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《52話》

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 朝食時、サラがナナの顔をジーっと見ていた。

「サラちゃんどうしたの?」

 モキュモキュとパンを頬張りながら、サラは不思議そうに見ている。
 そうしてサラは疑問を切り出した。

「ナナさんお肌、ツヤツヤ、で、す。何か良い、美容法、あった、です、か?」

 グフッ

 セブンが飲んでいる果実水を気管に流し込んでしまった。
 ゴホゴホと咳き込んでいる。
 噴き出さないだけ良かったのであろうか?

「んふふ、分かる?美味しい美容液た~っぷり摂取したの♡」

「ふわぁ、美味しい、美容、液」

 美味しいのところでサラが食いついた。
 食べ物目がないのである。
 肌が綺麗になるのが美味しいものを飲む事ならサラは喜んで飲む。
 ソレが何か気にもせずに素直に進められたまま飲む。
 何とも危ないお子様脳である。

「サラちゃんも飲みたい?」

「飲みたい、です」

「じゃぁナナさんが今日の夜た~っぷり飲ませてあげるわね♡私のミ・ル・ク♡」

「ミルクなんですか」

「そうミルクなの♡」

「美味しいです、か!?」

「私のは特に美味しいわよ♡」

「飲ませ、て下さ、い!!」

「じゃぁ今日の夜私の部屋に来てty……何よドクター」

 セブンがフォークをナナの手に刺そうとしている。
 実行したらプレーンのスクランブルエッグに赤いソースが付くことだろう。
 ちょっと食べたくない。

「セブンさん、怒ってる、です、か?」

「アラ、お前に美容液は合わない」

「私もお肌、プルプルのツヤツヤに、なりたい、です!」

「分かった。俺がクロイツの知人に頼んで、お前の肌によくあった基礎化粧品をオーダーメイドで作って貰ってやる。だからエロナースとは止めておけ」

「でも美味しい、です、よ?」

「お前の体質に合わない。腹を下すぞ」

「そうなんです、か、ナナさん?」

「1度試してみた方が良いと思うだけどね~♡」

「貞操帯でもつけられたいかエロナース?」

「ソレは困るわね。ドクター本気で実行しそうだし。ドクターが本気で魔術付与した貞操帯だと私の魔力じゃ外せないし……サラちゃん、私のミルクは今回は無しでね♡」

「そんなぁ、ミルク、飲みたかった、です…」

「その内ドクターが飲ませてくれるわよ♡」

「そうなんです、か、セブンさん?」

「生憎俺はミルクを持ち合わせておらん」

「え~本当?何かドクターから良い匂いがするから、遂に大人の階段駆け上がり始めたのかと思ったのに♡」

「風評被害だ止めろ」

「サラちゃん、ドクターは今は用意出来ないんですって。その内ドクターが飲ませてくれる気になるの待ちましょうね♡」

「はい、セブンさん、早くセブンさんの、ミルク、飲ませて下さい、ね」

 サラがふにゃりと笑った。
 絶対何も分かっていない無邪気な笑顔だ。
 そして手に持っていたマグカップに口を付けミルクをゴクゴク飲む。
 全く持って色気がない。
 普通こう言う時は色っぽく見えるものじゃないのだろうか?

 ぷはーっと風呂上がりにエールを飲むオヤジの如くサラが一息ついた。

「見事に色気がないわサラちゃん…いつまでもそのままでいて欲しいけど大人の階段も登らせたい。ナナさんは2つの欲望の間で葛藤しちゃうわ♡」

(3.1415926535 8979323846 2643383279 5028841971 6939937510 5820974944 5923078164 0628620899 8628034825 3421170679 8214808651 3282306647 0938446095 5058223172 5359408128 4811174502 8410270193 8521105559 6446229489 5493038196 4428810975 6659334461 2847564823 3786783165 2712019091 4564856692 3460348610 4543266482 1339360726 0249141273 7245870066 0631558817 4881520920 9628292540 9171536436 7892590360 0113305305 4882046652 1384146951 9415116094 3305727036 5759591953 0921861173 8193261179 3105118548 0744623799 6274956735 1885752724 8912279381 8301194912 9833673362 4406566430 8602139494 6395224737 1907021798 6094370277 0539217176 2931767523 8467481846 7669405132 0005681271 4526356082 7785771342 7577896091 7363717872 1468440901 2249534301 4654958537 1050792279 6892589235 4201995611 2129021960 8640344181 5981362977 4771309960 5187072113 4999999837 2978049951 0597317328 1609631859 5024459455 3469083026 4252230825 3344685035 2619311881 7101000313 7838752886 5875332083 8142061717 7669147303 5982534904 2875546873 1159562863 8823537875 9375195778 1857780532 1712268066 1300192787 6611195909 2164201989)

 これだけ色気のないサラにもセブンの愚息は反応しようとするらしい。
 セブンは真顔で必死に円周率を数えていた。
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