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その後

国母が乱心してきている事案について7 ※魔王視点2

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「姉上、よくもリコリスに余計な知恵を吹き込みましたね…」

 目の前で兄の膝の上に座りショートケーキを食べさせて貰っている義姉に恨みごとを言う。

「おん、何でウチが余計な知恵吹き込んだなんて思うんや?」

「我にナイトブラを勧めるなんて姉上以外に居る訳ないでしょう!」

 そうあの時の我の絶望…。
 愛する伴侶にナイトブラをつけてくれと言われた時の、谷底に突き落とされたようなショック。
 リコリス…もう男の我では満足できぬのか………。

「あ~暗いなぁ、ジメジメするからオウマにでも愚痴聞いてもらい」

 さり気にオウマに責任転嫁するあたりが義姉である。
 オウマはこの件ではそんなに問題は起こしていないはずだ。
 いや、TSする時は自分もすると言っていたらしいからお仕置き対象か?
 と言うかリコリス…この問題をあまり広げないで欲しい。
 我が不能などと言う噂でもたったらどうしてくれるのだ?
 まぁその時はお仕置きと称して抱きつぶすつもりだが。

「魔王、ハルが嫌がっている。自室に帰れ」

「ここは我のサロンです兄上!」

 何故我が我のサロンから放り出さなければならぬのか?
 兄は義姉がかかわると弟の我にでも容赦がなくなる。
 兄弟愛も恋愛の情には敵わぬと言いう事か?
 確かに我とてリコリスのためなら兄に刃を向けることを躊躇しないが。

「ええやん、女になったりぃな魔王。あの年頃の女の子は同性に惹かれることもあるもんや。はしかみたいなもんやで?ある程度納得したらすぐ元に戻るさかいに。取り合えず一晩付き合ってあげぇな」

「絶対嫌です!」

「そんなに気にしとるんか貧乳?」

「ユラ様より貧乳何て!恥ずかしくてリコリスに肌を見せれる訳ないでしょう!」

「自分何気にユラ姉ちゃんディスっとるで…ちなみにユラ姉ちゃんは神話時代なら平均的な乳の大きさや………」

「子供の姉上より格段に小さいではないですか」

「ウチが特別性や。取り合えず今の発言は聞かんかったことにしたるさかいに、ユラ姉ちゃんには絶対言うたらアカンでぇ」

 まぁ義姉は確かに幼いわりに胸が大きいが。
 古代種の平均的な大きさではなかったのか…。
 ずっとユラ様は物凄い貧乳だと思っていたのだが、失礼なことをしたな。

「ま~お~う~く~ん~♪」

 ゾゾゾゾ、と背中に悪寒が走った。
 この声は、ユラ様………。
 まずい、話を聞かれ―――――

「一緒に少しお話しましょうねぇ~♪」

 語尾の音符が怖い。
 口調は優しげなのに声は地を這うように低い。

「あ、姉上……兄上…………」

 兄上が首を横に振った。
 姉上は笑顔で手を振っている。

「頑張りなぁ魔王」

「裏切者ぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉっぉおぉぉ!!」

 その細腕のどこにその力があるのか?
 我はこうしてユラ様に引きずられて行った。
 その後?
 言うのも恐ろしい…。
 しばらくはその話は聞かないでくれ………。

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