皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか?

高井繭来

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その後

最年長シンデレラが行く! 童話パロ

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 あるところにとても美しいし女性が居ました。
 少女でなくて女性です。
 仕方ありません。
 このシンデレラと言う女性は最年長なのですから…。

「喧嘩売ってんのかしら天の声?」

 おっと最年長のシンデレラがどすの利いた声で天の声を責め立てます。
 このままず~~~~っと最年長を繰り返しても良いんですけどねぇ。
 寧ろシンデレラじゃなくて義理の姉にでも王子様と結ばれるようにしましょうか?
 童話パロですからね。
 話が逸れる事だって多々あるでしょう。

「女性で良いから最年長連呼しないで( ノД`)シクシク…」

 最初からそう言えば良いんですよ。
 天の声を舐めないで下さいよ。

「天の声ユラ姉ちゃんには厳しいなぁ」

 おっと貴方は継母なので姉ちゃん呼びは止めて下さいね。

「ほいほい、了解や」

 そして義理の姉のお2人もお願いしますよ。

「了解したよん♪」

「私、頑張ります!!」

 気合入ってますね、義理の姉2のリコリス王妃。

「お話の中するの初めてですから!」

 気楽にしてて良いですよ。
 その初々しさが貴方のウリですから。
 魔国はふしだらで溢れ返っていますからね…。
 特に義母と義姉1のお2人とか。

「ちょっと天の声、早くお話進めて頂戴!早く私に王子様を!!」

 必死ですねシンデレラ。
 個人的にはサンドリヨン呼びの方が好きなんですが、やっぱりシンデレラの方が分かりやすくて良いですよね。
 まぁ始めましょう。

 シンデレラと言う女性は優しい父と美しい母の元、幸せに暮らしていました。
 ですがある日シンデレラの運命は変わります。
 母が病で亡くなったのです。
 そして父は再婚をしました。
 ミヤハルと言う美しい少女でした。
 年齢?それは気にしたら負けです。

「年齢は気にしないけど私の父と母って誰?」

「ハルと結婚するのは私しかいないでしょう?なので私が父ですユラ様」

「エント君が父親役!?じゃぁ産みの母は!?」

 概念です。

「………概念て何?」

「私はハル以外とは結婚しませんから、実の母は概念ですユラ様」

「概念………」

 そうです概念です。
 もう飲み込んでください。
 話が進まないので。

「ま、まぁ良いわ。そしてこの後、父も」亡き母を追うように亡くなるのよね?」

「私はハルを置いて死ぬわけが無いでしょう?」

「それシンデレラ始まらなくないッ!?」

 ですよねー。
 なので父は新しい母と世界中を回る旅に出かけたのでした。
 そして姉たちのイビリが始まります。

「さらっと流したわね」

 原作に拘り過ぎては話が進みませんからね。
 前作2回で学んだんですよ天の声は。
 はい、義姉1・2、シンデレラを虐めて下さい!

「え~とシンデレラ、ご飯作って欲しいのねん♬」

「え~と、お洗濯お願いします!」

 人選間違えた………。
 人虐めるのに向いてないわこの2人………。

「まぁでも初めてしまったからこのキャスティングで行くしかないんじゃないの天の声?」

 まぁシンデレラの言う通りですね。
 ではせめてシンデレラの【復元】の能力は封印と言う事で。

「それじゃぁ料理手作り!?私カレーも作れないんだけどっ!!」

 ではこちらでインスタントを手配します。
 用意が出来るまで自力で頑張って下さい。
 そして義姉1・2,胃腸薬飲みながら頑張って下さいね。

「「???」」

 こうしてレトルトの用意が出来るまで義姉1・2はシンデレラのダークマター…否、手作り料理を食べる事になるのでした。
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