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《185話》R-15

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「セブンさん、私、怖い、です………」

「大丈夫だサラ、俺に任して力を抜いていろ」

「ん…」

 サラの部屋のサラのベッドの上。
 寝着のサラを押し倒すのはガウンを羽織ったセブンだ。
 サラより厚着で余裕そうに見えてサラ的にはズルいと思う。
 だが眼鏡を外し、素顔を露わにしたセブンは想像以上に綺麗な顔立ちをしていた。

 切れ長の双眸。
 よく見れば睫毛も長い。
 す、と通った鼻筋に。
 形の良い薄い唇。

 その唇がサラの唇に重なる。

 何度も何度も角度を変えて、まるでサラが唇を開くのを催促するような動きだ。
 サラも知識だけはある。
 大人のキスは舌を使うのだと。

 おずおずと口を開く。

 ぬる、とセブンの舌がサラの口内に侵入した。
 口の中に別の生き物がいるようだ。
 逃げるサラの舌を逃さないとばかりに追いかけて絡めてくる。
 唾液が交じり合い、サラの口の端から流れる。
 上顎を舌で擦られれば今まで感じた事のない不思議な感じがした。
 良く分からないけど、擽ったいの延長線のような感じ。
 ソレが何か分からないもどかしさ。

 口内を蹂躙されて、下腹がキュンキュンと切なくなる。
 雄を受け入れる準備がもう出来ているのだ。
 サラの身体は、ちゃんと女の喜びを見出すことが出来るくらいに成長している。

「はぁ」

 唇が離れて吐息が漏れた。
 唇と唇の間に銀の糸が伝う。
 それが唾液だと分かってサラは恥ずかしくなった。
 視覚で淫靡さを教え込まれているようだ。

 セブンの顔が下に降りてくる。

 首筋。
 デコルテ。
 そして胸。

(はぅぅ…恥ずかしい、です………)

「サラ、綺麗だ」

「はううううううううううっ!!!」

 ガバッ!

 自分の悲鳴で目が覚めた。
 何と言う破廉恥な夢を見てしまったのかと自己嫌悪。
 セブンを好きだと言う事を自覚してその日の夜に見る夢ではない。
 気が早いにも程がある。

 幸いセブンはサラの珍妙な鳴き声では起きなかったらしい(昨夜全能神としこたま酒を飲んだのでぐっすり入眠中である)ので助かった。
 今は顔を見るどころか扉越しで声を聞くのも恥ずかしい。

 羞恥でサラの顔は真っ赤である。
 いや、全身真っ赤で食べごろと言った感じだ。

「ん?」

 そしてサラは下半身の不快感に気付いた。

「え、何か濡れ、て…」

 寝着を捲って下半身を確かめる。
 そしてべとべとに濡れてる下着を確認してしまった。

「はぅぅぅぅぅぅぅうっお漏らし、してしまった、で、すぅぅぅぅっ!!!」

 どうやらサラには女は快感を感じると濡れる、と言う知識はなかったらしい。
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