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《161話》

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 この世には化け物と言うものが存在する。
 その筆頭はセブンの知っている限りは全能神であったが、今その考えを変えなくてはならないのではと思い知らされていた。

 目の前には腰を抜かして地にひれ伏すサキュバス(女ふたなり)とブラックドラゴン(人化)。
 体がビクビクと痙攣しており、その顔は呆けている。
 目の焦点は合っておらず、口からは涎が垂れている。
 そして色々な液体で全身がびしゃびしゃだった。

「はぁはぁ、俺の尻は護られた………」

 1人地に立つは美丈夫の男。
 体に巻き付いている布は大切な部分しか隠せていないが、その立ち姿は雄々しかった。

「まさか、手淫だけでサキュバスとブラックドラゴンを絶頂させ意識を飛ばさせるとは、な…………」

 ゴクリ、とセブンは唾を飲んだ。

「人生で1番苦しい戦いだったぜ………」

 何かやり切った感があるが、手でイかせた。
 それだけである。
 だが相手はサキュバスにブラックドラゴン。
 片方が相手でも人間では相手にならないであろうに、2匹を同時に相手にして勝ったのだ。
 それは大層苦しい戦いであった。
 それでもレオンハルトは諦めなかった。
 己の尻の純潔を守るために。

 股間と尻のきわどい部分しか隠せていないうえ、やたらと全身が色んな粘液でぬちょぬちょだが、その顔は悟りを開いていた。

 セブンも尊敬にも似た感情を抱いてその立ち姿を見た。
 何か色々凄すぎて、馬鹿馬鹿しすぎてそれも通り過ぎて、もう尊敬の念しか抱けない。
 性技も極めれば上位種族も地に沈められるのだ。
 己には無理だ。
 セブンは自分には不可能であろうことを成し遂げたレオンハルトを初めて尊敬した。

 因みにサラは戦いは始まって早々、セブンの魔術によって寝かされている。

 まだまだお子ちゃまなサラに見えるには刺激が強すぎる。
 r-18を通り過ぎてr-30ぐらいであった。
 20台でもまだ見てはいけないくらいの淫魔たちの戦であったのだ。
 サラはお弁当を食べ終わっていたので満足であっただろうから問題は無い。

 何か色々と人間の領域を超えたレオンハルトを見て、今日の晩御飯は赤飯だな、とセブンは思った。
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