはラキザの係らしい。

「マヨネーズと言ううちの世界のドレッシングです。
作り方は卵、塩、コショウ、酢を混ぜます。
卵と酢がしっかり混ざり合ったら、油を少しずつ入れていきます。
プルンとしたマヨネーズの完成です。
生野菜にも合うので良かったら今度野菜につけて食べてみて下さい」

「マヨネーズか。確かに美味いが卵とコショウが値をはるな。
飼育している鶏を増やして卵の量を増やしつつ東の国から安くコショウを仕入れる必要性があるな」

 やはり卵とコショウは値が張ってしまった。
 これは一応深海の想像の範囲内である。

「で、コレはズッキーニとジャガイモを炒めたものか?
うん、コレも何かのソースで炒めたんだな。
今まで食べた事ない味だがコレは手が進むな。何か別のものも食べたくなるがパンには少し合わないなぁ。」

「ソースはこの間作った醤油です。ちなみに醤油はお米に良く合います。今度お米を是非入手したいですね。日本人ならやっぱり米が食いたいです、はい」

 そして次に手が延ばされたのがチーズ入りじゃがいも餅 。

「うおっ、何だこの感触。ムニムニ?モニモニ?中のチーズがトロリと出て来てまろやかでコレも上手いわ。ちょっと癖になる食感だな」

「多分モチモチが一番適した表現です。我が国の伝統の餅という食材の食感をじゃが芋で作ったものです。ただチーズが少し値が張りますかね?」

 モチモチは癖になります。

 4つ目、ひき肉とじゃがいものカリカリ焼き。

「今度はカリカリ食感か。コレはカリカリに焼けたじゃがいもがひき肉とマッチして、シンプルな味付けが、酒にも合うね!この間作ったビールが進む~♫ 」

 そう言ってフィルドがジョッキに入ったビールにに口をつける。
 酒飲みの父親には好評だったこの料理。
 コストパフォーマンスも良くお手軽なわりには皆喜んでくれるので作り甲斐がある料理である。

 さて5つ目、じゃがいもの刻み昆布煮。

「これは!今までと全然違う!なんだこの料理。ほっこりしていて旨味があって、こんな味わい深い料理初めて食べたぞ!!これこの前作った焼酎に無茶苦茶合うな!」

「こちらでは料理に旨味成分を出す品が少ないですからね。私たちが物を知ったり、感じたりするために必要な感覚機能を「五感」と呼びます。
「視覚」、「聴覚」、「触覚」、「味覚」、「嗅覚」です。
そのうち味覚は文字通り、食に関する認識を担っている機能です。
さらに味覚を5つの基本味に分けると、「甘未」、「酸味」、「塩味」、「苦味」、「旨味」になります。
昆布にはグルタミン酸が豊富に含まれておりグルタミン酸が生み出す味を「旨味」と命名されたそうです。
この料理は和食なので日本酒や焼酎に良く合いますよ。
残念ながら日本酒は今回ありませんが」

 料理好きのラキザが目をキラキラさせてグラスを受け取った。

「うぉ焼酎はビールと違って別の美味さがあるな。
香ばしい香りとマイルドな口当たりで、すいすい腹に入って行くし、幸せな一時を味わえるわ。
あぁ~飲んだ後に鼻から抜ける甘い香り最高だな」

「で、最後にこのコロッケと言ううヤツか」

 ザクッ、とラキザ様のフォークがコロッケを2つに割る。

「溢れ出る」という言葉が使いたくなるくらい、たっぷりのじゃがいもが顔を出すとともに、ポテトの甘い風味が鼻腔をくすぐってくる

 フォークに半分を刺してかなり大きな塊を一気に口に入れた。

「このパン粉?と言うヤツがが抜群のサクサク食感を生んでいる。ポテトの甘みとともに、塩コショウ・干し肉(挽肉)の風味もしっかりと感じられ、うまく調和がとれている!ポテトはなめらかな舌触りでありながらホクホク感もあり、まさに外はカリカリ、中はホクホク!これは、美味い!!!」

 ラキザだけでなく他の4人も目をキラキラさせていた。
 どうやら口にあったらしい。
 フィルドに回復魔法で調味料の発酵を促進させて貰ったかいがあった。

(時間がある時ナルにも食べさせてやりたいな)

 自らもコロッケを頬張りながら深海は片割れの喜ぶ顔を想像するのだった。
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