婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《79話》セブンside

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「う、ん…寒い………」

 セブンは寒気で目を覚ました。
 だが完璧な覚醒をした訳ではない。
 現に今の状況にあまり疑問を抱いていない。

「温いの、もっとくっ付け」

 腕の中にある、すべすべして何か柔らかくて暖かい、やけに気持ちの良い物体をギュウと抱き締める。

(気持ちイイうえに良い匂いだな……)

 爽やかな石鹸の香りがする。
 香水臭い女は嫌いだが、こう言う匂いは嫌いじゃない。
 まぁ女になど興味は無いが。

「ん~アーシュ、さ、ん…」

 抱き枕が言葉を発した。
 いや、抱き枕と思っていたのは生き物だった。
 まぁ生き物を抱き枕にする者も居ない事はない。
 熱烈なカップル何て何時でも互いが抱き枕だろう。

 ダラダラとセブンの背中に汗が流れる。
 聞き慣れた声だったからだ。
 気弱そうな、少女の声。
 でも不思議と耳心地の良い、知っている声。

「ア、ラ…?」

 セブンは目を開けた。
 布団の中にサラの旋毛が見える。
 どうやら間違いなくセブンはサラを抱き枕にしていたらしい。

(何だ?どうした?何でアラと一緒に寝ているんだ?つーかここ俺の部屋じゃないよな?)

 疑問は尽きない。
 そして1番の疑問はやたらとシーツやサラと触れっている部分の肌心地が良いのだ。
 思いつく答えは…。

 バサッ
 バサッ

 セブンは一気に布団を捲った。
 そして一瞬で布団を被った。
 主にサラにかける形で。

(な、な、何で俺とアラが素っ裸で一緒に寝てるんだ!?)

 もう頭はぐるぐるである。
 まともな思考が出来ない。
 本体の頭は項垂れているが、下半身の頭は元気にムクリともたげている。

(空気読め俺の息子ーーーーっ!!)

 思わず心の中で己の息子さんに罵倒を浴びせる。
 だがソレはぐんぐん硬度を増していき、腹にも付きそうな勢いだ。
 10代並みのフル勃起である。
 30代にしてこれ程勃起力があるのは素晴らしい。
 今まで無駄打ちをしてこなかったせいであろうか?
 30代と言えば段々と勃起力が低下していき、己の老化現象に悩ませられる日々も近くなったと嘆きだす年(どこかのサキュバスも抱き潰す捕食者は例外だ)でもあろうに。
 セブンは年齢の割にはそう言う事はない。

 体力も落ちていないし気力も落ちていない。
 加齢臭だって気を配っているので近くによると爽やかな香りがするくらいだ。
 ナナからは不評である。
 記憶力だって低下していない。

 いや、本当に記憶力が低下していないか?

 今の状態に何故陥ったのか、全く記憶にない。
 認知の始まり?
 アルツハイマー?
 セブンの思考が様々な病名を検索する。

 認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態。
 認知症にはいくつかの種類がある。
 アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症。
 症状はもの忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行。
 次いで多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による血管性認知症。
 障害された脳の部位によって症状が異なるため、一部の認知機能は保たれている「まだら認知症」が特徴。
 症状はゆっくり進行することもあれば、階段状に急速に進む場合もある。
 また、血管性認知症にアルツハイマー型認知症が合併している患者さんも多くみられる。
 その他に、現実には見えないものが見える幻視や、手足が震えたり歩幅が小刻みになって転びやすくなる症状(パーキンソン症状)があらわれるレビー小体型認知症、スムーズに言葉が出てこない・言い間違いが多い、感情の抑制がきかなくなる、社会のルールを守れなくなるといった症状があらわれる前頭側頭型認知症といったものが存在する。

 頭の中のグー〇ル先生が大活躍だ。
 だがそれでも今の状況を説明できるものが何も見つからなかった。

「取り合えず服を何とかしよう………」

 考えても答えが出ないなら考えない方がマシである。
 セブンは今1番必要なのは服だと考え、サラの部屋の収納スペースの戸を開いた。
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