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《80話》
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「ん、寒い…で、す………」
何時もより肌寒さをを感じてサラは目を覚ました。
「あれ、ベッド…いつ、入った、ですか……?」
自分は確か気を失って床に倒れていたはずでは?
そして思い出した。
自分のセカンドキス迄アーシュに奪われてしまった事を。
「ぅぅぅぅぅぅっぅぅうぅう~…」
謎の唸り声をあげてしまう。
あまり人には聞かせたくない鳴き声である。
頭グルグルして考えが纏まらない。
「あっ、アーシュ、さん、は?」
何処を見渡してもアーシュの姿は無い。
この狭い部屋に隠れる事が出来る場所などない。
一体何処に行ってしまったのか?
まさかパジャマのまま外に行ったのか?
そしてサラは気付いた。
「私、何で服、着てないです、か……?」
かぁ~っと顔に熱が集まる。
まさかアーシュに脱がされた?
ではアーシュにこの幼児体型の裸を見られた。
「はわぁあぁああぁあぁあっ!!!!」
上布団の中に潜り込みサラは雄叫びを上げる。
人に聞かせたくない雄叫びである。
年頃の少女があげる声ではない。
「し、しかも…私のパジャマが、ない、ですぅぅぅぅぅぅぅっ!」
アーシュが持って行ってしまった?
それなんてプレイ?
アーシュは一体何をして何処に行ってしまったのか?
取り合えず体に違和感が無いから貞操は大丈夫そうである。
まぁアーシュが相手なら別に構わない気もする……いや、駄目なものは駄目だが………。
でもアーシュが相手なら………。
想像してサラは頭から煙が出そうな程真っ赤になった。
顔だけでなく体も血色づいて、大変美味しそうである。
そう言う意味で。
「取り合えず、服、着るで、す」
サラはシーツを体に巻き付け収納の扉を開けた。
下着とTシャツとスキニーパンツに着替える。
「アーシュさん、パジャマのまま出て行った、ですか?」
サラは気付いていなかったが、収納に直していたシーツの替えが1枚無くなっていた。
どうやらアーシュ…いやセブンはシーツを体に巻き付けて出て行ったらしい。
早い時間とは言えシーツ1枚で街を徘徊したら変態である。
魔術の得意なセブンはシーツを体に巻きつけると、得意の魔術で【認識阻害】の魔術を使って無事自宅に帰ったのだ。
「あ、スープ…無くなっている、で、す……」
テーブルの上の皿は2つとも空っぽになっている。
自分の作ったスープをアーシュが残さず食べてくれた。
それだけでサラの胸はポカポカと熱を持ち温かくなる。
「お腹、いっぱいになった、なら、それで良い、です」
空になった皿を見て、ソレだけで全てが帳消しに成程サラはアーシュに心を許しているのだった。
勿論自覚は無いのだけれど。
「また、何時、アーシュさんが来るか、分からない、ので…パジャマをまた、買っておきましょう………」
ついでに自分の寝着も購入しよう。
折角だからお揃いの柄にしようか、なんて想像してサラはキャーキャーと奇声を上げながら床をゴロゴロ転がるのだった。
何時もより肌寒さをを感じてサラは目を覚ました。
「あれ、ベッド…いつ、入った、ですか……?」
自分は確か気を失って床に倒れていたはずでは?
そして思い出した。
自分のセカンドキス迄アーシュに奪われてしまった事を。
「ぅぅぅぅぅぅっぅぅうぅう~…」
謎の唸り声をあげてしまう。
あまり人には聞かせたくない鳴き声である。
頭グルグルして考えが纏まらない。
「あっ、アーシュ、さん、は?」
何処を見渡してもアーシュの姿は無い。
この狭い部屋に隠れる事が出来る場所などない。
一体何処に行ってしまったのか?
まさかパジャマのまま外に行ったのか?
そしてサラは気付いた。
「私、何で服、着てないです、か……?」
かぁ~っと顔に熱が集まる。
まさかアーシュに脱がされた?
ではアーシュにこの幼児体型の裸を見られた。
「はわぁあぁああぁあぁあっ!!!!」
上布団の中に潜り込みサラは雄叫びを上げる。
人に聞かせたくない雄叫びである。
年頃の少女があげる声ではない。
「し、しかも…私のパジャマが、ない、ですぅぅぅぅぅぅぅっ!」
アーシュが持って行ってしまった?
それなんてプレイ?
アーシュは一体何をして何処に行ってしまったのか?
取り合えず体に違和感が無いから貞操は大丈夫そうである。
まぁアーシュが相手なら別に構わない気もする……いや、駄目なものは駄目だが………。
でもアーシュが相手なら………。
想像してサラは頭から煙が出そうな程真っ赤になった。
顔だけでなく体も血色づいて、大変美味しそうである。
そう言う意味で。
「取り合えず、服、着るで、す」
サラはシーツを体に巻き付け収納の扉を開けた。
下着とTシャツとスキニーパンツに着替える。
「アーシュさん、パジャマのまま出て行った、ですか?」
サラは気付いていなかったが、収納に直していたシーツの替えが1枚無くなっていた。
どうやらアーシュ…いやセブンはシーツを体に巻き付けて出て行ったらしい。
早い時間とは言えシーツ1枚で街を徘徊したら変態である。
魔術の得意なセブンはシーツを体に巻きつけると、得意の魔術で【認識阻害】の魔術を使って無事自宅に帰ったのだ。
「あ、スープ…無くなっている、で、す……」
テーブルの上の皿は2つとも空っぽになっている。
自分の作ったスープをアーシュが残さず食べてくれた。
それだけでサラの胸はポカポカと熱を持ち温かくなる。
「お腹、いっぱいになった、なら、それで良い、です」
空になった皿を見て、ソレだけで全てが帳消しに成程サラはアーシュに心を許しているのだった。
勿論自覚は無いのだけれど。
「また、何時、アーシュさんが来るか、分からない、ので…パジャマをまた、買っておきましょう………」
ついでに自分の寝着も購入しよう。
折角だからお揃いの柄にしようか、なんて想像してサラはキャーキャーと奇声を上げながら床をゴロゴロ転がるのだった。
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