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そして全能神は愉快犯となった
【193話】
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チュド――――ンッ!!!
その日天界の王宮の厨房で爆発が起きた。
:::
「で、ユラさん言い訳は?」
「手料理を作ってみたかったです」
「私の先祖から手作り料理禁止が下っていた筈ですが?」
「もう数万年前の話だから時効かな~と思って♫」
ペロ、とユラが舌を出す。
その仕草が許されるのは10代までである。
22歳のユラがやると少し痛い。
しかも中身は数億歳だ。
ぶりっ子ぶるにも程がある。
それで許してくれるのはドラジュだけであろう。
「令和に時効は無かったと思うのですが?」
「あれから時代変わったしぃ?」
「天界にも時効はありません」
「え、私いつの間にかサイヒちゃんに手作り料理禁止されてた!?」
「今までは無かったですがコレからそうしましょう」
「許して―――っ!魔が魔が差したんですぅぅうぅうぅぅ!!」
土下座の体制からサイヒの法衣に縋りつくように涙を浮かべる。
本当にこの人物は数億年も生きて来たのであろうか?
精神年齢が低すぎる様な気がする。
まぁドラジュが見たら「可愛い♡」と変なスイッチが入るだろうが、サイヒにそんな性癖は無い。
「大体食事には困っていないでしょう?マロンの作る料理が口に合わないんですか?だったらユラさん専用にシェフを用意しても良いですが?」
多分そんな事をしたら全能神の息子が専属コックになるべく今日から猛勉強に励むことだろう。
器用なので数日で料理も覚えそうである。
「マロンちゃんのご飯に文句は無いの!むしろ今までで一番食には充実してると思っているし。ただ、私が作った物も食べて欲しいなぁ、とか思ってみちゃったもんで………」
成程、遅すぎる思春期みたいなものであろうか?
どうやらユラは恋人に手料理を食べて貰いたいようだ。
初めての恋人。
色々とやりたいことがあるのだろう。
手料理をあーんするのも夢の1つであるようだ。
「大抵の食事は【復元】で作れるじゃ無いですか」
「能力じゃなくて、ちゃんと自分で作ったものを食べて欲しいの!」
「このダークマターを?」
「うぅぅぅうぅぅぅうぅううっ(´;ω;`)ウゥゥ」
はぁ、とサイヒは溜息を吐いた。
何とも手のかかる年上の親戚である。
親戚と言ってもかなり血筋は遠く、年齢に開きはあるが。
それでも放っておけるほど情が無いわけでは無い。
それに己の息子の喜ぶ顔が見たいのも親心である。
まぁ息子はダークマターでも笑顔で食べてしまいそうだが。
「厨房のマックロクロスケ退治が終わったらトワから料理を習える手はずをつけますよ。マロンは忙しいですからね。ユラさんに料理を教える暇はありません。トワの料理も美味いので十分参考になるでしょう」
「サイヒちゃん有難うぅぅぅぅうっぅうぅぅぅうっっ!!」
「ちょ、鼻水!ユラさんステイ!!」
こうしてサブの厨房が3ヵ月爆発を繰り返したと言う。
その日天界の王宮の厨房で爆発が起きた。
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「で、ユラさん言い訳は?」
「手料理を作ってみたかったです」
「私の先祖から手作り料理禁止が下っていた筈ですが?」
「もう数万年前の話だから時効かな~と思って♫」
ペロ、とユラが舌を出す。
その仕草が許されるのは10代までである。
22歳のユラがやると少し痛い。
しかも中身は数億歳だ。
ぶりっ子ぶるにも程がある。
それで許してくれるのはドラジュだけであろう。
「令和に時効は無かったと思うのですが?」
「あれから時代変わったしぃ?」
「天界にも時効はありません」
「え、私いつの間にかサイヒちゃんに手作り料理禁止されてた!?」
「今までは無かったですがコレからそうしましょう」
「許して―――っ!魔が魔が差したんですぅぅうぅうぅぅ!!」
土下座の体制からサイヒの法衣に縋りつくように涙を浮かべる。
本当にこの人物は数億年も生きて来たのであろうか?
精神年齢が低すぎる様な気がする。
まぁドラジュが見たら「可愛い♡」と変なスイッチが入るだろうが、サイヒにそんな性癖は無い。
「大体食事には困っていないでしょう?マロンの作る料理が口に合わないんですか?だったらユラさん専用にシェフを用意しても良いですが?」
多分そんな事をしたら全能神の息子が専属コックになるべく今日から猛勉強に励むことだろう。
器用なので数日で料理も覚えそうである。
「マロンちゃんのご飯に文句は無いの!むしろ今までで一番食には充実してると思っているし。ただ、私が作った物も食べて欲しいなぁ、とか思ってみちゃったもんで………」
成程、遅すぎる思春期みたいなものであろうか?
どうやらユラは恋人に手料理を食べて貰いたいようだ。
初めての恋人。
色々とやりたいことがあるのだろう。
手料理をあーんするのも夢の1つであるようだ。
「大抵の食事は【復元】で作れるじゃ無いですか」
「能力じゃなくて、ちゃんと自分で作ったものを食べて欲しいの!」
「このダークマターを?」
「うぅぅぅうぅぅぅうぅううっ(´;ω;`)ウゥゥ」
はぁ、とサイヒは溜息を吐いた。
何とも手のかかる年上の親戚である。
親戚と言ってもかなり血筋は遠く、年齢に開きはあるが。
それでも放っておけるほど情が無いわけでは無い。
それに己の息子の喜ぶ顔が見たいのも親心である。
まぁ息子はダークマターでも笑顔で食べてしまいそうだが。
「厨房のマックロクロスケ退治が終わったらトワから料理を習える手はずをつけますよ。マロンは忙しいですからね。ユラさんに料理を教える暇はありません。トワの料理も美味いので十分参考になるでしょう」
「サイヒちゃん有難うぅぅぅぅうっぅうぅぅぅうっっ!!」
「ちょ、鼻水!ユラさんステイ!!」
こうしてサブの厨房が3ヵ月爆発を繰り返したと言う。
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