皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか?

高井繭来

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その後

最年長シンデレラが行く!10 童話パロ

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 ランチビュッフェ食べに来た義姉1の前に広がる点心の山。
 義姉1は点心が大好物なのです。

「ん~これとシンデレラがどう繋がるか分からんけんど、美味しそうだから取り合えず頂きま~す♡」

 まずは、南国風のあま~い香りと美味しさが癖になる「マンゴージュース」で喉を潤し、最初に選んだ「海老の湯葉春巻」からいただく。

 「海老の湯葉春巻」
 きつね色に色づいた湯葉がカリッと揚がって香ばしい上に、ぷりっぷりな食感とジューシーな美味しさがたまらない海老、中央部分の柔らかで生っぽい食感が残る湯葉の風味がマッチ!
 下味も強めで、素のままでもおつまみ的なウマさがしっかりと楽しめる。
 カリッと揚がった表面の湯葉の食感のあとに、ジューシーでプリプリとした海老、中央の生っぽい食感を残した柔らかな湯葉がマッチしておつまみ的なウマさ!

 「海老とニラの蒸し餃子」
 具の海老やニラの姿がハッキリ見えるくらいに皮が透明感満点でスケスケ!
 透明感満点な皮は箸でつまんで持ち上げた瞬間から破けてしまう位に柔らかいのでレンゲを使って食べてみると、とろけるように柔らかな生地の中にジューシーかつプリッとした食感の海老、キリッとした香りが癖になるニラがたっぷりでこちらもウマイ!

 「大根餅」
 ヘルシーな美味しさに期待できる「大根餅」には、味付け用に真っ赤なソースがついてくるのがポイント!
 早速、「大根餅」にかぶりついてみると、柔らかくモチモチとした食感のあとに、大きくカットされたお肉がたっぷりでウマウマ!
 また、真っ赤なソースをつけて食べることで、刺激的な辛味がプラスされて思わずビールが欲しくなるウマさに大変身!

 「海老と黄ニラのチョンファン」
 パット見の印象は、具なしのチョンファンのように見えるくらいに地味な「海老と黄ニラのチョンファン」だが真っ白でツルッとした皮の中に、プリッとした食感の海老、柔らかなで優しい美味しさの黄ニラに、塩気がマイルドな醤油ダレがマッチしてナイスなウマさ!
 中には黄ニラと海老がたっぷり入っており、円やかな塩気が癖になる醤油との相性もバッチリ!

 「スペアリブの蒸しご飯」
 クライマックスに向けてお腹にドカン!と、たまりそうなご飯メニューの中で選んでみたのは、大きくカットされたスペアリブがたっぷり入った「スペアリブの蒸しご飯」。
 ご飯の上にたっぷり乗ったスペアリブは、骨以外はとろけるように柔らかく楽しめる上にオイリーな美味しさ満点で鬼ウマ!
 加えてツンと来る辛さの青唐辛子、適度な塩気と食欲をそそる風味が嬉しい醤油ダレがご飯にマッチしてガツガツ楽しめる。

 「ベイクド チャーシューバオ」
 見た目はまさに小さな「メロンパン」そのもの!
 「ベイクド チャーシューバオ」を割ってみると、中には荒みじん切りされたチャーシューがたっぷり!
 生地の中にたっぷり入ったチャーシューは甘じょっぱく味付けされており、サクサクとした食感とこってりとした甘味を帯びたメロンパン風の生地とマッチ!

 「ミルクフライ」
 最後はシメのスイーツ!
 ミルク餡に衣をつけて揚げたスイーツ天ぷらのような一品で、サクサクとした衣の中に柔らかな上に甘味を帯びたミルク餡たっぷり!
 思いのほかオイリーな衣と、ミルキーで甘いミルク餡がマッチして想像していたよりも美味しく満足! 

「はぁぁあ、美味しかったぁ♡」

 義姉1は蕩けた顔をしております。
 相当美味しかったようですね。
 すっかり舌が調教されています。
 舌の調教とは何ぞや、と?
 それは聞いちゃいけませんよ、世の中には知らない方が良い事もあるのです。
 それにしても恋人を自分の味で染め上げるって何かエロいですね、流石はイケオジ、女を自分好みに染める事に快楽を見出すエロスの塊!

 そんなイケオジが義姉1を前に登場しない訳が無いですよね?

「お嬢さん、そんなに美味しかったかい?」

「ふぇ、アムカさーじゃなくてシェフさん?」

「あぁここは俺がオーナーをしている店の1号店でね。本来は一見はお断りなんだけど誰から紹介を?」

「え、と、天の声さんから」

「あぁ、天の声か。良い仕事をしてくれた」

「シェフさん何か言った?」

「いいや、何でもない。それより店を辞める最後の日にお嬢さんのような可愛い人に食べに来てもらえて光栄だよ。とても美味しそうに食べてくれたしね、シェフ冥利に尽きる」

「えっ、この店閉めるん?勿体ないよシェフさん、こんな美味しいんに!」

「実家に戻らなくてはならなくなってね。もう料理を作るのは終わりかな?」

「そうなん?俺、もっとシェフさんのご飯食べたかったんよ………」

「毎日食べたいくらい美味しかった?」

「勿論ね!毎日食べても食べ飽きないくらい美味しかったんよ!」

「じゃぁ、毎日食べるかい?俺に付いて来て来るかな、お嬢さん?」

「ふぁ、耳、さわっちゃ、らめぇ…ついてく、シェフさん、に、ついていくんよぉ………」

「じゃぁ今日からはお嬢さんの食べ物は俺が作って、デザートにお嬢さんを俺が食べる事になるな」

「んん、耳、やぁ…俺、デザート……?」

「そう、たっぷり食べさせて貰うよ」

 耳元で吐息を吹きかけるように囁かれて義姉1が体をビクビクと震わせます。
 そしてシェフの腕に抱きかかえられ、義姉1はその日から姿を消したのでした。
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