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《201話》

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 ♡マロンちゃんのお料理教室5日目♡

 もうお料理教室は終盤に差し掛かっている。
 皆の包丁さばきも随分と良くなった。
 全てはマロンの指導の賜物である。
 可愛い妹分の良い働きに最高神様も大満足だ。
 若干1名、このお料理教室のために欠乏症を起こして呪文を唱えるもの(某医師である)が居るが、おおむね料理教室は若き男女の恋のツールとしてもお役立ちしている。
 差し入れから始まる甘酸っぱい恋愛は大変美味しい酒の肴である。

 :::

「本日は男性が大好きなオカズベスト10に毎回入るコレです!鶏もも肉の旨塩唐揚げ!本日は唐揚げを作っていきます。副菜はシャキシャキじゃがいもとザーサイのマヨネーズ和えです。皆さん今日も頑張りましょうね」

「「「「「「「「はい!マロン先生!!」」」」」」」」

「先生はちょっと照れますね…」

 十分に先生である。
 しかも生徒思いで腕があって優しくて気配りが出来て外見も良い。
 嫌われる要素が無い。
 嫌われるとしたらマロンに嫉妬しているものくらいだあろう。
 それくらいマロンは天界で評判が良い。
 天界の最高神×魔王のTOPの夫婦の次に憧れられているのはクオンとマロンの夫婦である。
 TOPの最高神と魔王より、もと人間で(現在は最高神と魔王の眷属のため天人と変わらない存在だ)身分が近く親しみやすいクオンとマロンの方が夫婦としては憧れている者は多いかも知れない。
 
 可愛い妹分が民衆から好かれている。
 鼻の高いサイヒである。サイヒにはやはりかなりのシスコン気質が備わって老いるらしい。

 :::

 ☆鶏もも肉の旨塩唐揚げ☆

 材料 
 ・鶏もも肉1枚(250g)
 ・片栗粉大さじ3
 ・薄力粉大さじ3
 ・サラダ油適量
 ☆調味料
 ・酒大さじ1
 ・塩小さじ1/2
 ・ごま油小さじ1
 ・おろししょうが小さじ1
 ・おろしにんにく小さじ1

 作り方
「①鶏肉は余分な脂、筋を取り除き、食べやすい大きさに切るります。
 ②ボウルに鶏肉、☆を入れてもみこむ。鶏肉に密着させてラップをし、冷蔵庫に入れて30分ほどおきます。
 ③②のボウルに片栗粉、薄力粉を加え、全体になじむようにしっかり混ぜます。
 ④鍋に底から2cm程度のサラダ油を入れて170℃に熱し、鶏肉を入れて中火で表面が固まるまで2分ほど触らずに揚げます。上下を返しながら3分ほど肉に火が通り、きつね色になるまで揚げたら完成です」

 ☆シャキシャキじゃがいもとザーサイのマヨネーズ和え☆

 材料
 ・じゃがいも1個
 ・榨菜50g
 ・塩小さじ1/4
 ・マヨネーズ大さじ3(天界ではマヨネーズがあります。地上ではカカンでは庶民でも食べますが、マヨネーズは甲キュ食材なので身分の高い者の食べ物です)
 ・ブラックペッパー少々

 作り方
「①じゃがいもは皮をむき、太めのせん切りにして水にさらします。榨菜もじゃがいもと同じように切って下さい
 ②熱湯で①のじゃがいもをさっと茹で、水にとって冷ましてからよく絞り、水気を切ります。
 ③ボウルに②のじゃがいも・①の榨菜・塩を入れて混ぜ合わせます。マヨネーズも加えて混ぜ合わせて器に盛り、ブラックペッパーをかけて完成です」

 わぁ、と調理室にが沸く。
 調理室には美味しそうな香りが漂っている。
 ソレだけで白米が進みそうだ。
 サイヒの好みに合わせて天界は白米を良く食べる習慣があるのだ。
 だが唐揚げとサラダならパンにも良く合うだろう。

 唐揚げの肉を漬けこんでいる間にサラダも作ると言う手際の良さ。
 手の空いた時間には洗い物もするのでシンクもピカピカだ。
 同じ料理上手でも、料理をした後のキッチンが綺麗なのと汚いのでは天地の差だ。
 彼女から嫁に昇格するかどうかはこのスキルも関わってくるだろう。
 ♡マロンちゃんのお料理教室♡は血痕まじかのカップルの背中を押すのにも役に立っているのかも知れない。

 1人分多いサラのグループは、多い1人分をサラがタッパーに入れる。
 差し入れする分の暗黙の了解である。
 誰に差し入れするのかだとか、交流を深めるためにお茶をしたときに聞いているので、それを見るグループのメンバーの眼は優しい。
 と言うかキラキラしている。
 恋バナに飢えている年頃なのである。
 この後の食事タイムでサラはまた弄り倒される事だろう。

 それも聞いておいて後でセブンに教えてやろうと、【認識阻害・超】をかけて傍に居た最高神は盗み聞きをするのであった。

 PS
 マロンの手作りの分はこの場で食べる自分の分と、後でサイヒとクオンに差し入れするため、大目に作った分は綺麗にタッパーに詰められます。
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