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《122話》

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「はふぅ、ケーキ、美味しかった、です」

 サラが腹を擦る。
 幼児体系の悪魔は体形が変わっても悪魔は悪魔だった。
 店内のケーキをペロリと食べつくした。
 だがパティシエ達はもうサラを悪魔だと思わない。
 美少女は正義である。

 と言うか、ソレでどころでは無かった。
 パティシエ達は別のモノに気を取られていたから…。

「中々美味だったな」

「サイヒ様もお口にあったのですね♡」

 ナナがはぁはぁしてる。
 バナナを食べるサイヒの姿…垂涎モノであった。
 別の液体もあんな場所から流れていたりしていたが。
 ナナが♂×♂に目覚めかけた瞬間だった。

 美少年が咥えている。

 背徳的な事この上ない。
 そしてパティシエ達にとってもアレな体液をドピュドピュと流し散らしていた。
 換気がちゃんとしている店で良かった。
 そうでなければ青臭い臭いが店中を充満していたことだろう。
 本当に…下半身が隠れる厨房で良かった、良かった………。

「サイヒ様はこの後は天界に戻られるのですか?」

 意外とセブンは信仰心が深い。
 サイヒに対しては常に敬語である。
 態度も粛々としている。
 兄の命の恩人でもあるし、サイヒには最大の礼を払っているのだ。

「まずは酒だな」

「ウチでご用意いたしましょうか?良ければ食事もご馳走いたします」

「ほう、ソレは良いな。料理上手だとマロンからも聞いている。マロンが手放しで褒める腕なら是非馳走になりたい」

「サイヒ様の専属侍女様のお料理の腕も素晴らしかったです。お褒め頂いてるとは思ってもみませんでした」

 実はサイヒとルークの結婚式に天界に行った際、セブンはマロンと料理談議で花を咲かせていたのだ。
 料理上手同士、話の内容はつきなかったらしい。
 裏でクオンが胃をキリキリさせていたのは良い思い出である。
 初めてクオンがマロンの事で胃を痛めた瞬間でもあった。
 珍しくサイヒがクオンを労わって胃を治療してやっていた。
 ルークも心配してくれた。
 保護k…アンドュアイスも心配してくれた。

 1番癒されたのはアンドュアイスの存在だった辺りアニマルセラピーは今のところ最強である。

「アラ、お前も来るだろう?」

「サイヒ様と、セブン、さん、のご飯…幸せですぅ………」

「サラちゃん顔が蕩けてるわよ……」

 別の所を蕩かせながら何を言っているのやらこのサキュバス。
 今もサイヒの匂いだけでムラムラしている。
 サイヒが男でないのが残念でたまらない。
 まぁナナは女同士でも気にしないが。
 だが流石に最高神に手を出そうとは思わない。
 復讐に来るであろう伴侶の魔王が怖いからだ。

(でも食べてる姿見れるだけでも目の保養なのよね~♡暫くオカズに困らないわ♡)

 皆忘れていた。
 
 現在エロン…レオンハルトがセブンの家に転がり込んでいることに。
 こうして最強の淫魔(人間)と歩く誑し男装美少女の戦い(?)が始まろうとしていた。
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