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その後

最年長シンデレラが行く!最終話 童話パロ

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「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇえっ!!」

「はっはー遅いで【全知全能】♫」

「なぜお前の力に耐えられる剣などが存在しているのだ!?」

「時を経てやって来たウチの子孫のユラ姉ちゃんへの執着馬鹿にせんでや!!」

 【全知全能】と【戦闘特化】による戦いが行われています。
 もうドラ〇ンボールの世界です。
 【戦闘特化】である義母は使える武器がありません。
 その闘気の強さに普通の武器では耐えることが出来ないのです。
 今まで義母と【全知全能】の戦いが決着をつかなかったのもそのせいでした。
 戦いのスピードに付いていけない【全知全能】。
 戦いの決め手がない【戦闘特化】。
 この2人が相性がそう良い訳でもないのにぶつかり合わなかったのはそう言う理由がありました。

 ですがこの日ようやく決着が付こうとしていました。
 【戦闘特化】の闘気に耐えうる剣が現れたのです。
 漆黒の、柄にはめ込まれた大粒のエメラルドが美しい剣でした。
 その剣にシンデレラは視線を奪われます。

「やっぱり、王子様は居るんじゃない………」

 頬をバラ色に染めてシンデレラは呟きました。
 あ、王子様と言っても義母の事では無いですよ?
 漆黒の剣を見てそう呟いたのです。
 無機物に愛情を感じる性癖ですか、そりゃ今まで恋人が出来るはずもありませんよねー(笑)

「無機物に恋情抱く特殊性癖ないから!だってアレ、****君でしょ?姿は剣だけど」

 あ、やっぱり分かります?
 シンデレラへの執着のあまり無機物の姿になって次元の壁を越えちゃいましたよ****が。

「そっかぁ…****君、来てくれたんだぁ………」

 涙ぐむシンデレラ。
 良かったですね、本当に会えるのは数万年後ですがこうして姿を変えてまであなたの事を護りに来たみたいですよ****は。

「うん、私待ってるよ****君!」

「切れ味無くしてホームラーン☆」

「ぐぇぇえぇぇぇぇぇぇえっ!!!」

 あ、王子が彼方へ飛ばされましたね。
 武器さえあれば無敵ですね【戦闘特化】。

「****君!」

 シンデレラが漆黒の剣に駆け寄りました。
 そこは頑張って(本当に?)戦った義母に熱い抱擁するところじゃないんですか?
 理由の分からない義姉2が引いていますよ。
 て、聞こえてませんね。
 シンデレラは剣を抱きしめて、抱擁しています。
 剣も喜んでいるのかエメラルドから光を発しています。
 面白い体になりましたね****君。
 あ、でももう時間です。
 奇跡の時間は終わりです。

「待ってるね、****君」

 キラキラとエメラルドと同じ色の光に包まれて漆黒の剣は消えました。
 シンデレラ、貴方でもそんな風に泣くんですねぇ。
 いやぁ恋する乙女は強くて美しいものです。

「でも王子様居なくなりました。誰が新しい王様になるんですか?」

「あ、それ俺の旦那様よん♪」

「義姉1さん!」

「おひさ~義母様、シンデレラ様、義姉2さん~♬」

 義姉1はどうやら義母と王子の戦闘を離れたところで見守っていたようです。
 そして最後の仕上げのため、こうして姿を現れたようです。

「義姉1君結婚するの!?私なんて誰とも付き合ったこと無いのにぃぃぃいっぃいっぃっ!!」

「さっき「まってるね」とか言ってたような気がするんね」

「ソレはソレ!コレはコレ!私より年下がどんどん結婚していくなんて悔しいぃぃいぃぃいいっ!!!」

 心の狭いシンデレラですね。
 これは国母にならなくて正解です。

「で、義姉1君は誰と結婚するの!?」

「え、と、今の国王の王弟さん。世界中を回る料理人をしてたんだけど、王様の具合が悪いから国王様になる事に決めたんだって言ってんのよ。
んで、俺、告白されちゃった…………(*ノωノ)」

「悔しい!でも美味しい!料理人だけに美味しく義姉1君を調理するのね!新刊のネタは王弟×義姉1だわ!!」

 復活の速いシンデレラですね。
 まぁ薄い本が厚くなるのは良い事ですよ。
 天の声も日曜日にコミッ〇シティ言ってきてホクホクですよ。
 少し雨に降られたけど楽しかったですね~♡
 この年になると恋より推しですわ(*´▽`*)

「義姉1は結婚か、良かったやん義姉1。相手はイケオジやろ?」

「えへへへへ♡」

「悔しいけど義姉1君可愛い!」

「シンデレラさん涙拭いて下さい」

 そっと義姉2がシンデレラにハンカチを渡しました。

「義姉2ちゃんはまだ結婚しないわよね!」

「私…魔法使いさんと義母さん探しの代償に、お嫁に行くことが決まりました」

「義姉2ちゃんまでぇぇぇぇぇぇっぇえぇぇっぇぇっ!!!」

 もうハンカチは涙を拭くアイテムでなく、悔しさのために歯を食いしばるアイテムになっています。
 御労しやハンカチ上………。

「まぁシンデレラはウチと旦那様、シンデレラにとっては実父やね、と一緒に暮らせばええやんか」

「自分をのけ者に夫婦がイチャイチャしてる愛の巣になんかで住みたくないっ!!」

「んじゃ今から【全知全能】探して来よか?あいつなら喜んで結婚してくれるで」

「同居お願いします」

 シンデレラが見本のような美しい土下座をしました。
 自分のお家に帰るだけなのに土下座をしなければならないなんて、何て可哀そうなシンデレラ!!

「アンタがこんな展開にしたんでしょーが天の声(# ゚Д゚)!!」

 勝手に動く貴方たちが悪いんですよ。
 若干1名、次元の壁を超えるなんて裏技かます奴もいましたし。
 まぁ愛しの****君が助けてくれたから良いじゃ無いですか?

「うふう、****君来てくれたんだよね~♡」

 さぁ、シンデレラが自分の世界に浸っている間に解散です。
 皆さま、自分がいるべきところに戻って下さい。

「「「はーい」」」

 そしてシンデレラは父と義母と幸せに暮らしました。

 義姉1はその後、国王になる事が決まっている王弟に嫁ぎました。
 王妃としての勉強が大変だそうですが、休憩時間に王弟が差し入れしてくれる点心に舌鼓を打っているそうです。

 義姉2は魔法使いと親族だけの小さな結婚式を挙げて、魔法使いの助手として各国を旅しています。
 たまにシンデレラや義姉1に会いに来たりもしているそうです。
 こちらも魔法使いが作る食事にすっかり餌付けされています。
 餌付けされる血筋なのでしょうか?

 こうしてシンデレラは納得がいかないまでも最悪の事態を回避し、それなりに幸せに生きていくのでした。

 めでたしめでたし☆
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