聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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2章

【221話】

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 チーム『神狩り』。
 それは神のゲーム盤となった世界で神に抗う者たちが集うチームである。

 チームのトップは『鈴蘭』。
 まだ17歳の少年だ。
 成長しきっていない体は男としては若干華奢で小柄である。
 長い黒髪を三つ編みにして後ろに垂らしてある。
 瞳は髪と同じ夜を溶かし込んだような黒。
 切れ長で、その瞳で見らると心を射抜かれそうな程の迫力。
 何より美しい。
 男でも良いと同性に思わせる意味力を持っている。

 そしてチームの№2の『マオ』
 20歳の青年。
 鈴蘭に負けず劣らずの美貌。
 鈴蘭が何よりも大切にしている存在である。
 身長は平均で体形はしなやかな筋肉が全身を覆っている。
 こちらもまた鈴蘭と同じく同性まで魅了するほど美しいが、誰も手を出そうとする者は居ない。

 この2人、見た目のお飾りでチームのトップになった訳では無いのだ。

 鈴蘭は高い戦闘能力と、”法術”と言われる傷を治したり出来る特殊な能力を持っている。
 
 マオは剣術を得意とし、”魔術”を得意とする。
 魔術、で火や氷を生み出し数百体の魔物を葬るのをチームの皆は見ている。

 その力で反撃されれば命は無いだろう。
 そのため鈴蘭とマオは味方から襲われると言う事はないのだ。

 チーム『神狩り』は鈴蘭とマオだけが能力を持っている訳では無い。
 2人は神に抗う意思を持つ者をチームに引き入れると、それぞれに見合った能力の指導をする。
 既に十数人が魔術や法術を扱えるようになった。

 また鈴蘭が戦う時に使う”闘気”と言うものがあり、これは肉体能力を強化させる。
 魔術や法術に適性が無いものでも、訓練さえ積めば習得できるものが多い。
 ただし訓練が半端なく苦行なので、闘気を身に付けれないまま終わる者も多い。

 そんなチーム『神狩り』は拠点を既に人が捨てた工場に置いている。
 魔物に襲われ人間は皆消えたらしい。
 逃げ出せたものは良いだろう。
 魔物の餌食になった者も多い筈だ。

 工場は災害用品やキャンプ用品を扱っている工場だった。

 賞味期限の切れていない食料や水が手に入る。
 魔物は人間の食べ物に興味を示さなかったのか、食料などは新品を手に入れることが出来た。
 この工場は魔物から取り返す価値があった。
 又、もう既に人間が居ない地と神々が特に目を向けることが無いため、神々の眼からも隠れることが出来た。
 拠点としては最高の立地である。
 それゆえチームの物が動く時は”隠密”のスキルが必須である。
 拠点を見つかる訳にはいけないのだ。

 だが工場の物品にも限りはある。
 今は数があるが、賞味期限が5年もある栄養満点の食料などはいざと言う時に確保しておきたい。
 チームの皆が、退避する時のためのバッグにそれぞれ複数備えてある。
 逃げた先で食料や水にあり付けるかどうか分からないからだ。

 そのためサバイバル知識と、魔物の肉を食べると習慣を身に付けねばならなかった。

 これには抵抗がある者が大勢いた。
 鈴蘭とマオが率先して食べていたので皆恐る恐る口にしたが。
 意外と美味しかったのか、慣れるのも早かった。

 当然である。
 未来では食用に飼育されている種類の魔獣の肉だ。
 未来では誰もが口にしている。

 そしてチームが出来て2ヵ月。

 ある日鈴蘭が少女と女性を連れて来た。
 気の強そうな少女と優し気な女性。
 この2人が世界を変える格になるなんて、この時は誰も想像をしていなかった。

 鈴蘭とマオを除いて。
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