婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《186話》サラ1人称

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 コンコンと玄関の扉がノックされました。
 こんな朝早くに誰でしょうか?

 今日は家に居るのは私だけです。
 セブンさんは薬局に行っています。
 本当なら着いて行きたいんですが、お漏らしをした恥ずかしさでセブンさんお顔を見れない状態な訳です。
 朝ご飯も少ししんどいから、とセブンさんが出て行ってから食べました。
 冷めても美味しい朝ごはん。
 流石はセブンさんの作るご飯。
 羞恥で落ち込んでいても食欲はしっかりありました。
 面の皮が厚くて恥ずかしい限りです。

 そしてセブンさんが出て行ったのをちゃんと確認してから、洗面台でパンツを洗いました。
 お漏らししたパンツをセブンさんの服と一緒に洗濯に何て出せません。
 現在パンツは私の部屋に干されています。

 そんな訳で癒えに1人で居る私なんですが、お客様どうしましょう?
 セブンさんが帰って来るまで持て成したほうが良いのでしょうか?
 取り合えず扉の前から移動する気配が無いので、重要な用事だと居留守を使う訳にもいかず、私は客人を確認することにしました。

「はい、どちら様、です、か?」

「こんにちはサラさん。今お時間良いですか?」

 え、え?
 誰ですかこの可愛いお姉さん。
 私と同年代でしょうけど、凄く可愛い人です。
 それと落ち着いている雰囲気なのでお姉さん、と言った単語が良く当てはまります。
 でもどこかで見たような?

「サイヒの結婚式以来ですね。その節は妹がお世話になりました」

 あ、あーっ!
 この方、サイヒ様のお姉様です!
 何でサイヒ様のお姉様がセブンさん宅に!?

「ふふ、混乱していますね。落ち着いて下さい、私はサイヒに頼まれてサラさんとお話に来ただけですから」

「サイヒ様、に、頼まれて?私にお話、し?」

「家の中に入っても良いでしょうか?あまり外でする会話の内容じゃ無いんですの」

「あ、すみませ、ん。どうそ、お入り、下さ、い」

 そう答えて、私はサイヒ様のお姉様であるマーガレット様をお家に招き入れたのでした。
 でも一体何の話なのでしょうか?

 取り合えずマーガレット様が持っているバスケットから良い香りがするので、何か美味しい物を食べれる予感に期待を膨らませておりました。
 話の内容があんなだと知っていれば、こんな時に食欲は湧かなかったに違いありません。
 こうして私はガールズトークと言うものをするべくリビングにマーガレット様を御通しして、軽食やお菓子に合うであろうお茶の準備をするためキッチンへと向かったのでした。
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