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《番外》※ アコロ王子side R-18

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※BL表現あり


「う~ん…私の唇、が…清らかな、私の、唇がぁ……」

「お兄様熱が出てしんどそう…」

 医師との口づけ事件以降、アコロ王子は熱を出して寝込んでいた。
 医師が来るとヒステリーを起こすので王族専属主治医には診せられない。
 しかも医師はアコロ王子を見るとポッ、と乙女の様に頬を赤らめるのだ。
 事態を真剣に見なければならないと、アコロ王子の治療は別の医師が当たることになった。
 現在は煎じ薬を処方していため席を外している。

「う~ん…う~ん………」

「待っててね兄様、僕が絶対治してあげるから!!」

 兄の痛ましい姿を見て、アポロ王子はアコロ王子を励ます言葉を発するとアコロ王子の部屋を後にした。

 そして10数分……。

 アポロ王子の手には太く長く猛々しい長ネギが握られていた。

「う~ん、ネギ臭い…て、アポロ?」

 ネギの臭いにアコロ王子が目を覚ます。
 アコロ王子はネギが嫌いなのだ。
 ネギと言わず苦い辛い野菜は全てが嫌いだ。
 おこちゃま舌なのである。

「兄様、熱にはネギが良いんだって!」

「臭い!近づけるな!私はネギは嫌いなのだ、絶対食べんぞ!…う~ん……」

「大丈夫!口から入れるんじゃないから!」

「う~ん…どういう意味……だ?」

「じゃぁ医療班の人達手伝って!」

「「「「御意!」」」」

 アポロ王子親衛隊(ショタコンとも言う)の医療部隊が指示に従ってアコロ王子をうつ伏せにさせる。

「ひぃっ!乳首が擦れて痛い!止めろっ!!」

 まだ治りきっていない、オオクワガタに挟まれた乳首がシーツに擦れた。
 アコロ王子は寝る時は裸族なのだ。
 そしてその尻を高く上げさせられる。
 皆も見慣れた女豹のポーズだ。

 その気がある者が見たら堪らない光景だろうが、此処に居るのは無垢なアポロ王子とその親衛隊だ。
 アコロ王子では興奮しない。

「で、どうしたら良いんだっけ?」

「このジェルをネギの根元に塗って下さい」

「うん、こーだね」

 ニチャ
 ニュル

 ネギがジェルでテラテラと光る。

「じゃぁ入れやすくして!」

「御意!」

 1人の医療者がアコロ王子の尻たぶを開く。
 隠された秘孔が露になった。
 まだヤスリの傷が治っていないため、通常の状態よりも赤く色付いている。
 その秘孔に、アポロ王子はネギの根元を突き立てた。

「行くよー兄様ー!」

「ま、まさか…やめろアポロ!やめ――――っ!!」

 グ、ググ
 ズプッ!!

「アッ―――――――――!!!」

 ネギが深々とアコロ王子の秘孔に挿入されると同時に…。
 サイドテーブルに置かれていた花が1輪ハラリとその花弁を散らした……。

 :::

「お、おいひいれふ!このマヨネーズと言うドレッシング、おいひいれふ!モグモグ」

「お前は炭水化物と肉の摂り過ぎだ。ビタミンやアミノ酸補給にもしっかり野菜を取れ!」

「ドクター、有難うございます~グスグス」

 午前診が終わり休憩時間。
 休憩室でテーブルを囲みサラ達3人はそれぞれお弁当を食べていた。
 
 サラは塩握りとウインナーとゆで卵。
 炭水化物とたんぱく質がメインで見事にビタミン類が無い。

 セブンは30品目の素材が使われた色とりどりとバランスの良いお弁当。
 ちなみに自分作だ。
 栄養バランスはバッチリだ。
 1人身が長い男の自炊能力を侮ってはいけない。

 ナナは白いジャムを食べていた。
 何のジャムかは深く考えたら駄目である。

「サラちゃんの為にサラダ用意してあげるって、どんだけ甘いのよドクター」

 ナナがはぁ、と呆れた目で2人を見て溜息をついた。

「このミニトマト、美味しいですね!!」

「ウチの庭のプランターで取れたやつだ。甘いだろう!」

「とっても甘いです!!」

「そのアスパラも旨いぞ!」

「はい、食感が良いです!」

「1人身の男と言うより主婦よね…マヨネーズも手作りだし……」

 今日も平民街の診療所は平和である。
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