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その後
青天の霹靂が身に降った思いだと後に彼女は答えた4
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オウマには部屋を与えた。
この家の中では狭い部屋だがまぁ子供1人なら十分だろう。
そうミヤハルは考えた。
オウマはケンキに部屋を案内させる。
赤子はメイドのキュンジャに面倒を見るよう頼む。
キュンジャは子育てには慣れている。
彼女もミヤハルに育てられた子供だった。
オウマと同じ年の頃に拾われたスラム育ちだ。
たまたまミヤハルにスリをしようとして捕まえられた。
その手際の良さに気に入られて、引き取られることになったのだ。
世の中何が起こるか分からないことだらけである。
そしてキュンジャはスラムで子供だけの集団で暮らしていた。
年下の子供の面倒を見るのは慣れていた。
捨てられている赤ん坊を拾う事もあったので、赤子の世話も得意だ。
なので今回赤子の面倒をすべて任されている訳だ。
キュンジャの居た子供だけのグループは皆ミヤハルから仕事を斡旋されたり、養子縁組をして貰ったりして円満に解散した。
ミヤハルは気まぐれにスラムの子供をこうして面倒見るのだ。
スラム街でミヤハルの存在は有名だ。
特に子供の中では何時かミヤハルに助けてもらえるかも知れないと、それを希望に生きている者も居る。
あくまで気まぐれなので助けて貰える者は一部だが。
ちなみにミヤハルはスラムの大人は助けない。
切っ掛け位は求められたら与えるがそれだけだ。
腐ってスラムに逃げてくる者も居るのだ。
スラムも必要な場所であるのだ。
誰かしら問題を持っている者は少なくないのだから、逃げるところは必要だ。
それがスラムである者も居る。
まぁ代々、魔王がスラムの統治する時に炊き出しくらいはしてくれるので完全に飢える事はそうそう無い。
しない魔王もいるが、大体はしてくれる。
選挙制なのでスラムのものでも票はある。
取れる票を取りたいと思うのが権力者である。
そうして赤子はキュンジャが自室に連れて行った。
そして兄はミヤハルが部屋に連れ込んだ。
シンプルな部屋である。
見かけは子供だが実年齢は何億歳だ。
子供の様に玩具が溢れていたりはしない。
だが女らしい所もあるのか縫いぐるみがいくつか置いてある。
全て猫である。
釣り目が特徴的な猫。
”ニャチフィールド”の”ダニャン”と”ジニャン”だ。
ミヤハルのお気に入りのシリーズなのだ。
コレは穢してはいけない領域だ。
お腐れ様にだって腐ってない推しがあるのだ。
でも置き方が左右統一されている。
無意識だろうか?
無意識にカップリングを意識しているのかもしれない。
恐るべきは腐海の住人である。
そしてミヤハルは兄にダニャンの縫いぐるみを抱きしめさせた。
何時も弟を抱いていたからだろう。
手が寂しそうだったからだ。
そして縫いぐるみを抱きしめた兄をミヤハルが抱きしめた。
「!?」
「さぁ、ねんねしよかぁ」
抱っこしたままベッドにダイブする。
スプリングが子供2人分の体重を受け止める。
掛け布団はふんわり羽毛布団。
軽いのに温かい。
(やっぱり兄の方は子供やのに体温低いなぁ…でも、気持ちええ。やっぱり人肌は気持ちええなぁ………)
「お休み、ええ夢を」
チュッ、と後頭部に唇を落とした。
シャンプーの良い匂いがする。
自分と同じシャンプーなのに、やけに良い匂いに感じた。
それがミヤハルは不思議で、それでいて気分が良かった。
(コレが恋、てヤツなんやろなぁ…なんや、変な感じやわぁ………)
抱きしめた小さな体がすっぽりと腕に収まる。
抱き心地が縫いぐるみより良い。
肌も肌理細かくてすべすべだ。
栄養が足りてないだろうに体質だろうか?
肌の質も髪の質も悪くない。
何もかもがミヤハルの胸を温かくさせる。
そうして腕の中の存在を堪能しながら、ミヤハルは意識は落ちて行った。
兄の方は緊張で寝れなかったことに気付くこともなく、深い眠りについたのだった。
この家の中では狭い部屋だがまぁ子供1人なら十分だろう。
そうミヤハルは考えた。
オウマはケンキに部屋を案内させる。
赤子はメイドのキュンジャに面倒を見るよう頼む。
キュンジャは子育てには慣れている。
彼女もミヤハルに育てられた子供だった。
オウマと同じ年の頃に拾われたスラム育ちだ。
たまたまミヤハルにスリをしようとして捕まえられた。
その手際の良さに気に入られて、引き取られることになったのだ。
世の中何が起こるか分からないことだらけである。
そしてキュンジャはスラムで子供だけの集団で暮らしていた。
年下の子供の面倒を見るのは慣れていた。
捨てられている赤ん坊を拾う事もあったので、赤子の世話も得意だ。
なので今回赤子の面倒をすべて任されている訳だ。
キュンジャの居た子供だけのグループは皆ミヤハルから仕事を斡旋されたり、養子縁組をして貰ったりして円満に解散した。
ミヤハルは気まぐれにスラムの子供をこうして面倒見るのだ。
スラム街でミヤハルの存在は有名だ。
特に子供の中では何時かミヤハルに助けてもらえるかも知れないと、それを希望に生きている者も居る。
あくまで気まぐれなので助けて貰える者は一部だが。
ちなみにミヤハルはスラムの大人は助けない。
切っ掛け位は求められたら与えるがそれだけだ。
腐ってスラムに逃げてくる者も居るのだ。
スラムも必要な場所であるのだ。
誰かしら問題を持っている者は少なくないのだから、逃げるところは必要だ。
それがスラムである者も居る。
まぁ代々、魔王がスラムの統治する時に炊き出しくらいはしてくれるので完全に飢える事はそうそう無い。
しない魔王もいるが、大体はしてくれる。
選挙制なのでスラムのものでも票はある。
取れる票を取りたいと思うのが権力者である。
そうして赤子はキュンジャが自室に連れて行った。
そして兄はミヤハルが部屋に連れ込んだ。
シンプルな部屋である。
見かけは子供だが実年齢は何億歳だ。
子供の様に玩具が溢れていたりはしない。
だが女らしい所もあるのか縫いぐるみがいくつか置いてある。
全て猫である。
釣り目が特徴的な猫。
”ニャチフィールド”の”ダニャン”と”ジニャン”だ。
ミヤハルのお気に入りのシリーズなのだ。
コレは穢してはいけない領域だ。
お腐れ様にだって腐ってない推しがあるのだ。
でも置き方が左右統一されている。
無意識だろうか?
無意識にカップリングを意識しているのかもしれない。
恐るべきは腐海の住人である。
そしてミヤハルは兄にダニャンの縫いぐるみを抱きしめさせた。
何時も弟を抱いていたからだろう。
手が寂しそうだったからだ。
そして縫いぐるみを抱きしめた兄をミヤハルが抱きしめた。
「!?」
「さぁ、ねんねしよかぁ」
抱っこしたままベッドにダイブする。
スプリングが子供2人分の体重を受け止める。
掛け布団はふんわり羽毛布団。
軽いのに温かい。
(やっぱり兄の方は子供やのに体温低いなぁ…でも、気持ちええ。やっぱり人肌は気持ちええなぁ………)
「お休み、ええ夢を」
チュッ、と後頭部に唇を落とした。
シャンプーの良い匂いがする。
自分と同じシャンプーなのに、やけに良い匂いに感じた。
それがミヤハルは不思議で、それでいて気分が良かった。
(コレが恋、てヤツなんやろなぁ…なんや、変な感じやわぁ………)
抱きしめた小さな体がすっぽりと腕に収まる。
抱き心地が縫いぐるみより良い。
肌も肌理細かくてすべすべだ。
栄養が足りてないだろうに体質だろうか?
肌の質も髪の質も悪くない。
何もかもがミヤハルの胸を温かくさせる。
そうして腕の中の存在を堪能しながら、ミヤハルは意識は落ちて行った。
兄の方は緊張で寝れなかったことに気付くこともなく、深い眠りについたのだった。
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