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その後

過去への旅客10

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 美味しそうな匂いで目が覚めました。
 これはミソスープの香りです。
 美味しんですよねミソスープ。
 ミヤハルさんのお宅と言えば朝はミソスープです。

 あ、涎垂れてる。
 隣で眠るチビ魔王には付けてない…にゃぁぁぁぁぁあぁぁあ嗚呼あぁぁっっ!!

 チビ魔王が!
 チビ魔王が居ません!!

 私は身支度もせず寝着のユカタのままダイニングに飛び出しました。

 あ、オウマさんがチビ魔王にミルクあげてる………。

「お寝坊さんやなぁヒガンちゃん」

「おそよさまですミヤハルさん。皆さんもお寝坊してすみません」

 ペコリと頭を下げました。
 まだ涎の痕があるのは見て見ぬふりして下さい。
 それよりチビ魔王のミルクの時間を逃すなんて…私の馬鹿っ!
 今なら拳で地面が割れそうです。
 自分への怒りで。
 あ、剣でなら地面割れますよ。
 剣が無いとかなり能力値が下がるんですよね私。
 まぁ体から宝剣を召喚しているので武器が無い状態というのが滅多に無いんですが。

「あの…ヒガンさん、胸が…………」

「あ”…………」

 ユカタが開けてトップまでは見えていませんが、ユカタから胸が零れ落ちそうになっていました。
 最近Cカップになった私です。
 見えても見すぼらしくは無いでしょうが、ミヤハルさんに比べるとまだまだ小さいです。
 こんな小さい胸なんて見ても楽しくないでしょう。
 そう思っていた時期が私にもありました。

「目の毒だから速く閉まって欲しいのねん………」

 オウマさんが!
 オウマさんが真っ赤になってます!!
 何あれ可愛いんですけど!
 ミヤハルさんより遥かに小さい私の胸で赤くなるなんて初心すぎですオウマさん!!
 チビ魔王も可愛いけどオウマさんも可愛いです!
 はぁっ、たまらん!!!!!

 あ、隣から冷たい視線を感じる。

 やっぱりエントさんでしたか。
 エントさん私に冷たいですよね。
 今も冷ややかな目で私を見ています。
 未来ではもう少し歩み寄ってくれているのですが。

「みすぼらしい物を見せるな痴女」

 ………
 ………………
 …………………………

「ちちちちちちちちち痴女じゃないですっ!!」

「エント、ヒガンちゃんは貧乳ちゃうで?ユラ姉ちゃんより大きいやろ?」

「ミヤハル様の方が大きい」

「困った子やなぁ、ごめんなぁヒガンちゃん」

「いえ、私が悪いので。着替えてきます!」

 Uターンでお部屋に帰って着替えです。
 エントさん、既にミヤハルさん至上主義なんですね。
 羨ましいです。
 私ももっとチビ魔王とイチャイチャしたいです。
 その前に朝ご飯ですね。

「朝食は~な~あ~にかなぁ~~~♫」

 鼻歌がつい漏れてしまいます。
 音程がおかしいのは見逃して下さい。
 鼻歌何て上機嫌なのが分かればそれで良いのです。

 そして私は着替えを済ませて再びダイニングへと戻るのでした。
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