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《118話》

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「~~~~~あーしゅ、さ…ぞく……ううん」

 大きなふかふかのマットレスのベッドの上で目を覚ました。
 
「んんん?私、何してたん、でしたっけ?」

 サラが首を捻る。
 気づいたらベッドの上に居た。
 確か昨日は国王の為の手術を行ったはずだ。
 いつの間にか寝着に着替えさせられている。
 体からも清潔な匂いがするし、ちゃんと身を清めているようだ。
 だがサラは手術が終わった後から意識が無い。

「あら、サラちゃん起きたのね。ドクターの作った朝食食べるでしょ♡」

「食べる!です!」

「はいはい、それなら早くダイニングに来なさいな~♡」

 ぐぅぅぅぅぅぅぅっ

 食べ物の話を聞いただけでサラの腹の虫が盛大に泣き声を上げた。
 ”さっさと食べ物寄こせ”と言っているようである。

「う~ん、何か忘れて、る気がします、が、まずは朝食です!!」

 淡い恋心が食欲に負けた瞬間であった。

 :::

「やっと起きたかアラ」

「おはよう、です、セブンさん」

「とっとと席に就け!そして俺の料理を有難く頂け!餌を請う犬の様に俺に従順に従って食え!」

「了解、です!!」

 ソレで良いのか…?
 犬扱いされているが既に蟻扱いのサラには気にならなかったらしい。

 ☆本日の朝食☆
  〇フルーツジュースまたはネクター
  〇3種のパン(パン・オ・レザン/クロワッサン/バケット)
   パン・オ・レザンとクロワッサンはどちらも凄く軽く、触るとすぐホロホロするほど
味もバターたっぷり~というよりも、パイ生地のふんわり感とサクサク感が味わえるほど軽めな仕上がりである。
  〇黒トリュフのスクランブルエッグ
   ペースト状になっているまるで濃厚なスープの様なスクランブルエッグ。
   黒トリュフは卵と一緒におくことにより香りをつけるよいうより、卵に移してある。そのためあまりトリュフの香りは強くなくてふんわーり後に鼻に香る。
  〇瞬間燻製で仕上げた鱒
   サーモンですが、スモーキーだが味がしっかりさっぱり。口に入れた瞬間、桜のチップの良い香りがふわっと
燻製されたからか、さっぱりと頂ける。付け合わせの左のマッシュポテトは甘味が強くて本当に美味しいジャガイモだ。
  〇乳飲み仔羊のタジン 熟成黒にんにく すだちと昆布
   すだちは、ハーブと違い、口に入れた瞬間にふわっと良い香りがして、後を引かない。なので、臭みも消えつつちゃんと仔羊の旨みも感じられる。昆布はアミノ酸独特の甘味・旨みが強く、よく仔羊と絡んでしっかりと味わえる。蒸しているのでさっぱりして、ほぐしてあるので気軽に食べやすく、朝食のお肉料理として本当によく考えられている。添え物に、根菜のソテーも。カブや行者ニンニクなどの野菜で、バターが芳醇に香り、とっても苦みが強いニンジンで口の中がさっぱり。味付けはマイルドで濃厚だがカブなど野菜自体があっさり目だ。
  〇夏より熟成されたコンテチーズ
   熟成され、スモーキーで少し硬さがあるがとても食べやすく、臭みもなくてナチュラル。鼻にツンとくる乳製品らしさや、クドさがすべてそぎ落とされて旨味がギュッと凝縮されている。
  〇本日のケーキガトーバスク
   上に載っているのはダークチェリー。マフィンとクッキーの間のようなケーキなのだが口に入れた瞬間ものすごくバターと濃厚な香りとともにホロっと崩れていく。

「おいし!おいしです!セブンさん!!」

「くっくっくっ、そうだろう、上手いだろう~。俺の手作り料理は王宮の料理よりもはるかに巧いぞ~。だからお前は王宮になんかに構わずに俺の隣に居るくらいで丁度良いんだぞ、覚えておけアラ」

「はいっ!」

(あらあら、ドクターてば自分に焼き餅とか…可愛い所あったのねぇサラちゃん限定で)

 食事につられてアシュバットが王族なのがすっかり頭から抜けているサラだった。
 まぁそう仕向けたのはセブンであるが。
 やってることは餌付けのようで、それでいて既に口説く範囲の行動を自分がしているなど、セブン自身には自覚がないのであった。
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