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《61話》

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「この服、恥ずか、しいですぅぅぅぅぅっ!」

 サラが顔を真っ赤にして叫んだ。
 本日は人間ドックの為、クロイツの大学病院に来ていた。
 レオンハルトからの紹介状もあり予約だけで待ち時間は無しだ。
 持つべきものは権力を持った友人である。
 そして金を持つ友人も持つべきものである。
 その点にかんしてもレオンハルトは優秀だった。
 今回の人間ドックの支払いはレオンハルト持ちなのである。

(やはりエロナースを連れて来たのは正解だったな、クックックッ)

 セブンは心の中で大笑いをした。 
 顔に出さない様に表情筋はキープ。
 口の端がピクピク引き攣っている。

 それにしてもセブンも酷い男である。
 レオンハルトが性剛なのを知っていてサキュバスのナナを人見御供養にしたのだ。
 レオンハルトが雑食で良かった。
 サキュバス相手と聞いてこれで目一杯絞り出せると大喜びしていた。

 サキュバスのナナを抱き潰すだけあって、普通の人間の女では性欲の3割も発散できないのだ。
 ちなみに人間の女を相手にする時には10人を同時に相手にする。
 恐ろしいほどの精剛である。

「確かに良く考えたらいやらしい服よねぇ…」

 言葉の語尾にハートが付かない。
 どうやらレオンハルトに限界以上の精を注ぎ込まれて2日酔い状態らしい。
 ちなみにクロイツに居る間ナナのこの役目は終わらない。
 もう既にディノートに帰りたいナナだった。

「エロいか?」

 セブンも同じ格好である。
 だが医者のセブンには患者がこれを着るのは当然であって、いやらしさではなく機能性を追求した格好だと思っている。

「だって下着付けないのよ?私は良いけどサラちゃんには恥ずかしいんじゃないかしら?」

「!?」

 ナナに言われてセブンは気付いた。
 サラは今下着を着けていない。
 このはだけ易い服の下にはイチゴさんもサクランボさんも居ないのだ。
 思わずサラの方を向いてしまった。
 無意識である。

 そしてセブンは確認した。
 まな板だがちゃんと服の下から自信を主張する胸の突起を…。

(宇宙(森羅万象)は78:22のバランスで成り立っている。例としては、人間の体は水分78%・その他22%、円に外接する正方形の面積を100とすると円の面積は78・残りは22、空気中の成分は窒素78%・その他22%、金を貸したい人借りたい人の割合は78%・22%、銀行にお金を預けた人借りた人の比率が78%・22%、100人で1000万円を売り上げた場合22%の人が78%の売上を占める、肺呼吸と皮膚呼吸の割合は78%・22%、地球の海の割合は78%・陸地は22%などなど)

 今回のセブンの脳みそのお供は78:22の法則(ユダヤの商法)であった。
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