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その後

TS前提人魚姫『前編』 童話パロ

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 その日、とある王国の王子の誕生日パーティーが船上にて開かれていました。
 大きな船に上でご馳走を食べてお酒を飲んでみな心から楽しんでいます。
 その様子を水面から顔を出した人魚姫ーエントビースドは眺めていました。

「ちょっとモブがはしゃぎ好きではないか?予算は大丈夫なのだろうな?」

 宰相だけあって金の管理にうるさいですね。
 まぁそこもエントビースドの良い所です。
 本人は気付いていないけど天然の気がある魔王に財政を管理させたらとんでもない事になります。
 本日の予算は天の声が受け持つので心配をなさらずに。

「まぁそれなら良いだろう。それより嵐はまだか?」

 この人魚姫一々うるさいですね。
 小言が多いと嫌われますよ?

「ハルが私を嫌う筈が無いだろう?」

 あぁそうですか!
 良かったですねラブラブで!!
 どうせ天の声はバツ1子なしの中年喪女ですよ!!

「太っているが抜けてるぞ?」

 キィィィィッィィィィイィィッ!!
 本筋無視して王子とラブラブしたく無いんですね!
 宣戦布告と受け取りましたよ今の発言(# ゚Д゚)ゴルァ!!

「天の声は年の割には若く見えるな。世の中見る目のない男が多いものだ」

 てのひらクルクル返しましたね人魚姫。
 王子が誰か分かってるからこそ変わり身の早さですね。

「ハルが王子…美しいだろうな…………」

 そうそうウットリしといて下さい。
 一応今女なんですから淑やかにしといて下さいよ。
 人魚姫と言えば天真爛漫でいて健気な乙女なんですから。

「ハルの王子姿……………」

 聞いてないですね。
 まぁ良いでしょう。
 では展開を進めます。

 急に暗い雲が船の頭上に流れてきます。
 そしてとんでもない嵐が船を襲うのでした。
 船は転落し、王子も海に投げ出されました。

「ハル!今助けるぞ!!」

 人魚姫が凄まじいドルフィンキックで船の方へ向かいます。
 そして意識の無い(ふりをした)王子ミヤハルを抱きしめました。

「あぁ、男の姿のハルも美しい」

 早く砂浜に向かってくれないですか?

「そうだな、早く人工呼吸をしないとな」

 人魚姫にそんな場面在りましたっけ?
 王子もニヤリと笑ってますし。
 似たもの夫婦ですねぇ貴方達。
 まぁ人工呼吸くらいなら許しましょう。

「よし、浜辺に向かうぞ。しっかり私に摑まっていてくれハル」

 意識の無いはずのミヤハル王子がギュウ、と人魚姫に抱き着いたのは見ないふりをしましょう。

 天の声が力尽きました。
 次回中編にてお会いしましょう。
 それでは失礼いたします!!
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