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そして全能神は愉快犯となった
【153話】
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「ユラさん、そんなに緊張しなくても良いんじゃないですか?」
艶めかしくも機能美に長けた肉体を湯船につからせて、サイヒはガチガチに固まっているユラに声をかけた。
普段から挙動不審のユラだが、流石に今日はおかしすぎる。
湯に浸かったまま動かない。
正座の姿勢で。
まぁ理由はほぼ分かっているのだが。
「私の部屋で風呂に入りたい、と言うのは誰にも触れられたくない、と言う事でしょう?」
「ヴヴヴヴヴヴヴ~~~~…」
「鳴き声が獣のそれですよ?」
「ヴィヴィヴィヴィヴィイイ~~~…」
駄目だ。
ユラはすっかり固まって真っ赤になっている。
のぼせた訳でないのは分かっている。
「ドラジュの性教育はルークにしっかり取り組んだから問題ないですよ?」
「あfssl;維持とパイjらおじょp:fkアポk!!!」
「あ、やっぱり今日その気でいたんですね」
「ひゃぁぁぁあぁぁぁあ~~~~……」
「まぁ性教育したと言っても知識をしっかり詰め込ませただけで、何処かの高級娼婦を雇って筆おろしなどはさせてないので安心下さい。
ドラジュは身も心も真っ新ですから、ユラさんの色に染め放題です」
クツクツと喉を鳴らしてサイヒが笑う。
それだけで漂うこの色香は何なんだろうか…。
数億歳も年下のはずなのに、サイヒはユラよりよほど色気がある。
「ちっ、ちがっ!初めて嬉しい、じゃなくて!そりゃ嬉しいけど~~じゃなくて!」
「はいはい、ドラジュに夜這いに行くのに人の手は借りたくなかったんでしょう?宮殿の侍女たちは女を磨くのが大好きですから。
今日みたいな日は自室で入浴していたら、間違いなくユラさんは体の隅々まで磨かれて垢を擦られて香油を塗りたくられた上に寝化粧までされていたでしょうね。
ついでにベビードールの1着くらい着させられていたでしょう。
そういう意味では私の部屋に来たのは正解だと思いますよ。少なくとも私はユラさんの体を磨き上げたりしませんから、ご自分で好きなだけ磨いてください。
あ、寝着は普通で良いと思いますよ?ドラジュは妖艶系より清楚系が好きですから」
「あ、あの!サイヒちゃんは私で良いの!?」
「いけない理由が無いでしょう?私だってユラさんと本当の家族になれるのは喜ばしい事ですから。私のご先祖様の血は薄まっているけど、私はユラさんと同じ血を引いているんです。その縁が再び濃いものになるならこれ以上の幸福はありません。
何より母親と言うのは息子が惚れた相手と結ばれるのを心から喜ぶものですよ。
あ、ドラジュは経験こそありませんが初めての相手に優しくするようにしっかりルークに教え込ませたので安心してください。
足を開いて天井のシミの数を数えている間に事は終わるでしょう。
それでは私は先に上がりますね。可愛い銀色の愛猫がベッドで待っていますから」
「この宮殿の天井のどこにシミがあるのよ………」
ざぷり、と湯からサイヒのその肢体が上がる。
サイヒは全く芸術品としか言えない見事な体だ。
ユラは未だ湯に浸かっている自分の胸を見る。
負けだ。
圧倒的に負けている………。
「あ、ドラジュは貧乳派なので心配なく!」
「うひゃぁぁあっ!!」
浴室から出る直前、サイヒから声をかけられた。
その言葉にユラは変な声を上げる。
心を読まないと言っているが本当に読んでいないのだろうか…?
全能神のサイヒはその気になれば世界中の人間の心を同時に覗き、マルチタクスで並行思考して全に答えることが出来るだろう。
まぁサイヒは他人の心のうちなどどうでも良いのでそんな事に力は使わないが。
「ひんにゅう…ひんにゅうは………良し!」
ユラは気合を入れると己の体を磨くべく、湯から体を上がらせた。
艶めかしくも機能美に長けた肉体を湯船につからせて、サイヒはガチガチに固まっているユラに声をかけた。
普段から挙動不審のユラだが、流石に今日はおかしすぎる。
湯に浸かったまま動かない。
正座の姿勢で。
まぁ理由はほぼ分かっているのだが。
「私の部屋で風呂に入りたい、と言うのは誰にも触れられたくない、と言う事でしょう?」
「ヴヴヴヴヴヴヴ~~~~…」
「鳴き声が獣のそれですよ?」
「ヴィヴィヴィヴィヴィイイ~~~…」
駄目だ。
ユラはすっかり固まって真っ赤になっている。
のぼせた訳でないのは分かっている。
「ドラジュの性教育はルークにしっかり取り組んだから問題ないですよ?」
「あfssl;維持とパイjらおじょp:fkアポk!!!」
「あ、やっぱり今日その気でいたんですね」
「ひゃぁぁぁあぁぁぁあ~~~~……」
「まぁ性教育したと言っても知識をしっかり詰め込ませただけで、何処かの高級娼婦を雇って筆おろしなどはさせてないので安心下さい。
ドラジュは身も心も真っ新ですから、ユラさんの色に染め放題です」
クツクツと喉を鳴らしてサイヒが笑う。
それだけで漂うこの色香は何なんだろうか…。
数億歳も年下のはずなのに、サイヒはユラよりよほど色気がある。
「ちっ、ちがっ!初めて嬉しい、じゃなくて!そりゃ嬉しいけど~~じゃなくて!」
「はいはい、ドラジュに夜這いに行くのに人の手は借りたくなかったんでしょう?宮殿の侍女たちは女を磨くのが大好きですから。
今日みたいな日は自室で入浴していたら、間違いなくユラさんは体の隅々まで磨かれて垢を擦られて香油を塗りたくられた上に寝化粧までされていたでしょうね。
ついでにベビードールの1着くらい着させられていたでしょう。
そういう意味では私の部屋に来たのは正解だと思いますよ。少なくとも私はユラさんの体を磨き上げたりしませんから、ご自分で好きなだけ磨いてください。
あ、寝着は普通で良いと思いますよ?ドラジュは妖艶系より清楚系が好きですから」
「あ、あの!サイヒちゃんは私で良いの!?」
「いけない理由が無いでしょう?私だってユラさんと本当の家族になれるのは喜ばしい事ですから。私のご先祖様の血は薄まっているけど、私はユラさんと同じ血を引いているんです。その縁が再び濃いものになるならこれ以上の幸福はありません。
何より母親と言うのは息子が惚れた相手と結ばれるのを心から喜ぶものですよ。
あ、ドラジュは経験こそありませんが初めての相手に優しくするようにしっかりルークに教え込ませたので安心してください。
足を開いて天井のシミの数を数えている間に事は終わるでしょう。
それでは私は先に上がりますね。可愛い銀色の愛猫がベッドで待っていますから」
「この宮殿の天井のどこにシミがあるのよ………」
ざぷり、と湯からサイヒのその肢体が上がる。
サイヒは全く芸術品としか言えない見事な体だ。
ユラは未だ湯に浸かっている自分の胸を見る。
負けだ。
圧倒的に負けている………。
「あ、ドラジュは貧乳派なので心配なく!」
「うひゃぁぁあっ!!」
浴室から出る直前、サイヒから声をかけられた。
その言葉にユラは変な声を上げる。
心を読まないと言っているが本当に読んでいないのだろうか…?
全能神のサイヒはその気になれば世界中の人間の心を同時に覗き、マルチタクスで並行思考して全に答えることが出来るだろう。
まぁサイヒは他人の心のうちなどどうでも良いのでそんな事に力は使わないが。
「ひんにゅう…ひんにゅうは………良し!」
ユラは気合を入れると己の体を磨くべく、湯から体を上がらせた。
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