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《15話》
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本日は日の曜日。
平民街の診療場は昨日の午後から休みである。
ゆっくり日が高く上るまで睡眠。
何と言う時間の贅沢。
カーテンから差し込んでくる日の光でサラは目を覚ました。
くぅ~と腹の虫が鳴る。
「コレは朝ご飯と昼ご飯、兼用、ですね」
だらけてすっかり自分で食事を作る気になれない。
それに最近気づいたのだがサラは1人で食事をするのがあまり好きではない。
大好きな米も茶碗2杯しか進まない。
誰かが居たら3杯は軽いのに…。
診療所に持って行ってるお弁当のおにぎりだって大ぶりのを6つ持って行っている。
昼食に4つ。
仕事終わりにトテトテ歩きながら2つ食べるのだ。
勿論帰ってから夕食も嗜む。
みそ汁と漬物と主菜1品にご飯の食事である。
ちなみに1品は総菜屋の割引商品を購入。
19時以降は半額になるのでとてもお財布に優しい。
ご飯に合わせて作るぞー、と気合を入れて古本屋で買った『ご飯のお供100選』はほこりを被って収納に仕舞われている。
サラはどうも1人分を作ると言うのが苦手なのだ。
本には2人前から載っている。
それをそのまま作ったら当然2人前の分量が出来る。
そしてサラは、それを全部1食で食べてしまうのだ。
次の日に残しておくと言う事が出来ない。
だからと言って1人前を作るのは無理だ。
サラは数字に弱いのだ。
セブンに勉強させられて少しはマシになったのだが…。
なのでサラは休日のお昼は行きつけの食堂に向かう。
サラの外食デビューとなった『馬の蹄亭』である。
カランカラン
「いっらっしゃ~い、てサラちゃん今日も来てくれたのね~」
「こんにちはメリーさん。今日もヨロシク、です」
「はいはい、こちらの席にどうぞ~」
サラの指定席になっているテーブルへ移動する。
「今日の日替わりはなんです、か?」
「今日はチキン南蛮よ~」
「チキン南蛮?」
「鶏肉に小麦粉をふり卵液を絡めたものを揚げ、甘酢に浸した揚げ物料理で~上からタルタルソースを掛けたものよ~」
「タルタル?」
「マヨネーズに、タマネギ、キュウリのピクルス、ケッパー、パセリ、チャイブなどをみじん切りにして混ぜ込んだ白い濃厚なソースで~脂分の多いマヨネーズを元としていながら酸味や辛味の利いたさまざまな材料を盛り込んでいるため、フライなどの揚げ物をさっぱりと食べられるの~」
「な、何と美味しそう、な、ジュルリ…では日替わりお願い、します」
「パンとライスどっちにする~?」
「んん~今日はパン、にします!」
「はいはい~パンとスープのセットね~。パンとスープはおかわり放題よ~」
「パンに付けるバター、は放題、ですか?」
「バターもオリーブオイルも付け放題よ~」
「あうぅお腹が空き、ました。注文お願い、します」
「お待ちあれ~」
ウェイトレスのメリーはのほほんとメニューを取って厨房へと消えた。
今頃、厨房でサラが食べるチキン南蛮が用意されているのだ。
想像しただけで涎が垂れそうだ。
だれもこの欠食児童を見て元聖女とは思わないだろう。
ちなみにお出かけなので今日のサラの服は灰色のローブではない。
マリン柄のトップスにベージュのスカンツだ。
唇には銅貨1枚均一で買ったピンクのリップクリームを塗っている。
お出かけなのでちょっぴりお洒落さんだ。
今日のサラはナナと中心街に出来たケーキバイキングに行く約束をしている。
美女のナナと歩くのでこれでも頑張ったのだ。
ケーキバイキングの前にがっつり定食屋でランチセットを頼んでいるサラの胃袋はどういう作りになっているのだろうか……。
「はい、日替わりランチおまたせ~」
「ふぉぉぉっ!!」
ホカホカのチキン南蛮。
中々の肉厚で大きなチキンだ。
きつね色に揚げられていて白いタルタルソースがかけられている。
パンはフォカッチャだ。
バターも良いがオリーブオイルにもよく合うだろう。
スープはコンソメスープ。
パセリが浮かべられているので色合いが良い。
ちなみにパンとスープは自分でおかわりを取りに行くスタイルだ。
「いただき、ます!」
ザクッ
タルタルのかかった揚げた鶏もも肉に齧り付く。
「んん~~見た目はタルタルの海にチキンが沈んでいる、かのようで、かなりヘビーな一品のように思えますが、食べてみるとかなり風味、はあっさり。
重量感は、甘酢とタルタルソースによる全体的に甘ったるさの漂う味付け、による部分もあり、それゆえに、パンが進み、ます!
ごはんでももりもり進むメニューでもある、のですが!
このタルタルはマヨネーズ方面の味わいが弱めで、「さっぱりしたタルタル」。
さらに、タレも「甘酢」というほどに甘口ではなく、むしろ黒酢などのように酸味がある味になっていて、トータルだと「あっさりジューシー」です!!」
顔をだらしなく緩めてサラはチキン南蛮とパンをモキュモキュと頬張る。
パンは時にバター。
時にオリーブオイル。
味が変えれるせいで飽きずに何個でも食べれる。
澄んだコンソメスープも味がしっかりしていて、口に含むと口内に肉と野菜の風味が漂う。
これで味が変わりまたチキン南蛮に手が伸びる。
サラはパンを7個。
スープを3杯おかわりをし、食事を終えた。
「ケーキも食べるから腹6分、ですね」
恐ろしい言葉を聞いたと、周囲の客はサラを驚愕の目で見ていた。
「メリーさん、お会計お願い、します」
「はい、銅貨4枚と鉄貨5枚ね~」
「うぅ、いつ来てもお財布に良心的な店、なのです」
感動でグスグス言いながらサラは懐からお金を取り出し、値段ぴったりを支払った。
「うふふ、ケーキバイキング楽しみ、ですね。元を取るためいっぱい食べる、のです!」
少しでも胃の中の物を消化すべく、サラは馬車ではなく徒歩で中心街の待ち合わせの噴水前へと向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は汚いの無しで(;´∀`)
一気に書こうと思ったら想像より長くなりそうだったので分けました。
アコロ王子の不幸をお楽しみの方は申し訳ありません(*- -)(*_ _)ペコリ
平民街の診療場は昨日の午後から休みである。
ゆっくり日が高く上るまで睡眠。
何と言う時間の贅沢。
カーテンから差し込んでくる日の光でサラは目を覚ました。
くぅ~と腹の虫が鳴る。
「コレは朝ご飯と昼ご飯、兼用、ですね」
だらけてすっかり自分で食事を作る気になれない。
それに最近気づいたのだがサラは1人で食事をするのがあまり好きではない。
大好きな米も茶碗2杯しか進まない。
誰かが居たら3杯は軽いのに…。
診療所に持って行ってるお弁当のおにぎりだって大ぶりのを6つ持って行っている。
昼食に4つ。
仕事終わりにトテトテ歩きながら2つ食べるのだ。
勿論帰ってから夕食も嗜む。
みそ汁と漬物と主菜1品にご飯の食事である。
ちなみに1品は総菜屋の割引商品を購入。
19時以降は半額になるのでとてもお財布に優しい。
ご飯に合わせて作るぞー、と気合を入れて古本屋で買った『ご飯のお供100選』はほこりを被って収納に仕舞われている。
サラはどうも1人分を作ると言うのが苦手なのだ。
本には2人前から載っている。
それをそのまま作ったら当然2人前の分量が出来る。
そしてサラは、それを全部1食で食べてしまうのだ。
次の日に残しておくと言う事が出来ない。
だからと言って1人前を作るのは無理だ。
サラは数字に弱いのだ。
セブンに勉強させられて少しはマシになったのだが…。
なのでサラは休日のお昼は行きつけの食堂に向かう。
サラの外食デビューとなった『馬の蹄亭』である。
カランカラン
「いっらっしゃ~い、てサラちゃん今日も来てくれたのね~」
「こんにちはメリーさん。今日もヨロシク、です」
「はいはい、こちらの席にどうぞ~」
サラの指定席になっているテーブルへ移動する。
「今日の日替わりはなんです、か?」
「今日はチキン南蛮よ~」
「チキン南蛮?」
「鶏肉に小麦粉をふり卵液を絡めたものを揚げ、甘酢に浸した揚げ物料理で~上からタルタルソースを掛けたものよ~」
「タルタル?」
「マヨネーズに、タマネギ、キュウリのピクルス、ケッパー、パセリ、チャイブなどをみじん切りにして混ぜ込んだ白い濃厚なソースで~脂分の多いマヨネーズを元としていながら酸味や辛味の利いたさまざまな材料を盛り込んでいるため、フライなどの揚げ物をさっぱりと食べられるの~」
「な、何と美味しそう、な、ジュルリ…では日替わりお願い、します」
「パンとライスどっちにする~?」
「んん~今日はパン、にします!」
「はいはい~パンとスープのセットね~。パンとスープはおかわり放題よ~」
「パンに付けるバター、は放題、ですか?」
「バターもオリーブオイルも付け放題よ~」
「あうぅお腹が空き、ました。注文お願い、します」
「お待ちあれ~」
ウェイトレスのメリーはのほほんとメニューを取って厨房へと消えた。
今頃、厨房でサラが食べるチキン南蛮が用意されているのだ。
想像しただけで涎が垂れそうだ。
だれもこの欠食児童を見て元聖女とは思わないだろう。
ちなみにお出かけなので今日のサラの服は灰色のローブではない。
マリン柄のトップスにベージュのスカンツだ。
唇には銅貨1枚均一で買ったピンクのリップクリームを塗っている。
お出かけなのでちょっぴりお洒落さんだ。
今日のサラはナナと中心街に出来たケーキバイキングに行く約束をしている。
美女のナナと歩くのでこれでも頑張ったのだ。
ケーキバイキングの前にがっつり定食屋でランチセットを頼んでいるサラの胃袋はどういう作りになっているのだろうか……。
「はい、日替わりランチおまたせ~」
「ふぉぉぉっ!!」
ホカホカのチキン南蛮。
中々の肉厚で大きなチキンだ。
きつね色に揚げられていて白いタルタルソースがかけられている。
パンはフォカッチャだ。
バターも良いがオリーブオイルにもよく合うだろう。
スープはコンソメスープ。
パセリが浮かべられているので色合いが良い。
ちなみにパンとスープは自分でおかわりを取りに行くスタイルだ。
「いただき、ます!」
ザクッ
タルタルのかかった揚げた鶏もも肉に齧り付く。
「んん~~見た目はタルタルの海にチキンが沈んでいる、かのようで、かなりヘビーな一品のように思えますが、食べてみるとかなり風味、はあっさり。
重量感は、甘酢とタルタルソースによる全体的に甘ったるさの漂う味付け、による部分もあり、それゆえに、パンが進み、ます!
ごはんでももりもり進むメニューでもある、のですが!
このタルタルはマヨネーズ方面の味わいが弱めで、「さっぱりしたタルタル」。
さらに、タレも「甘酢」というほどに甘口ではなく、むしろ黒酢などのように酸味がある味になっていて、トータルだと「あっさりジューシー」です!!」
顔をだらしなく緩めてサラはチキン南蛮とパンをモキュモキュと頬張る。
パンは時にバター。
時にオリーブオイル。
味が変えれるせいで飽きずに何個でも食べれる。
澄んだコンソメスープも味がしっかりしていて、口に含むと口内に肉と野菜の風味が漂う。
これで味が変わりまたチキン南蛮に手が伸びる。
サラはパンを7個。
スープを3杯おかわりをし、食事を終えた。
「ケーキも食べるから腹6分、ですね」
恐ろしい言葉を聞いたと、周囲の客はサラを驚愕の目で見ていた。
「メリーさん、お会計お願い、します」
「はい、銅貨4枚と鉄貨5枚ね~」
「うぅ、いつ来てもお財布に良心的な店、なのです」
感動でグスグス言いながらサラは懐からお金を取り出し、値段ぴったりを支払った。
「うふふ、ケーキバイキング楽しみ、ですね。元を取るためいっぱい食べる、のです!」
少しでも胃の中の物を消化すべく、サラは馬車ではなく徒歩で中心街の待ち合わせの噴水前へと向かった。
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今回は汚いの無しで(;´∀`)
一気に書こうと思ったら想像より長くなりそうだったので分けました。
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