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小話・季節ネタなど(後書き手の呟きとか)

祭狂VS最凶

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「で、そっちのやたら体が熟れてる姉ちゃんがウチの子孫か」

「この性別が不明の関西弁の美人が私の先祖か」

 12歳のミヤハルと17歳のサイヒ。
 2人がテーブルを挟んでお茶をする姿は大層絵になる。
 宗教画から出てきたと言っても納得する美しさ。

 だがミヤハルは祭狂でサイヒは最凶である。

 見た目で判断してはならない。
 手を出したら瞬間に塩の柱にされかねない。

 因みに塩の柱はキリスト教の話である。

 ロトの妻の塩柱は旧約聖書でソドムとゴモラの滅亡に関連した話で(『創世記』第19章)、ロトとその家族は神によって救われるが、逃げる途中は振り返るなと神に言われたのに、ロトの妻は振り返ったために塩柱にされたと言われているもの。
 イスラエル南東部の死海西岸の公道90号線に沿ったソドム山の上に見える。
 エン・ボケックのすぐ南にあり、現在は観光地にもなっている。
 因みに今この世界の大陸の何処かにもあるかも知れない。

 皆が2人を遠巻きに見ている。
 強すぎる力を持つ2人をどう扱えば良いか分からないのだ。
 しかも年齢こそ違うがそっくりである。

 瞳の色がサイヒは青銀。
 ミヤハルは漆黒である。
 どちらも意識を飲まれそうな深さのある美しい宝石のような瞳。

 このお茶会は迂闊に他者に見せては駄目だ。
 皆そう思った。
 こんな美貌×2を見てしまえば美的感覚が狂ってしまう。
 もう一生並みの美人では満足できなくなるだろう。
 クオンはいつも以上に警戒態勢を強固にした。

 なおマロンはお兄様の美貌心酔しているのでそっくりでもミヤハルには靡かない。
 エントビースト・ルーシュも同じである。
 勿論警備の軸になっているクオンもである。

「ほぅ、この茶は美味いな」

「私の愛し子の1人が治める土地で栽培しているお茶です。御気に入りましたご先祖様?」

「あぁ、香りも風味も最高だ。包んで貰うのは出来るんかな?」

「我がご先祖様が喜んで下さるなら幾らでも」

「………ウチの子孫の割に堅苦しいなサイヒ?」

「はぁ、まぁこれでも全能神なんで堅苦しい作法も仕事の内なもので」

「【全知全能】もウチの子孫にやっかいな置き土産してくれたもんやで」

「まぁお陰でユラさんとも出会えましたから、それだけでもお釣りが来ますよ」

「ユラ姉ちゃん、幸せにやってるようで良かったわ。ちゃんと【全知全能】以外にもモテたんやな…………」

「毎晩ベッドで抱き潰されているみたいですww」

「ほぉ~楽しそうな話やな、ゆっくり聞かせてんか?」

「じゃぁお茶会からパジャマ会に変更しましょうか?」

「あぁ、楽しみにしとるで!んじゃウチは1回エントの所に帰るわ、また今夜来るわな」

「えぇ、お待ちしておりますご先祖様」

 絶世の美貌2人がニタリと笑った顔は幸い誰にも見られることはなかった。
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