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《156話》

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 Twinkle, twinkle, little star,
 How I wonder what you are.
 Up above the world so high,
 Like a diamond in the sky.
 Twinkle, twinkle, little star,
 How I wonder what you are.

 Star light, star bright,
 First star I see tonight,
 I wish I may, I wish I might,
 Have the wish I wish tonight.

 What did I dream?
     I do not know;
 The fragments fly like chaff.
 Yet strange my mind
     Was tickled so,
 I cannot help but laugh.

 ~~~~♬

 森の入り口でサラが歌う。
 まるで讃美歌を聞いているような美しく優しく力強い歌声。
 森全体に響くように、セブンが反響の魔術を使っている。

 サラが歌っているのはサイヒから教えられた神話時代の子守歌だ。
 神話時代、母親がぐずる子供が気持ちよく眠れるように歌った歌。
 世界中のお母さんが歌った歌には力がある。

 森の方からドサ、ドサ、と重いものが倒れる音が聞こえてくる。
 サラの法力を乗せた子守歌で魔物たちが眠りに落ちているのだ。
 セブンが反響の魔術を使っているお陰で、森中の魔物が眠っている事だろう。
 全く持って平和主義のサラらしい、魔獣の森の攻略法であった。
 教えてくれたのはサイヒらしいが。
 それにセブンが少しムッ、とするのは仕方ない。
 相手はサイヒ様だ、諦めろ。
 ソレを悟る位の器はセブンにはある。

 ただ、何故苛立つのかは分からない模様。
 これだから拗らせは………。

「ブラックドラゴンもこれで眠ってくれていれば助かるんだがな」

「それは、無理だ、と思いま、す………」

「寝ててくれれば有り難いが、相手はドラゴン最強のブラックドラゴンだ。そう簡単にはいかんだろうな。褌を絞めなおしてかからんとな」

「………セブンさん、ふんどし?、て、何です、か?」

「は…………?」

 セブンの脳裏に裸体に褌一丁のサラの姿がよぎった。

(きらきら きらきら おほしさまあなたは とっても ふしぎだわたかく たかく せかいの うえでダイヤモンドみたいに かがやいてきらきら きらきら おほしさまきらきらの おほしさまこんばん はじめの おほしさま
かなうかな かなうといいなこんばん ねがう ねがいごとあなたは とっても ふしぎだわいったい どんな ゆめだっけ?しらない しらない おぼえていないゆめのかけらが とんでいくでもおかしいな こころのなかがなんだか とっても くすぐったくておもわず くすくす わらっちゃう―――――――――――………)

 セブンは妄想を打ち消すためにサラの歌った子守歌の訳を頭の中で行った。
 マザーグースの子守歌を知っているとは相変わらず変な知識が異様にある医者である。
 なおこの能力は医術には使えないし、日常でも使えない。
 何故ならセブンは音痴だからだ。

 閑話休題

 頭の中で違う事を考えながら、サラに褌の事を上手い事誤魔化しつつ、己の愚息を沈めたセブンを皆讃えて上げて欲しい。
 と言うか早く森に入って仕事しろ、とレオンハルトは2人を見て思うのだった。
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