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その後

過去への旅客7

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 凄っく居たたまれないです。
 オムツを変えようと(*´Д`)ハァハァしてた私を3歳児のエントビースドさんが見ていました。
 視線が絶対零度です。

 そうですよね。
 大切な弟ですもんね。
 見知らぬ女が赤ちゃんの弟のオムツを(*´Д`)ハァハァしながら変えようとしてたら警戒しますよね。

「エント~帰って来たんなら挨拶せんとアカンやろ~」

 あ、ミヤハルさんから救いの手。
 ミヤハルさんの声が聞こえたと同時にエントさんに表情が生まれました。
 ぱぁ、と花が咲いたように表情が明るくなりました。
 この時代からエントさんはミヤハルさんが大好きみたいです。

「ハル様、この女は誰ですか?」

 声が冷たいですよエントさん。
 私むっちゃ傷つきます。
 未来ではあまり話すことも無かったので、どうやって警戒を解いて良いか分かりません。
 話は基本ミヤハルさんについてですからね。
 それ以外でした会話…思い出せません………。
 仲良しの自覚はありませんでしたが、ここまで接点が無かったつもりもありませんでした。
 これを機にもう少し仲良くなれないですかね?
 
 だってエントさんは魔王の大事なお兄さんです。
 魔王の伴侶の私にとってもお義兄さんです。
 私に子供が生まれたらその子にとって伯父さんです。
 他人では無いんです。

「この人はヒガンちゃんやで。ウチの昔馴染み。近くに来たから遊びに来たんや、オウマが剣の稽古をしたがってたし、子供好きやからシックスリーの面倒をおる間見て貰う事になってんよ」

「目つきが邪に見えます。それに息も荒いです」

「子供好きが行き過ぎてるだけや。変態さんや無いから安心し。それにエントに対して邪な目で見て来えへんやろ?純粋な赤ちゃん好きやからシックスリーが危害加えられること無いから安心し」

 何と言うか、この頃からエントさんてばミヤハルさんが大好きなんですね。
 しかもLIKEじゃなくてLOVEに見えるのは気のせいでしょうか?
 エントさん3歳ですよね?
 子供が幼稚園の先生に初恋みたいな感じですか?
 でも未来でちゃんと結婚してますもんね。
 皆が認めるおしどり夫婦です。

 まぁ本物のオシドリは浮気するしパートナー変えるし、全然一途じゃないですけど。
 良い意味で皆が使うおしどり夫婦さん何です。

 そんなミヤハルさんとエントさんのラブラブ夫婦は私の目標でもあります。
 私も魔王とずっとラブラブしたいです。
 ラブが高じて思わず過去に来てしまいましたが。
 考えなしに来てしまって危なかったですが。
 ミヤハルさんが機転を利かせてくれて本当に良かったです。

「シックスリーを任せて大丈夫なんですね?」

「おん、大丈夫やで。だからそんな心配せん時エント」

 わしゃわしゃとミヤハルさんがエントさんの髪を撫でまわします。
 頭をぐしゃぐしゃにされていますがエントさんは何処か嬉しそうです。
 ミヤハルさんが関わるとエントさんは無表情なのにオーラで嬉しさを示すんですよね。

 大きいエントさんには感じない可愛さをチビエントさんからは感じます。

 チビ魔王のように(*´Д`)ハァハァする可愛さとはまた種類が違うんですが、子供と言うのは可愛い物なんですね。
 この可愛いエントさんが未来の冷酷な宰相様になるなんて想像もつき…ますね………。
 ミヤハルさん以外に送る視線は冷たいです。
 ミヤハルさんが友達発言したから私も居て良い、みたいな雰囲気ですし。
 チビ魔王は可愛いですか、チビエントさんとも仲良くなりたいです。
 過去に居る1週間の間にエントさんとも仲良くなれたら良いんですけど。

 ちなみにオウマさんとは一瞬で仲良くなれました。
 すぐに打ち解けすぎて逆に心配になりましたよ。
 変な大人に連れて行かれないか心配です。
 チビオウマさん凄く可愛いですし。
 まぁケンキさんが傍にいるので大丈夫でしょう。

「エントさん、1週間お世話になります。よろしくお願いしますね」

「………ミヤハル様の知り合いなら受け入れる。だが弟に変な事はしないで下さいよ」

 警戒されてしまいました。 
 でもミヤハルさん至上主義なのはこの頃からなんですね。

「はい、ちゃんとまお、シックスリー君の面倒は見ますから安心して下さい。後エントさんとも仲良くなりたいから、後で色んなお話ししましょうね」

「俺の事聞きたがるなんて変な大人………」

「ミヤハルさんのお話で盛り上がりましょう。私は応援してますよ」

「!?………応援してる?俺はまだ3歳だぞ?」

「でも、諦める気ないでしょう?」

「………本当に変な大人だ。でも、ミヤハル様の事はいっぱい聞かせて貰う」

「何や2人仲良くなるの早いな。ウチの話なんかして楽しいんか?」

「楽しいです!」

「そうかそうか、エントが楽しいならヒガンちゃんといっぱいお話しぃ」

「はい!」

 ミヤハルさんもまさかチビエントさんがLOVEの意味で自分を好きだとは思っていないみたいです。
 大丈夫ですよエントさん。
 私は応援してますからね!

 こうして私はなんとかエントさんとも打ち解ける事が出来たのでした。
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