88 / 257
《69話》
しおりを挟む
ディノートに帰って来たセブン一行。
本日の診療所は休診である。
となればサラの過ごし方は決まっている。
カラン
扉を開けると軽やかな鐘がなる。
「いらっしゃいませ~、てサラちゃん!お久し振りね」
「はい、お久ぶりです、メリーさん」
「今日も日替わりで良い?」
「ごはん大盛で」
「うふふ、おかわりも好きなだけしてね」
メリーに促され、最早定位置になった席に着席する。
久しぶりの『馬の蹄亭』である。
昼まで寝ていたので朝昼兼用だ。
なのでお腹いっぱい食べても良いだろう。
何時もの気分で定食のご飯をたんまりおかわりする予定だ。
サラは知らない。
2次成長を迎えると女は腰回りにお肉が付きやすくなるのだ。
実際サラも尻に肉が付いてきた。
自分では自覚が無い様だが。
ただ未だに胸には肉がついていないが……。
セブンとナナも気付いている。
その女らしくなってきた体型にセブンは更に悩まされているのだ。
その為ナナが酷い目にあっているが…。
サラの知らない所での話である。
そしてこれからも知らなくて良い話である。
「はい今日のランチは麻婆豆腐定食ね」
サラの前に赤い謎の料理が運ばれてきた。
真っ赤である。
だが食欲をそそる良い匂いがしている。
定食はご飯に玉子スープ、麻婆豆腐、唐揚げ×3である。
普通の女の子が食べるには重すぎるメニューだ。
だがサラは目を輝かせて定食を見ていた。
涎が垂れそうになるのはご愛敬だ。
「頂きます!」
メインの四川麻婆豆腐は、土鍋で提供されている。
真っ赤な色から感じる辛さ、ボコボコと煮立つ土鍋で、食べる前からアツアツ旨辛感が満点。
真っ赤に染まる「麻婆豆腐」は、粗挽き肉、豆腐、茄子、にんにくの芽とメチャ具だくさんでボリュームも充分。
まずは、麻婆餡を スプーン(レンゲ)で掬う。
そして口の中に運ぶ。
粗挽き肉のパワフルな旨味と食感を噛み締めたあとに、甜麺醤由来のコク、豆板醤の刺激的な辛さ、麻辣醤の痺れるような辛さがこだまする。
続いては、麻婆餡+豆腐で、麻婆豆腐としていただく。
水気を帯びた豆腐が組み合わさることで豆板醤や麻辣醤の辛味が和らぎ、粗挽き肉や甜麺醤からにじみ出た旨味が豆腐全体に染みて大変美味しい。
「あつ、からっ、でもおいひぃ、ご飯が、進みます!!」
続いて、もう1つの主役であるから揚げにかじりつくと、カリッとクリスピーな衣を噛み締めた後にジューシーかつ醤油ベースの下味が効いた熱々な鶏肉の旨味が感じられてこちらも癖になる美味しさだ。
「こちらも、ご飯に合う、です!」
肉たまらん!
カッカッカッ!!
ご飯を掻き込んでいく。
年頃の少女の食べ方とはとてもじゃないが思えない。
「卵スープが、優しくて、箸休め、です」
じんわり体が温まる卵スープ。
塩味メインで優しい味わいだ。
同じ塩スープでも、サラが神殿で食べていたスープとは天と地の差だ。
「はぅ~、幸せで、すぅ」
今日も大もりご飯を4杯食べてサラは大満足だ。
「この後はデザート、ですね。何処の甘味屋、行きましょう、か?」
甘いものは別腹らしい。
2段腹の下の腹にならない事を祈るだけである。
この後平民街のデザートブッフェで品切れを5品出す。
平民街のデザートブッフェでも『幼児体型の悪魔』として恐れられる事になるサラであった。
本日の診療所は休診である。
となればサラの過ごし方は決まっている。
カラン
扉を開けると軽やかな鐘がなる。
「いらっしゃいませ~、てサラちゃん!お久し振りね」
「はい、お久ぶりです、メリーさん」
「今日も日替わりで良い?」
「ごはん大盛で」
「うふふ、おかわりも好きなだけしてね」
メリーに促され、最早定位置になった席に着席する。
久しぶりの『馬の蹄亭』である。
昼まで寝ていたので朝昼兼用だ。
なのでお腹いっぱい食べても良いだろう。
何時もの気分で定食のご飯をたんまりおかわりする予定だ。
サラは知らない。
2次成長を迎えると女は腰回りにお肉が付きやすくなるのだ。
実際サラも尻に肉が付いてきた。
自分では自覚が無い様だが。
ただ未だに胸には肉がついていないが……。
セブンとナナも気付いている。
その女らしくなってきた体型にセブンは更に悩まされているのだ。
その為ナナが酷い目にあっているが…。
サラの知らない所での話である。
そしてこれからも知らなくて良い話である。
「はい今日のランチは麻婆豆腐定食ね」
サラの前に赤い謎の料理が運ばれてきた。
真っ赤である。
だが食欲をそそる良い匂いがしている。
定食はご飯に玉子スープ、麻婆豆腐、唐揚げ×3である。
普通の女の子が食べるには重すぎるメニューだ。
だがサラは目を輝かせて定食を見ていた。
涎が垂れそうになるのはご愛敬だ。
「頂きます!」
メインの四川麻婆豆腐は、土鍋で提供されている。
真っ赤な色から感じる辛さ、ボコボコと煮立つ土鍋で、食べる前からアツアツ旨辛感が満点。
真っ赤に染まる「麻婆豆腐」は、粗挽き肉、豆腐、茄子、にんにくの芽とメチャ具だくさんでボリュームも充分。
まずは、麻婆餡を スプーン(レンゲ)で掬う。
そして口の中に運ぶ。
粗挽き肉のパワフルな旨味と食感を噛み締めたあとに、甜麺醤由来のコク、豆板醤の刺激的な辛さ、麻辣醤の痺れるような辛さがこだまする。
続いては、麻婆餡+豆腐で、麻婆豆腐としていただく。
水気を帯びた豆腐が組み合わさることで豆板醤や麻辣醤の辛味が和らぎ、粗挽き肉や甜麺醤からにじみ出た旨味が豆腐全体に染みて大変美味しい。
「あつ、からっ、でもおいひぃ、ご飯が、進みます!!」
続いて、もう1つの主役であるから揚げにかじりつくと、カリッとクリスピーな衣を噛み締めた後にジューシーかつ醤油ベースの下味が効いた熱々な鶏肉の旨味が感じられてこちらも癖になる美味しさだ。
「こちらも、ご飯に合う、です!」
肉たまらん!
カッカッカッ!!
ご飯を掻き込んでいく。
年頃の少女の食べ方とはとてもじゃないが思えない。
「卵スープが、優しくて、箸休め、です」
じんわり体が温まる卵スープ。
塩味メインで優しい味わいだ。
同じ塩スープでも、サラが神殿で食べていたスープとは天と地の差だ。
「はぅ~、幸せで、すぅ」
今日も大もりご飯を4杯食べてサラは大満足だ。
「この後はデザート、ですね。何処の甘味屋、行きましょう、か?」
甘いものは別腹らしい。
2段腹の下の腹にならない事を祈るだけである。
この後平民街のデザートブッフェで品切れを5品出す。
平民街のデザートブッフェでも『幼児体型の悪魔』として恐れられる事になるサラであった。
0
お気に入りに追加
2,812
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか
あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。
「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」
突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。
すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。
オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……?
最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意!
「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」
さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は?
◆小説家になろう様でも掲載中◆
→短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる