婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《153話》

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 トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン……

「鬱陶しいわよドクターッ!!」

 セブンの執拗な貧乏ゆすりに遂にナナがキレた。
 セブンは薬師ギルドから帰って来てからずっとこうなのだ。

「あの宝の山を捨てる?ありえないだろう!あの薬草があれば薬が安価で手に入れることが出来るんだぞ?レシピも公開すると言っているのに薬師ギルドでは手に負えんとは何事だ!?
こうなったら自分で別に従業員を雇って薬局でも作るしかない、が、元手が無い………貯金をつぎ込めば何とかなるかも知れんが、それではこっちの診療所にしわ寄せが来る可能性もあるし…あ”-っ金も人も足りんっ!!!」

「お金…ダイヤ、売る、ですか?」

「ダイヤ?」

「サイヒ様、に、人工ダイヤモンド、貰ったの余って、ます。お金必要、なら、全部使って、下さい………」

「アラ、お前………」

「セブンさんの、お役、に立てるなら、ダイヤも本望、です」

「愛してるぞアラ!!」

「ひゃぁぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁぁぁああっ!!!」

 バタンッ!

 サラが倒れた。
 座っていたのがベッドの上で良かった。
 休憩室には簡易のベッドがあるのだ。
 食後のお休みタイムにサラは簡易ベッドでお昼寝をする。
 診療所と言うのは午前診と午後診の間にかなり長い休憩を挟むので、かなりしっかりと眠れるのだ。
 食べてすぐ寝ても太らない体質は世の女性の羨むところだろう。

 そんな訳でサラはベッドに座っていた。
 ソコにセブンが抱きしめた。
 ので、サラはキャパオーバーを起こし季節して簡易ベッドに寝転ぶことになった。

「いい加減学んで頂戴ドクター」

「申し訳ないと思わないでもない」

 どうやら反省してないようである。

「でもダイヤだけじゃまだ足りないんじゃない?」

「アラの貯金を全額つぎ込ませる訳にはいかんしな…」

 うーん、と悩む。

「んじゃクエストしたら良いんじゃないか?」

 ナナを膝に乗せて、後ろからたわわな乳房を揉む手を止めずにレオンハルトが言った。
 と言うか居たのかレオンハルト。
 ナナに良い声は出させないように乳房を揉むだけで止めている。
 本当なら乳輪をさわさわして、固くなった乳頭をクリクリしたい。
 でも自分以外の男がナナの良い声を聞くのは気分が良くない。
 乳房を揉みしだくのが、レオンハルトにとってのボーダーラインだったらしい。
 そして診療所にソレを突っ込む者も居なかった。

「クエストはアラが嫌がる。魔物を倒すのは嫌いらしい」

「違う違う、魔物を倒すんじゃなくて、宝を取り返すんだよ」

「「??」」

 セブンとナナは2人して頭に?を浮かべる。

「何か月か前に城がドラゴンに襲われただろう?そして宝物この宝は殆ど取られたそうじゃないか。その宝を取り返すと2割を報酬として貰えるってなってたクエスト、まだ継続中の筈だぞ?」

 確かにそんな出来事があった。
 皆すっかり忘れていたのだ。
 アホロ王子が変になったり、司教が変になったり、ゴブリンが変になったりで、すっかりドラゴンの事が頭から抜けていた。
 前3件に比べてインパクトが薄かったのだ。

「宝物この宝の2割か、イケる…イケるぞ、クックックッ…………」

 セブンの笑い声が控室に響いたのだった。
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