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【オマケは甘いものがお好き】
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「では焼酎も無事作れたことですし、先ほど言っていた甘味に手を出したいと思います」
「甘味ってこの芋がどう甘くなるんだ?たしかに調理したら甘みがあって美味いが、果実に比べるとそこまで甘いって訳じゃないだろう?」
「まぁ確かに果物の方が甘いですね、このままでは。なのでこのサツマイモを水飴にしたいと思います」
「「水飴?」」
ラキザとフィルドの声がハモる。
「まぁ百聞は一見に如かずと言いますし、ちゃちゃっと作るので試食してみて下さい」
【サツマイモ水飴の作り方】
材料 出来上がり 約95g
重曹水用 水 1000cc
重曹水用 重曹 5g
サツマイモ 600g
お湯 800cc
「サツマイモは空気に触れると変色しやすいので、初めに重曹水を用意しておき、輪切りにしながら重曹水に浸していきます。
空気に触れて変色すると、黒い紫色になります。普通の水に漬けても同じく変色します。
切り終わったら輪切りにしたサツマイモの皮を剥き、すぐにまた重曹水に入れ一晩そのままにしておきます。
ではフィルド様、何時ものを」
「ほい、ヒールね」
「沸騰前まで沸かしたお湯をミキサーに入れておきます。
漬けておいたサツマイモを綺麗に水で洗い、適当な大きさに切り、お湯の入ったミキサーで砕きます。
お湯はサツマイモが隠れるくらい、もしくはミキサーが回りやすくなる量を入れます。
が、ミキサーが無いのでフィルド様これをドロドロにしちゃって下さい」
「それ、風魔術」
「砕いたサツマイモを弱火で、トロミが出てお粥のようになるまで煮ます。
白っぽかった汁が綺麗な黄色に変わってきます。
粥状になったサツマイモを60~80℃前後に保ち、6~7時間保温して糖化させます。
時間短縮のため熱魔法と回復魔法お願いします」
「はい、ヒール。ヒート」
「漉し布に入れ、サツマイモを漉します。
すぐに目が詰まるので、少しづつ底の布を握るように絞って漉します。
漉した汁を煮詰めていきます。
途中アクが出ますので、キレイにすくいます。
煮詰まって全体が泡立ってきたら火を止め、熱い内に保存容器に詰めて完成です」
鍋の中の粘着質な物体を瓶に移し替える。
スプーンですくってラキザとフィルドに手渡す。
「どうぞ、味見して見て下さい。トロミがあるので服汚さないように気を付けて下さいね」
深海の言葉に皆瓶から水飴を掬って口に運ぶ。
「甘っ!これ料理にも使えるんじゃねぇ?」
「うわ~喉越しが蜂蜜よりいいね~♪」
「どうでしょう?カグウ様に差し出す価値はありますか?」
「これなら十分だよ♬」
「夕食後に出してみるか。取り合えず手を加えずそのまま食べて貰おう」
フィルドとラキザのお墨付きを貰い、深海は上手く水飴が完成したことに内心ほっとした。
:::
「初めて食べる味だ。国産品として売り出すにも十分だな」
「ふぁ~眠気も跳ぶNzzzzzzzzz」
「全然眠気跳んでないですよチノシス。それにしても2度目だけどコレ本当に甘い♡ここまでちゃんとした甘味食べると幸せだね~♡」
スプーン1口の1度の味見では物足りなかったらしい。
フィルドが非常に幸せそうな顔をしてる。
前髪のせいで目元は見えないが頬が緩んでいる。
「カグウ様どうですか?」
「良い甘みだ。上手く売り出せば名産品になるかもな。まずは貴族を狙って売り出すか。量産は出来るのか?」
「量産は場所さえあれば。製造時間は魔術さえ使えばそんなにかかりませんが、保存料を使っていないため長持ちはしないですね。後、魔術を使わなくても温度調整さえ出来れば割と簡単に作れます。そちらのレシピを職人に卸すのもありかと思うのですがどうでしょう?」
「日持ちしないなら、カカンに来なければ食べれないと言うのもプレミアム感があって逆に良いかもしれない。コキョウ、人員は集めれるか?」
「カグウが言うなら1時間後にでも集めよう」
「そんなに早く集めても作る場所ないと意味ないでしょ♪んで工場は俺が作る訳ね?」
「話が速くて助かる。フィルドは場所の用意、ラキザは製造実行係だ。フカミ、ラキザの補助を頼む」
「「「了解!」」」
その後、水飴は1000年以上続くカカンの名産品になるのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※魔術を使わない水飴ヴァージョン
生いもと同量の水を80℃に温め、生いもを卸金で擦りこむ。この際、温度を60~80℃に保ち、すりおろしたものがすぐ半糊化程度になるようにする。
すりおろした芋はすぐ湯に入れないと着色するので注意を要する。
いもを全部おろし込み、80℃以上にならないように注意しながら十分に糊化させ、粥の固さくらいにする。
次に60~80℃の恒温槽に数時間入れて糖化させ、その後一度煮沸して布袋でこし、その濾液を煮詰めて上に浮遊してくる汚物を2~3回すくい取り、濃縮すればきれいな飴ができる。
工場では上記の方法で作られることとなります。
「甘味ってこの芋がどう甘くなるんだ?たしかに調理したら甘みがあって美味いが、果実に比べるとそこまで甘いって訳じゃないだろう?」
「まぁ確かに果物の方が甘いですね、このままでは。なのでこのサツマイモを水飴にしたいと思います」
「「水飴?」」
ラキザとフィルドの声がハモる。
「まぁ百聞は一見に如かずと言いますし、ちゃちゃっと作るので試食してみて下さい」
【サツマイモ水飴の作り方】
材料 出来上がり 約95g
重曹水用 水 1000cc
重曹水用 重曹 5g
サツマイモ 600g
お湯 800cc
「サツマイモは空気に触れると変色しやすいので、初めに重曹水を用意しておき、輪切りにしながら重曹水に浸していきます。
空気に触れて変色すると、黒い紫色になります。普通の水に漬けても同じく変色します。
切り終わったら輪切りにしたサツマイモの皮を剥き、すぐにまた重曹水に入れ一晩そのままにしておきます。
ではフィルド様、何時ものを」
「ほい、ヒールね」
「沸騰前まで沸かしたお湯をミキサーに入れておきます。
漬けておいたサツマイモを綺麗に水で洗い、適当な大きさに切り、お湯の入ったミキサーで砕きます。
お湯はサツマイモが隠れるくらい、もしくはミキサーが回りやすくなる量を入れます。
が、ミキサーが無いのでフィルド様これをドロドロにしちゃって下さい」
「それ、風魔術」
「砕いたサツマイモを弱火で、トロミが出てお粥のようになるまで煮ます。
白っぽかった汁が綺麗な黄色に変わってきます。
粥状になったサツマイモを60~80℃前後に保ち、6~7時間保温して糖化させます。
時間短縮のため熱魔法と回復魔法お願いします」
「はい、ヒール。ヒート」
「漉し布に入れ、サツマイモを漉します。
すぐに目が詰まるので、少しづつ底の布を握るように絞って漉します。
漉した汁を煮詰めていきます。
途中アクが出ますので、キレイにすくいます。
煮詰まって全体が泡立ってきたら火を止め、熱い内に保存容器に詰めて完成です」
鍋の中の粘着質な物体を瓶に移し替える。
スプーンですくってラキザとフィルドに手渡す。
「どうぞ、味見して見て下さい。トロミがあるので服汚さないように気を付けて下さいね」
深海の言葉に皆瓶から水飴を掬って口に運ぶ。
「甘っ!これ料理にも使えるんじゃねぇ?」
「うわ~喉越しが蜂蜜よりいいね~♪」
「どうでしょう?カグウ様に差し出す価値はありますか?」
「これなら十分だよ♬」
「夕食後に出してみるか。取り合えず手を加えずそのまま食べて貰おう」
フィルドとラキザのお墨付きを貰い、深海は上手く水飴が完成したことに内心ほっとした。
:::
「初めて食べる味だ。国産品として売り出すにも十分だな」
「ふぁ~眠気も跳ぶNzzzzzzzzz」
「全然眠気跳んでないですよチノシス。それにしても2度目だけどコレ本当に甘い♡ここまでちゃんとした甘味食べると幸せだね~♡」
スプーン1口の1度の味見では物足りなかったらしい。
フィルドが非常に幸せそうな顔をしてる。
前髪のせいで目元は見えないが頬が緩んでいる。
「カグウ様どうですか?」
「良い甘みだ。上手く売り出せば名産品になるかもな。まずは貴族を狙って売り出すか。量産は出来るのか?」
「量産は場所さえあれば。製造時間は魔術さえ使えばそんなにかかりませんが、保存料を使っていないため長持ちはしないですね。後、魔術を使わなくても温度調整さえ出来れば割と簡単に作れます。そちらのレシピを職人に卸すのもありかと思うのですがどうでしょう?」
「日持ちしないなら、カカンに来なければ食べれないと言うのもプレミアム感があって逆に良いかもしれない。コキョウ、人員は集めれるか?」
「カグウが言うなら1時間後にでも集めよう」
「そんなに早く集めても作る場所ないと意味ないでしょ♪んで工場は俺が作る訳ね?」
「話が速くて助かる。フィルドは場所の用意、ラキザは製造実行係だ。フカミ、ラキザの補助を頼む」
「「「了解!」」」
その後、水飴は1000年以上続くカカンの名産品になるのであった。
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※魔術を使わない水飴ヴァージョン
生いもと同量の水を80℃に温め、生いもを卸金で擦りこむ。この際、温度を60~80℃に保ち、すりおろしたものがすぐ半糊化程度になるようにする。
すりおろした芋はすぐ湯に入れないと着色するので注意を要する。
いもを全部おろし込み、80℃以上にならないように注意しながら十分に糊化させ、粥の固さくらいにする。
次に60~80℃の恒温槽に数時間入れて糖化させ、その後一度煮沸して布袋でこし、その濾液を煮詰めて上に浮遊してくる汚物を2~3回すくい取り、濃縮すればきれいな飴ができる。
工場では上記の方法で作られることとなります。
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