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その後
青天の霹靂が身に降った思いだと後に彼女は答えた8
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それはシックスリーが20歳の迎えた日の事だった。
その日、ミヤハルはエントビースドからプロポーズをされた。
何故にこのタイミングなのか?
ミヤハルは首を捻った。
「えーと、何で今日?」
ミヤハルの口から出てきた言葉はその一言だった。
ミヤハルは11年前にエントビースドの告白を受け入れなかった。
大人になるエントビースドち子供のままのミヤハルでは何時かつり合いが取れなくなるから。
己の恋心を封印し、ミヤハルはエントビースドをふった。
「ミヤハル様が幼少期過ごされてた時代では20歳が成人なのだとユラ様に聞きました。ですから弟が成人したら私はコレからは自分のために生きようと決めました」
「何でソレがプロポーズになるん?」
「私が貴女を愛しているから」
「ウチ、これからも子供の体のままやで?」
「構わない」
「子供とか産まれへんで?」
「構わない」
「大人のエントと子供のウチじゃ並んでてアンバランスや思わん?」
「思いません」
「ウチ、エントを看取るのは嫌やで?」
「絶対に貴女より先に死にません」
「何で言い切れるん?」
「貴女が必要なことは全て教えてくれたから、力を与えてくれたから…私は貴方より1秒でも長く生きて見せます」
「ウチ、むっちゃ長生きやで。後何億年も生きると思うよ?」
「ずっと傍らに居ます、貴女は意外と寂しがりですから。だから私の手を取って下さい。貴女の横のその場所を、私に下さい」
「自分、あほやなぁ…ウチかてエントが好きや、でも自分の為思うて見ぃ引いたんに………」
「いつか私に恋人ができる前に、私の元から去る気だったとユラ様から聞きました」
「ユラ姉ちゃんギルティ……」
「逃げるなら追います、地の果てでも異世界でも、私は貴女を諦めない!だから、私の手を取って下さい。私を諦めないで下さい。私の全てはもうとっくに貴女のものなんですから…初めて会ったあの日から………」
「自分あほやなぁ…ウチ、独占欲強いで?」
「それは喜ばしい事ですね。だから、今貴女の涙を拭く権利を私に与えてくれませんか?」
「あほぉあほぉあほぉ…もう逃げられへんで?それでも良いんやな?」
「貴女が私に全てをくれるなら」
「じゃぁ自分も全部ウチに差し出すんやろな?」
「私の初めては全部貴女のためにとっていましたよ」
「数億年生きて恋愛してへんウチもあれやけど…男の身でよう性欲に引きられずに堪えたなぁ自分………」
「貴女の初めてが私の初めてでありたかった、私の初めては貴女に捧げたかった、ただそれだけです」
「青銀」
「青銀?」
「青銀色の宝石のエンゲージリング以外は貰う気あらへんからな」
顔を真っ赤にして、少し涙目のミヤハルがエントビースドを上目使いで見つめる。
青銀。
それはエントビースドの瞳の色。
(あぁようやく手に入れた…私の求め続けた愛しい人………)
ミヤハルの方へ延ばされたエントビースドの腕がその小さな体を閉じ込める。
「愛してます!必ず、貴女を幸せにして見せます!!」
(あぁ囚われてもうた…初恋は叶わんてうそなんやなぁ………)
だってミヤハルもエントビースドも互いの初恋を実らせた。
20年に及ぶ初恋を。
他の誰に目移りすることも無く。
月色の花が咲き乱れる丘の上、2人は誰も居ないそこで初めて唇を合わせたのであった。
その日、ミヤハルはエントビースドからプロポーズをされた。
何故にこのタイミングなのか?
ミヤハルは首を捻った。
「えーと、何で今日?」
ミヤハルの口から出てきた言葉はその一言だった。
ミヤハルは11年前にエントビースドの告白を受け入れなかった。
大人になるエントビースドち子供のままのミヤハルでは何時かつり合いが取れなくなるから。
己の恋心を封印し、ミヤハルはエントビースドをふった。
「ミヤハル様が幼少期過ごされてた時代では20歳が成人なのだとユラ様に聞きました。ですから弟が成人したら私はコレからは自分のために生きようと決めました」
「何でソレがプロポーズになるん?」
「私が貴女を愛しているから」
「ウチ、これからも子供の体のままやで?」
「構わない」
「子供とか産まれへんで?」
「構わない」
「大人のエントと子供のウチじゃ並んでてアンバランスや思わん?」
「思いません」
「ウチ、エントを看取るのは嫌やで?」
「絶対に貴女より先に死にません」
「何で言い切れるん?」
「貴女が必要なことは全て教えてくれたから、力を与えてくれたから…私は貴方より1秒でも長く生きて見せます」
「ウチ、むっちゃ長生きやで。後何億年も生きると思うよ?」
「ずっと傍らに居ます、貴女は意外と寂しがりですから。だから私の手を取って下さい。貴女の横のその場所を、私に下さい」
「自分、あほやなぁ…ウチかてエントが好きや、でも自分の為思うて見ぃ引いたんに………」
「いつか私に恋人ができる前に、私の元から去る気だったとユラ様から聞きました」
「ユラ姉ちゃんギルティ……」
「逃げるなら追います、地の果てでも異世界でも、私は貴女を諦めない!だから、私の手を取って下さい。私を諦めないで下さい。私の全てはもうとっくに貴女のものなんですから…初めて会ったあの日から………」
「自分あほやなぁ…ウチ、独占欲強いで?」
「それは喜ばしい事ですね。だから、今貴女の涙を拭く権利を私に与えてくれませんか?」
「あほぉあほぉあほぉ…もう逃げられへんで?それでも良いんやな?」
「貴女が私に全てをくれるなら」
「じゃぁ自分も全部ウチに差し出すんやろな?」
「私の初めては全部貴女のためにとっていましたよ」
「数億年生きて恋愛してへんウチもあれやけど…男の身でよう性欲に引きられずに堪えたなぁ自分………」
「貴女の初めてが私の初めてでありたかった、私の初めては貴女に捧げたかった、ただそれだけです」
「青銀」
「青銀?」
「青銀色の宝石のエンゲージリング以外は貰う気あらへんからな」
顔を真っ赤にして、少し涙目のミヤハルがエントビースドを上目使いで見つめる。
青銀。
それはエントビースドの瞳の色。
(あぁようやく手に入れた…私の求め続けた愛しい人………)
ミヤハルの方へ延ばされたエントビースドの腕がその小さな体を閉じ込める。
「愛してます!必ず、貴女を幸せにして見せます!!」
(あぁ囚われてもうた…初恋は叶わんてうそなんやなぁ………)
だってミヤハルもエントビースドも互いの初恋を実らせた。
20年に及ぶ初恋を。
他の誰に目移りすることも無く。
月色の花が咲き乱れる丘の上、2人は誰も居ないそこで初めて唇を合わせたのであった。
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