224 / 264
《195話》
しおりを挟む
♡マロンちゃんのお料理教室2日目♡
「お兄様…この看板は1週間続くのでしょうか?」
「何だ?私は可愛いマロンを自慢したくて仕方が無いんだ。この看板位許せ」
「はい♡」
全く持ってチョロい物である。
マロンのお兄様至上主義は年月が経つほどに強くなって行っている気がする。
チョロさも酷くなっている気がする。
遠目で見ていたクオンは口の中に錆びた味を感じたが、ソレを飲み込んだ。
鉄臭い液体である。
望んで飲みたいものでは無いが、己の吐血のハンカチを洗う係を侍女たちが争っていると知って以来、出来るだけハンカチやバスタオルは汚さない様にしている。
吐血ハンカチを持って帰って保存している侍女迄居るらしい。
そして同じデザインのハンカチをクオンの下に帰しているのだとか。
どの時代もストーk…もとい、恋する女子は怖いものである。
だが本当に怖い思いをしているのはクオンだろう。
己の吐血した血が付いたハンカチを何に使っているのか?
考えるだけでも恐ろしい!!
クオンの持ち物がこうして度々新品に変わっている事実に気付いたのはサイヒである。
そしてニャップロックなる商品をリリィ・オブ・ザ・ヴァリーが王都で売り始めてクオンファンの中で激売れしたらしい。
夫の部下のストレスと血液ですら商売に結び付ける全能神。
良いのだろうか?
いや、良くない。
だが止める者が居なかった。
止める前に商売は終わったのだ。
実は密林と言うシステムで同じ商品が買える事を男たちは知らない。
恋する乙女は何処までも貪欲なのである。
頑張れクオン。
君を応援してくれる人は結構多いいぞ。
:::
そして11:30に昨日来た30人が全員集まった。
どうやら皆期待以上の成果を上げたらしい。
サラの班の恋する女子も好きな男に遠征前にクッキーを届けることが出来たようである。
その話題でサラの班は盛り上がっている。
「クッキー、喜んで、貰えた、です、か?」
「はい、もう顔から血を吹きそうなくらいイケメンな笑顔で受け取って下さいました」
顔から血を吹くとは又可愛らしいのか恐ろしいのか、何とも言えない表現である。
まぁサラも喜んでいるから良いだろう。
隣で聞いている全能神はうんうん、と頷いた。
この全能神、今日も【認識阻害・特級】を使って料理教室に忍び込んでいるのである。
過保護にも程がある。
セブンの事を言えたものではない。
こんな所がセブンの心配を買っているのだが…。
セブンから見たらサイヒはそれはそれはサラに甘いのだ。
しかもサラの初恋はサイヒである。
まぁ初恋と言うか、それに似た深い敬愛の精神なのだがセブンにとってはどちらも同じである。
因みにサイヒはセブンのそんな心情に気が付いているが、サラとの接し方をセーブする気はない。
自分と言う壁を越えられない男にサラを渡すつもりはない。
つまりセブンはサイヒにとってサラの恋人に相応しいか試されている所なのである。
サイヒのセブンへの態度を見ていればその結果はバレバレだが。
「じゃぁ今日は【初心者さん向け!】私も作れるようになりたい“定番料理”レシピです」
マロンの言葉に教室がざわつく。
”定番レシピ”と言った。
初心者に実験に近いお菓子作りとは違う、普通のお料理も作れるものなのだろうか?
まぁ1班あたり4~6人なので分担したら作れないことは無いだろう。
それに”定番レシピ”だ。
たまに差し入れするお菓子とは違う、メインの食事として用意する料理。
結婚を視野に入れている者なら是非学びたい。
「今回は、初心者さんにおすすめ、簡単に作れる定番料理レシピをご紹介します。誰もが知っている「生姜焼き」「オムライス」などのメニューが、とっても簡単にお作りいただけます。
初心者さんはもちろんのこと、簡単定番レシピを覚えたい!という方にも必見のレシピをピックアップしました。ぜひ最後までご覧くださいね」
優しい笑顔と包容力でそう言ったマロンにぱちぱちと拍手が起こる。
本当に人の内側に入り込むのが上手い物である。
マロンの優しい気質がそうさせるのだろう。
これは流石にサイヒには真似できない。
だからこそかサイヒはマロンが気に入っているのである。
「では今日は5選の中から簡単甘辛しょうが焼きの説明を始めますね」
そしてマロンはホワイトボードにマーカーで絵や説明を書いていき、ソレを生徒たちはメモを取るのであった。
「お兄様…この看板は1週間続くのでしょうか?」
「何だ?私は可愛いマロンを自慢したくて仕方が無いんだ。この看板位許せ」
「はい♡」
全く持ってチョロい物である。
マロンのお兄様至上主義は年月が経つほどに強くなって行っている気がする。
チョロさも酷くなっている気がする。
遠目で見ていたクオンは口の中に錆びた味を感じたが、ソレを飲み込んだ。
鉄臭い液体である。
望んで飲みたいものでは無いが、己の吐血のハンカチを洗う係を侍女たちが争っていると知って以来、出来るだけハンカチやバスタオルは汚さない様にしている。
吐血ハンカチを持って帰って保存している侍女迄居るらしい。
そして同じデザインのハンカチをクオンの下に帰しているのだとか。
どの時代もストーk…もとい、恋する女子は怖いものである。
だが本当に怖い思いをしているのはクオンだろう。
己の吐血した血が付いたハンカチを何に使っているのか?
考えるだけでも恐ろしい!!
クオンの持ち物がこうして度々新品に変わっている事実に気付いたのはサイヒである。
そしてニャップロックなる商品をリリィ・オブ・ザ・ヴァリーが王都で売り始めてクオンファンの中で激売れしたらしい。
夫の部下のストレスと血液ですら商売に結び付ける全能神。
良いのだろうか?
いや、良くない。
だが止める者が居なかった。
止める前に商売は終わったのだ。
実は密林と言うシステムで同じ商品が買える事を男たちは知らない。
恋する乙女は何処までも貪欲なのである。
頑張れクオン。
君を応援してくれる人は結構多いいぞ。
:::
そして11:30に昨日来た30人が全員集まった。
どうやら皆期待以上の成果を上げたらしい。
サラの班の恋する女子も好きな男に遠征前にクッキーを届けることが出来たようである。
その話題でサラの班は盛り上がっている。
「クッキー、喜んで、貰えた、です、か?」
「はい、もう顔から血を吹きそうなくらいイケメンな笑顔で受け取って下さいました」
顔から血を吹くとは又可愛らしいのか恐ろしいのか、何とも言えない表現である。
まぁサラも喜んでいるから良いだろう。
隣で聞いている全能神はうんうん、と頷いた。
この全能神、今日も【認識阻害・特級】を使って料理教室に忍び込んでいるのである。
過保護にも程がある。
セブンの事を言えたものではない。
こんな所がセブンの心配を買っているのだが…。
セブンから見たらサイヒはそれはそれはサラに甘いのだ。
しかもサラの初恋はサイヒである。
まぁ初恋と言うか、それに似た深い敬愛の精神なのだがセブンにとってはどちらも同じである。
因みにサイヒはセブンのそんな心情に気が付いているが、サラとの接し方をセーブする気はない。
自分と言う壁を越えられない男にサラを渡すつもりはない。
つまりセブンはサイヒにとってサラの恋人に相応しいか試されている所なのである。
サイヒのセブンへの態度を見ていればその結果はバレバレだが。
「じゃぁ今日は【初心者さん向け!】私も作れるようになりたい“定番料理”レシピです」
マロンの言葉に教室がざわつく。
”定番レシピ”と言った。
初心者に実験に近いお菓子作りとは違う、普通のお料理も作れるものなのだろうか?
まぁ1班あたり4~6人なので分担したら作れないことは無いだろう。
それに”定番レシピ”だ。
たまに差し入れするお菓子とは違う、メインの食事として用意する料理。
結婚を視野に入れている者なら是非学びたい。
「今回は、初心者さんにおすすめ、簡単に作れる定番料理レシピをご紹介します。誰もが知っている「生姜焼き」「オムライス」などのメニューが、とっても簡単にお作りいただけます。
初心者さんはもちろんのこと、簡単定番レシピを覚えたい!という方にも必見のレシピをピックアップしました。ぜひ最後までご覧くださいね」
優しい笑顔と包容力でそう言ったマロンにぱちぱちと拍手が起こる。
本当に人の内側に入り込むのが上手い物である。
マロンの優しい気質がそうさせるのだろう。
これは流石にサイヒには真似できない。
だからこそかサイヒはマロンが気に入っているのである。
「では今日は5選の中から簡単甘辛しょうが焼きの説明を始めますね」
そしてマロンはホワイトボードにマーカーで絵や説明を書いていき、ソレを生徒たちはメモを取るのであった。
11
あなたにおすすめの小説
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
王子よ、貴方が責任取りなさい
天冨 七緒
恋愛
「聖女の補佐をしてくれないか?」
王子自ら辺境まで訪れ、頭を下げる。
それほど国は、切羽詰まった状況なのだろう。
だけど、私の答えは……
皆さんに知ってほしい。
今代の聖女がどんな人物なのか。
それを知った上で、私の決断は間違いだったのか判断してほしい。
【完結】何でも奪っていく妹が、どこまで奪っていくのか実験してみた
東堂大稀(旧:To-do)
恋愛
「リシェンヌとの婚約は破棄だ!」
その言葉が響いた瞬間、公爵令嬢リシェンヌと第三王子ヴィクトルとの十年続いた婚約が終わりを告げた。
「新たな婚約者は貴様の妹のロレッタだ!良いな!」
リシェンヌがめまいを覚える中、第三王子はさらに宣言する。
宣言する彼の横には、リシェンヌの二歳下の妹であるロレッタの嬉しそうな姿があった。
「お姉さま。私、ヴィクトル様のことが好きになってしまったの。ごめんなさいね」
まったく悪びれもしないロレッタの声がリシェンヌには呪いのように聞こえた。実の姉の婚約者を奪ったにもかかわらず、歪んだ喜びの表情を隠そうとしない。
その醜い笑みを、リシェンヌは呆然と見つめていた。
まただ……。
リシェンヌは絶望の中で思う。
彼女は妹が生まれた瞬間から、妹に奪われ続けてきたのだった……。
※全八話 一週間ほどで完結します。
お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?
サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。
「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」
リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。
私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか
あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。
「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」
突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。
すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。
オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……?
最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意!
「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」
さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は?
◆小説家になろう様でも掲載中◆
→短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます
【完結】大聖女は無能と蔑まれて追放される〜殿下、1%まで力を封じよと命令したことをお忘れですか?隣国の王子と婚約しましたので、もう戻りません
冬月光輝
恋愛
「稀代の大聖女が聞いて呆れる。フィアナ・イースフィル、君はこの国の聖女に相応しくない。職務怠慢の罪は重い。無能者には国を出ていってもらう。当然、君との婚約は破棄する」
アウゼルム王国の第二王子ユリアンは聖女フィアナに婚約破棄と国家追放の刑を言い渡す。
フィアナは侯爵家の令嬢だったが、両親を亡くしてからは教会に預けられて類稀なる魔法の才能を開花させて、その力は大聖女級だと教皇からお墨付きを貰うほどだった。
そんな彼女は無能者だと追放されるのは不満だった。
なぜなら――
「君が力を振るうと他国に狙われるし、それから守るための予算を割くのも勿体ない。明日からは能力を1%に抑えて出来るだけ働くな」
何を隠そう。フィアナに力を封印しろと命じたのはユリアンだったのだ。
彼はジェーンという国一番の美貌を持つ魔女に夢中になり、婚約者であるフィアナが邪魔になった。そして、自らが命じたことも忘れて彼女を糾弾したのである。
国家追放されてもフィアナは全く不自由しなかった。
「君の父親は命の恩人なんだ。私と婚約してその力を我が国の繁栄のために存分に振るってほしい」
隣国の王子、ローレンスは追放されたフィアナをすぐさま迎え入れ、彼女と婚約する。
一方、大聖女級の力を持つといわれる彼女を手放したことがバレてユリアンは国王陛下から大叱責を食らうことになっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる