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小話・季節ネタなど(後書き手の呟きとか)

♡少し遅れたけどHAPPYWホワイトデー♡

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「クックックッ、この日が来た!今日は腕を揮うぞ!サラ、お前の細胞をまた俺の手作りの菓子で俺色に塗り替えてやるからな!く―ックックックッ!!!」

 その日朝からセブンはご機嫌だった。
 エプロンを被り、三角巾を付け、マスクをしている。
 お菓子を作る準備は万全だ。

 ☆4種フルーツのチョコタルト☆
 レシピの材料
 数量:タルト型6個分
 ・ココアタルト生地
 バター 食塩不使用  … 110g
 粉糖 … 70g
 塩 … ひとつまみ
 全卵 … 45g
 生アーモンドパウダー 1kg … 20g
 薄力粉 シュクレ 1kg … 180g
 強力粉 イーグル 1kg … 40g
 ココアパウダー 200g … 20g
 ・ガナッシュ
 ピュアクリーム500ml … 120g
 クーベルチョコレート スイート 1kg … 200g
 ・クリーム
 ピュアクリーム500ml … 200g
 細目グラニュー糖 1kg … 12g
 フルーツパウダー ブルーベリー 25g … 8g
 フルーツパウダー カシス 25g … 8g
 フルーツパウダー ラズベリー 25g … 8g
 フルーツパウダー イチゴ 25g … 8g

 ・タルト生地
 ①常温に戻してやわらかくしたバターと粉糖、塩をボウルに入れて、ゴムベラでよく練る。
 ②よく溶きほぐした卵を3回に分けて加え、その都度よく混ぜる。
 ③アーモンドパウダーを加えて混ぜる。
 ④ココアパウダー・薄力粉・強力粉を合わせてふるって加え、ゴムベラで混ぜる。
 ⑤粉っぽさがなくなって全体がまとまればOK。
 ⑥ラップに包んで冷蔵庫で一晩(時間がなければ1時間ほど)寝かせる。
 ⑦めん棒で5mmの厚さに伸ばす。
 ⑧抜き型で抜く。
 ⑨押し型を使って、タルト型にしっかり敷き詰める。
 ⑩フォークなどで底と側面に穴を開ける。
 ⑪タルトストーンを入れて180℃のオーブンで15~20分間ほど焼く。
 ⑫焼き上がったら型のまま冷まし、触れるくらいに冷めたら型から外す。

 ・ガナッシュ
 ①耐熱容器に生クリームを入れ、温めて沸騰させる。
 ②湯せんにかけたチョコレートに【1】の生クリームを加える。
 ③チョコレートが溶けてきたら泡立て器で混ぜる。
 ④粗熱が取れたらタルトに流し入れる。
 ※絞り袋が作業しにくい場合は、スプーンなどで入れても。
 ⑤冷やし固める。
 
 ・仕上げ
 ①生クリーム50g・グラニュー糖3g・フルーツパウダー8gを加えて泡立て器で泡立てる(パウダー4種類分作る)。
 ②ツノがやわらかく立つくらいまで泡立てる。
 ③口金をつけた絞り袋にクリームを入れて、絞る。
  口金を変えて、4種類異なるデコレーションにする。
 ④フルーツやピックをのせて、お好みのデコレーションをする。

「よし完成だ!我ながらいい出来だ、クックックッ」

 朝の早い時間からセブンの笑い声がキッチンに木魂した。

 :::

「セブンさん、お弁当、ご馳走様、です」

 ふにゃり、とサラが笑う。
 診療時間の休憩時間。
 クリニックなので休憩時間は長い。
 午後診まで数時間あるのだ。
 セブンにとって大切な時間でもある。

 何せ狭い部屋でサラと2人きり。
 最近はナナが休憩時間はレオンハルトとラックの薬局へ行っているのでお昼は別々なのだ。
 ラックが薬局を営む上で休憩時間にレオンハルトを差し出すことを要求したので仕方ない。
 レオンハルトは人身御供にされたのだ。
 ナナは見張りである。
 もうすっかりナナの尻に敷かれているレオンハルトである。
 結婚したらさらに尻に敷かれるだろう。
 そう遠くない未来かも知れない。

 セブンとしてはレオンハルトとナナに先寄こされるつもりはないが。
 すでにサラとの結婚も視野に入れているセブンである。
 式を上げたいチャペルも会場も決めてある。
 意外と動きも気も早いセブンである。
 あの拗らせDTは進化したのだ。
 まだDTだが。
 魔法使いを脱する日も近いかも知れない。
 少なくともセブンはその気である。

 まぁ急ぎ過ぎて獲物を逃すなんて真似はセブンはしない。
 ゆっくり外堀から埋めて行っている。
 後はサラの雛鳥のような、セブンは保護者だと言う刷り込みを恋心に変えてやるだけである。
 最初から好意はMAXなのだ。
 そう難しい話しでは無い。

「サラ、今日のデザートは格別だぞ」

「え、え、なんです、か!?」

 明らかにサラはワクワクしている。
 眼がキラキラ輝いていて、全くチョロいものである。
 そんなところも可愛いが。
 すっかりセブンの頭の中はお花畑である。

「ホワイトデーの菓子だ」

「ふわぁぁぁ可愛い、です、ね!」

 タルトにサラの眼はくぎ付けだ。

「可愛すぎて、食べる、の、勿体無い、です」

「飾っても仕方ないだろう?それにお前の口に入れるために作った菓子だぞ。食ってやる方がタルトが喜ぶ」

「私の、ため…………」

 ポッ、とサラが顔を赤くする。

「そうお前の為だサラ。ほら、食べてみろ」

 セブンがタルトを1つ取ってサラの口元に持ってくる。
 サラはおずおずと口を開き、パクリと噛り付いた。
 そのままムグムグと咀嚼する。

(ハムスターみたいだな)

 こくん、と飲み込んでサラはまた口を開けた。
 そしてセブンがタルトを口に入れる。

「美味いだろう?」

 真っ赤な顔でサラは首を縦にぶんぶんと振るのだった。
 サラの好意が恋心に変わる日は近いかも知れない。

 ちなみにタルトは全部あーんで食べる事になりましたとさ。
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