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《163話》
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セブンはレオンハルトに貸している部屋の前に来ていた。
この扉を開けるか否か。
扉を開けた瞬間にそう言う臭いがしそうで嫌だと本能が扉のノブを回すのを躊躇させる。
レオンハルトとサキュバスとブラックドラゴン(人化)。
どう考えても良い絵面が浮かばない。
全員裸でくんずほぐれつしていたらどうしようか。
外なら燃やせば良いが(ブラックドラゴンに効くのかは分からないが)生憎ここは大切な我が家である。
火事は勘弁被りたい。
「セブンさん、皆呼ばない、です、か?」
「おぉう、サラか。あ~嫌な予感しかし無くてな」
「嫌な予感?……しないです、よ?」
「聖女の勘か?」
「元聖女ですけど、信託、みたいなを受けるだけあって、聖女は、勘鋭い、です」
「分かった、お前の勘にかけよう」
セブンは震える手でノブを廻した。
カチャ
扉が開く。
鍵かけ解け淫魔ども、とセブンが思ったとか思わなかったとか。
「サラ、お前は下でまってろ」
「はい、お料理、見てる、です」
「先に喰うなよ?」
「そこまで、欲望に忠実、では、ないです」
「淫魔どももせめてお前くらいの理性があればな………」
はぁ、とセブンが溜息を吐く。
「料理作って、お疲れ、です、か?」
「そう言う事にしておいてくれ」
「了解、です」
相変わらず料理を前にしたサラは従順である。
1番初めの手懐けが食べ物だったことを思うと、コイツは自分じゃなくて食に執着しているだけじゃないだろうか、何て空しい思いがよぎる。
ソレは何と言うか、寂しい?みたいな………。
料理を賛美されるのは好きだが、それだけで懐かれているのかと思うと少し気に喰わないのだった。
そしてその鬱憤は淫魔どもで発散させようとセブンは思った。
下的な意味ではない。
攻撃的な意味だ。
「おい!飯の準備が出来たぞ!!」
扉を開けて部屋に入る。
良かった、変な臭いはしない。
イカ臭かったらどうしようか思った。
正直初めての手術の時より緊張した。
くだらない事で神経を使わせられたためセブンの淫魔たちへのストレスは全開だ。
「セ、ブン…あぁようやく部屋から出れるのか………」
「あ、あぁ…お疲れ様、か?」
変な臭いでないが、変な光景だった。
2人の肉感がエロイ美女が赤い縄で縛られている。
因みに亀甲縛りだ。
その2人の縛られた半裸の女がベッドに転がされていた。
「う、ん、まぁお前がこの縛り方を出来るのは疑問に思わないが、良くブラックドラゴンを捕縛する縄があったな」
ブラックドラゴンはドラゴンの中でも上位種だ。
上は歴史にも名を遺すような神格を持ったドラゴンくらいだろう。
だが人間の持つ縄で縛って捕獲できるのは精々ノーマルドラゴンくらいだ。
別名羽付きトカゲ。
そう呼ぶのは他のドラゴンたちだが。
人間にとってはノーマルドラゴンだって捕縛するのは困難な技なのだ。
それが目の前で人化したとはいえブラックドラゴンが捕縛されている。
レオンハルトに魔力と法力は無い。
何故に高い魔力と膂力を持つブラックドラゴンを捕縛することが出来たのか?
それは縛っている赤い縄から感じる神力が答えだろう。
「大体察しは付くが、その縄は全能神からのプレゼントか?」
「ベッドの上にメッセージと一緒に置いてあった。自分がその残り香に雌化する恐怖を抱いたことは否めないが、正直助かった。
この2人の相手を同時にするのは流石にしんどい。
肉体的でなく精神的にしんどい。
複数の女を同時に裁くのがこんなに疲れる事だと思ったのは人生で初めてだった…………」
やっぱり見ていたか全能神。
こんな楽しそうなことを見逃す筈が無いと思っていたが予想通りだ。
今夜酒を飲みに来るのは確実だろう。
せめてレオンハルトには遭遇させないようにしよう。
レオンハルトが雌化したらもう収集が付かない。
取り合えず縄の差し入れには感謝しておいて。
「その淫魔どもは食事は食べる予定なのか?」
ジトッ、と半目でベッドの上の2人の女を見る。
セブンが身に纏った食事の香りに気付いたらしい女たちは、目を輝かせて首を縦に振るのだった。
取り合えず食事会は無事に始まりそうである。
この扉を開けるか否か。
扉を開けた瞬間にそう言う臭いがしそうで嫌だと本能が扉のノブを回すのを躊躇させる。
レオンハルトとサキュバスとブラックドラゴン(人化)。
どう考えても良い絵面が浮かばない。
全員裸でくんずほぐれつしていたらどうしようか。
外なら燃やせば良いが(ブラックドラゴンに効くのかは分からないが)生憎ここは大切な我が家である。
火事は勘弁被りたい。
「セブンさん、皆呼ばない、です、か?」
「おぉう、サラか。あ~嫌な予感しかし無くてな」
「嫌な予感?……しないです、よ?」
「聖女の勘か?」
「元聖女ですけど、信託、みたいなを受けるだけあって、聖女は、勘鋭い、です」
「分かった、お前の勘にかけよう」
セブンは震える手でノブを廻した。
カチャ
扉が開く。
鍵かけ解け淫魔ども、とセブンが思ったとか思わなかったとか。
「サラ、お前は下でまってろ」
「はい、お料理、見てる、です」
「先に喰うなよ?」
「そこまで、欲望に忠実、では、ないです」
「淫魔どももせめてお前くらいの理性があればな………」
はぁ、とセブンが溜息を吐く。
「料理作って、お疲れ、です、か?」
「そう言う事にしておいてくれ」
「了解、です」
相変わらず料理を前にしたサラは従順である。
1番初めの手懐けが食べ物だったことを思うと、コイツは自分じゃなくて食に執着しているだけじゃないだろうか、何て空しい思いがよぎる。
ソレは何と言うか、寂しい?みたいな………。
料理を賛美されるのは好きだが、それだけで懐かれているのかと思うと少し気に喰わないのだった。
そしてその鬱憤は淫魔どもで発散させようとセブンは思った。
下的な意味ではない。
攻撃的な意味だ。
「おい!飯の準備が出来たぞ!!」
扉を開けて部屋に入る。
良かった、変な臭いはしない。
イカ臭かったらどうしようか思った。
正直初めての手術の時より緊張した。
くだらない事で神経を使わせられたためセブンの淫魔たちへのストレスは全開だ。
「セ、ブン…あぁようやく部屋から出れるのか………」
「あ、あぁ…お疲れ様、か?」
変な臭いでないが、変な光景だった。
2人の肉感がエロイ美女が赤い縄で縛られている。
因みに亀甲縛りだ。
その2人の縛られた半裸の女がベッドに転がされていた。
「う、ん、まぁお前がこの縛り方を出来るのは疑問に思わないが、良くブラックドラゴンを捕縛する縄があったな」
ブラックドラゴンはドラゴンの中でも上位種だ。
上は歴史にも名を遺すような神格を持ったドラゴンくらいだろう。
だが人間の持つ縄で縛って捕獲できるのは精々ノーマルドラゴンくらいだ。
別名羽付きトカゲ。
そう呼ぶのは他のドラゴンたちだが。
人間にとってはノーマルドラゴンだって捕縛するのは困難な技なのだ。
それが目の前で人化したとはいえブラックドラゴンが捕縛されている。
レオンハルトに魔力と法力は無い。
何故に高い魔力と膂力を持つブラックドラゴンを捕縛することが出来たのか?
それは縛っている赤い縄から感じる神力が答えだろう。
「大体察しは付くが、その縄は全能神からのプレゼントか?」
「ベッドの上にメッセージと一緒に置いてあった。自分がその残り香に雌化する恐怖を抱いたことは否めないが、正直助かった。
この2人の相手を同時にするのは流石にしんどい。
肉体的でなく精神的にしんどい。
複数の女を同時に裁くのがこんなに疲れる事だと思ったのは人生で初めてだった…………」
やっぱり見ていたか全能神。
こんな楽しそうなことを見逃す筈が無いと思っていたが予想通りだ。
今夜酒を飲みに来るのは確実だろう。
せめてレオンハルトには遭遇させないようにしよう。
レオンハルトが雌化したらもう収集が付かない。
取り合えず縄の差し入れには感謝しておいて。
「その淫魔どもは食事は食べる予定なのか?」
ジトッ、と半目でベッドの上の2人の女を見る。
セブンが身に纏った食事の香りに気付いたらしい女たちは、目を輝かせて首を縦に振るのだった。
取り合えず食事会は無事に始まりそうである。
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