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そして全能神は愉快犯となった

【195話】

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 チュドーン!!!

 今日も厨房から爆発音がした。
 きっとマックロクロスケ大量発生だ。
 そしてダークマターが今日も生み出されてしまったのであった。

「トワは良くアレに付き合いきれますね」

「我が息子ながら忍耐深いですわ。ですがお兄様の息子に変な食べ物を食べさす訳にはいけません、しっかりみっちり扱いて貰わないと!」

 天界の昼下がり、珍しくサイヒとルークが出かけているのでカマラとマロンと言う一見珍しい組み合わせがお茶をしていた。
 勿論カマラが飲むのはノンカフェインのハーブティー。

 ハーブは、料理の風味付けや保存料、香料などとして、生活に役立つ植物の総称だ。
 漢方薬の原料となる生薬も、広い意味ではハーブに含まれる。
 ハーブティーとは、そうしたハーブと呼ばれる植物の根や果実、花、種、葉などを乾燥させて砕き、濃縮、抽出したものから作られるお茶のことを言う。
 通常のお茶は、茶の木の葉や茎から作られますが、お茶の木以外の植物の、さまざまな部位を使って作られているのがハーブティーである。

 ハーブは料理にも使われることなどから、「医薬品に比べて、自然で安全なもの」と捉えられがちであるが、実は漢方薬の生薬のように医薬品成分として規制されているものや、毒性のある成分を含むことも少なくない。

 中には子宮刺激作用のように、妊娠中の使用には適さない働きを持つとされるハーブも存在する。
 昔から一般的にさまざまなハーブが利用されてきた欧米の国々でも、妊娠中のハーブ製品の使用は慎重にするよう推奨されることが多い。

 ハーブティーについても同様だ。
 今のところは「妊娠中でも少量であれば問題はない」といわれているものでも、本当に問題がないかどうか、つまり安全性があるかどうかはきちんと確認されていない。

 そのため、妊娠中にハーブティーを飲む場合は、できれば医師や薬剤師などに確認してから口にすることをおすすめされることが多い。
 ハーブの種類によらず、水分摂取をそれだけにするなどで大量に飲んだり、濃縮されたハーブティーを口にしたりすることは避けた方が良い。
 まぁマロンが調節しているのでその点は問題は無いが。
 物凄い安心感である。
 天界でマロンの給仕能力を疑うものなど存在しない。
 幼子の頃にお菓子つくりの感覚でポーションを作ってしまう天才児だ。
 口に入るモノを作らせれば右に出るものは居ない。
 若干1名ライバル心を抱いている存在も居るのだが、今は天界ではなく地上に居るので特に揉め事の種は無い。

 ハーブの中には、その作用から「妊娠中は注意が必要」とされているものが、いくつかある。

 ・カモミールティー
 カモミールティーは、カルシウムとマグネシウムが豊富で、不眠症や関節の炎症の改善などにも役立つといわれ、妊娠中でも摂取を勧められることもある。
 ただし、こうした作用についての医学的根拠があまり明確でないうえ、カモミールには子宮を刺激する作用があるといわれている。
 そのため妊娠中の摂取はなるべく避け、やむを得ず摂取する場合は少量にとどめるべきである。

 なお、カモミールティーの原料には、大きく分けて「ローマンカモミール」と「ジャーマンカモミール」の2種類があるが、とくにローマンカモミールは、過剰摂取により流産を引き起こす可能性があるといわれている。
 またジャーマンカモミールも過剰摂取により子宮刺激作用があるとされており、要注意である。

 ・レモングラスティー
 レモングラスは、レモンに似たさわやかな香りを持ち、東南アジア料理などによく使われているが、レモングラスにも生理周期に影響を与えたり、子宮を収縮させたりする作用があるとされている。 
 そのため、妊娠中は摂取しないことが推奨されている。
 授乳中も引き続き、避けたほうが良い。

 ☆適量ならおそらくOKなハーブティー☆

 ・ルイボスティー
 赤い色をしたルイボスティーは、含まれる成分の一部が女性ホルモンの一種、エストロゲンと似た作用をするという報告があることから、女性にうれしいお茶として知られている。
 通常のお茶として飲用する分には、おそらく妊娠中も安全に摂取できると考えられているが、大量摂取は避けた方が良い。

 ・ダンデライオンルートティー
 セイヨウタンポポを原料としたお茶。
 むくみの予防・改善、食欲増進、母乳の分泌促進などの作用があるといわれているが、その効果を示すじゅうぶんな医学的根拠はまだない。
 妊娠中に適量を摂取するならおそらく問題はないと考えられているが、やはり大量摂取は避けておくべきである。

 ・ジンジャーティー
 ショウガを原料としたジンジャーティーは吐き気を和らげるのに役立つといわれている。
 つわりがつらい妊婦にとっては、うれしいことだろう。
 こちらも1日に2~3杯程度の適量摂取であれば、基本的には安全に飲用できると考えてよい。

 ほかにもある!妊婦も大丈夫なハーブ
 そのほか、ワックスのついていない柑橘類の果皮やレモンバーム、ローズヒップなどを原料としたお茶も適量(1日に2~3杯)であれば、おそらく問題ないと考えられている。

 お茶1つにとってもマロンは万全の準備を怠らない。
 愛おしいお兄様の娘の身体である。
 その身体にはお兄様の血を引く子供が宿っているのだ。
 危険など全て振り払うのが己の役目とマロンは燃えている。

 そしてカマラが大事であると同時にドラジュもまた、お兄様の子供だ。
 危険から遠ざけたい。
 口に入れるものは素材から厳選して最高の調理をして差し出したい。
 今まではそうであった。
 だが5日前からドラジュのお茶のお供はダークマターとなった。
 愛する者の手作りの菓子をどうして捨てる事が出来ようか?
 ドラジュは母と父の両方に似て、粘着質ともいえるほどの愛情の垂れ流し方をする性質を持っていた。

 せめてと、胃痛緩和・吐き気緩和・胃粘膜保護・毒性物質浄化のポーションを菓子と一緒に取るようにして貰っている。
 流石にソレはドラジュも条件を飲んだ。
 どれだけ愛する者の手作りでもダークマターはダークマターである。
 殺傷能力が半端ない。
 食べているのがドラジュでなければ今頃病室のベッドの上だろう。

「ドラジュは年々母上に似て来るな…外見は父上の要素もかなり多いのだが………?」

「ソレを言ったらカマラ様は年々ルーク様に似てきていますわ。今でこそ堂々と惚気るルーク様ですが、お兄様とお会いして暫くは本当に恋する乙女、と言った感じでお可愛らしかったのですよ。カマラ様はその頃のルーク様によく似ておられます」

「え”っ、じゃぁ私は父上みたいな乙女になってしまうのか?」

「ソレイユ様が良い方ですからね、どんどん乙女になって行って下さいまし。子供が出来ても、子供の父親と母親である前に、互いが唯一の伴侶であることを心の中に留めておいて欲しいですわ」

「マロンさんとクオンさんもそうな訳ですか?」

「秘密です♡」

 クスクスと笑うマロンは、肉体年齢が15歳で止まっているから幼く感じるが、こういった時に妙齢の女性だと言う事を思い出させる。
 勝てないなぁ、と心の中で思いながらカマラはカップの中の赤い液体を飲み干した。
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