婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《番外》※ アコロ王子&司教side

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※R-18つけるほどではないかな?
 聖女の力を姉に譲渡し~も併せて読むと分かりやすいと思います


「ん、ここは?」

 自室のベッドの上で目覚めたアコロ王子は違和感を感じた。
 最後にベッドに入った記憶がない。
 誰かが運んだと言う事だろう。

「アコロ王子!お目覚めになりましたか!?」

 アコロ王子の近衛兵である騎士が声をあげた。

「うっ、頭が痛い…私はどうしたのだ?サラを追い出してからの記憶がないぞ?」

「な、何と!?聖女様が去られた後からの記憶が無いのですか!?」

「あぁ、あの後どうなった?」

 騎士は口を噤んだ。
 まさか男と性交を及んでいたなど言えるはずもない。
 魔物に体を改造されて、女性器が体に出来ていたなど、今の元の体になったアコロ王子は信じもしないだろう。
 そしてゴブリンの巣で種床にされ、何匹ものゴブリンを男のみで出産したなど知っていい訳がない。

「国王がお戻りです。まずは殿下がご無事であることを伝えに行ってまいります」

「父上が凱旋されているのか?では私は1年近く記憶を失った事になるのか!?いったい1年、私は何をしていたのだ!?」

「まずは陛下にお伝えしてからです。殿下はココに居て下さい」

「あ、あぁ分かった」

 本来なら身分の下の者の言う事など聞かないアコロ王子だが、1年間も記憶が無かったことに恐怖したのか騎士の言う通り再びベッドに横になった。

 :::

「司教様が、司教様が戻られた!!」

 神殿の講堂に司教はローブを纏い倒れていた。
 最後に見た異形の姿ではない。
 ちゃんと人間の姿だ。

「う、私は何を……」

「司教様、ですよね…?」

「あぁ、私は何故こんな所で倒れているのだ?」

 司教は当たりを見渡した。
 神官たちが距離を取って司教を見ている。
 当然だ。
 最後に見た司教の姿は完全に人間を止めていた。
 だが今の司教はここ1年どこか目の奥に狂気を宿していた目をしていない。

「司教様が帰って来られた!」

「司教様がその身に付いた悪魔を退けたのだ!」

「あぁ、何という奇跡!!」

 神官たちが司教を崇める。

(悪魔?私が悪魔に憑りつかれていたというのですか?ですが私の体は人間の物…悪魔は浄化されたと言うことですね。あぁやはり私は神に愛されているのだ!)

「まずは湯浴みをします。その後説法をしましょう。どうやらここ1年、記憶が無いようですしね。ちゃんとした説法を久しぶりに行いましょう」

「何と有難い!」

(ふふふ、何やら気分が良いですね。こんな晴れ晴れした気分は初めてです。信徒たちにもこのすがすがしさを分け与ええましょう)

 1年の記憶を失って、司教は幼女に性欲を覚えると言う己の性癖迄も失っていた。
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