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その後
チビリコリスと一緒10
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「リコリスちゃん、今日はユラ姉ちゃんと一緒にねんねしてなぁ」
猫耳尻尾を生やしたミヤハルが言った。
「ミヤハルおねーさんとはいっしょにねれない、ですか?」
「おん、ごめんなぁリコリスちゃん。大人の事情ってやつなんやわ」
幼いリコリスに何を言っているのだろうこの古代種は。
だがミヤハルがそう言うのも無理が無い。
背中に感じる視線が痛い。
痛いくらい熱の籠った視線を感じる。
自業自得である。
弟である魔王が猫耳尻尾リコリスを所望したのだ。
その兄のエントビースドが猫耳尻尾のミヤハルに興奮しない訳が無かった。
だが何処から誰が見ても無表情である。
相変わらず表情筋が死んでいる。
それでも付き合いが長い者なら分かる。
間違いなくエントビースドはミヤハルに欲情している。
勘弁して欲しいとミヤハルは思った。
たしかにそう言う悪戯を仕掛けた自覚はある。
だが食事中からずっとこの目で見つめ続けられているのだ。
今夜は寝れないだろう。
ミヤハルは己の迂闊さを呪った。
しかしまさかこれ程反応するとは…。
(まぁマンネリ防止に良いかなぁ、にしてもエントがこんなに反応するの数百年ぶりやない?ヤバない?ウチ明日ちゃんと起きれるやろか?)
何とも幸せな悩みである。
今夜魔王は1人で枕を血涙で濡らして寝ると言うのに。
「ハル、今日は一緒に入浴もしよう」
「あ、寝られへんコース確定やなこれ…」
自業自得ながらも、ミヤハルはその夜はエントと仲良く、それはもう仲良く夜を過ごしたらしい。
:::
「ミヤハルおねーさんはエントさんとねるんですね。ユラおねーさんはいっしょにねる人はいないんですか?」
「グッ…」
ユラが床に膝をついた。
子供の無邪気な質問の破壊力が凄まじい。
「私はね、寝る相手が居ないんじゃなくて1人で寝たいだけなの。寝る相手が居ないんじゃないの。1人寝が好きなだけなのよ!!」
何故か血涙を流してユラがリコリスに説明をしていた。
邸の使用人たちはそ、と目をそらした。
誰しも見ないふりをしなければいけない時もあるのだ。
そして今がその時だった。
「じゃぁ、だれにもじゃまされなくユラおねーさんとねれますね。わたし、うれしいです!」
「リコリスちゃん…」
愛らしい幼児に言われてユラは感動の涙が溢れそうだった。
溢れそうだったのだが。
「えへへ、おかあさんとねるのって、こんなかんじなのでしょうか?」
「ガフッ」
ユラに見えないボディブローが入った。
おかあさん…。
お母さん………。
母親(ははおや)とは、女親のことである[1]。
お母さんと一般には言い、親しみをこめて「かあさん」・「かあちゃん」・「お袋」(おふくろ)などと呼ばれる場合もある。「母」という漢字の成り立ちは「女」に2つの乳房を加えた象形文字であり、子への哺乳者、授乳者であることを意味する。 お母さんという呼称を使う場面は、
①子が母親に呼びかけるとき
②母親が子に対して自分のことを指して言うとき
③夫が妻を言うときに子の母親として言うとき
④会話で他人の母親に言及する場合。「~のお母さん」
にも用いられる。2, 3の場合は、話者が子の立場に自らを擬して言うという特徴がある。4の場合はおば(いとこのお母さん)やいとこおば(はとこのお母さん)など傍系尊属にあたる女性を指す場合もある。
母親どころか、ユラは子作りの経験がない。
むしろキスの経験すらない。
コミュ障を拗らせた腐海の住民なのだ。
いかに原稿用紙に過激な男同士の絡みを描いていようとも、ユラは真っ新な綺麗な体なのである。
「ユラお姉ちゃんと一緒に寝よ~ね~」
「はい、ユラおねーさん!」
今夜血涙で枕を濡らすのは魔王だけでは無いかも知れない………。
猫耳尻尾を生やしたミヤハルが言った。
「ミヤハルおねーさんとはいっしょにねれない、ですか?」
「おん、ごめんなぁリコリスちゃん。大人の事情ってやつなんやわ」
幼いリコリスに何を言っているのだろうこの古代種は。
だがミヤハルがそう言うのも無理が無い。
背中に感じる視線が痛い。
痛いくらい熱の籠った視線を感じる。
自業自得である。
弟である魔王が猫耳尻尾リコリスを所望したのだ。
その兄のエントビースドが猫耳尻尾のミヤハルに興奮しない訳が無かった。
だが何処から誰が見ても無表情である。
相変わらず表情筋が死んでいる。
それでも付き合いが長い者なら分かる。
間違いなくエントビースドはミヤハルに欲情している。
勘弁して欲しいとミヤハルは思った。
たしかにそう言う悪戯を仕掛けた自覚はある。
だが食事中からずっとこの目で見つめ続けられているのだ。
今夜は寝れないだろう。
ミヤハルは己の迂闊さを呪った。
しかしまさかこれ程反応するとは…。
(まぁマンネリ防止に良いかなぁ、にしてもエントがこんなに反応するの数百年ぶりやない?ヤバない?ウチ明日ちゃんと起きれるやろか?)
何とも幸せな悩みである。
今夜魔王は1人で枕を血涙で濡らして寝ると言うのに。
「ハル、今日は一緒に入浴もしよう」
「あ、寝られへんコース確定やなこれ…」
自業自得ながらも、ミヤハルはその夜はエントと仲良く、それはもう仲良く夜を過ごしたらしい。
:::
「ミヤハルおねーさんはエントさんとねるんですね。ユラおねーさんはいっしょにねる人はいないんですか?」
「グッ…」
ユラが床に膝をついた。
子供の無邪気な質問の破壊力が凄まじい。
「私はね、寝る相手が居ないんじゃなくて1人で寝たいだけなの。寝る相手が居ないんじゃないの。1人寝が好きなだけなのよ!!」
何故か血涙を流してユラがリコリスに説明をしていた。
邸の使用人たちはそ、と目をそらした。
誰しも見ないふりをしなければいけない時もあるのだ。
そして今がその時だった。
「じゃぁ、だれにもじゃまされなくユラおねーさんとねれますね。わたし、うれしいです!」
「リコリスちゃん…」
愛らしい幼児に言われてユラは感動の涙が溢れそうだった。
溢れそうだったのだが。
「えへへ、おかあさんとねるのって、こんなかんじなのでしょうか?」
「ガフッ」
ユラに見えないボディブローが入った。
おかあさん…。
お母さん………。
母親(ははおや)とは、女親のことである[1]。
お母さんと一般には言い、親しみをこめて「かあさん」・「かあちゃん」・「お袋」(おふくろ)などと呼ばれる場合もある。「母」という漢字の成り立ちは「女」に2つの乳房を加えた象形文字であり、子への哺乳者、授乳者であることを意味する。 お母さんという呼称を使う場面は、
①子が母親に呼びかけるとき
②母親が子に対して自分のことを指して言うとき
③夫が妻を言うときに子の母親として言うとき
④会話で他人の母親に言及する場合。「~のお母さん」
にも用いられる。2, 3の場合は、話者が子の立場に自らを擬して言うという特徴がある。4の場合はおば(いとこのお母さん)やいとこおば(はとこのお母さん)など傍系尊属にあたる女性を指す場合もある。
母親どころか、ユラは子作りの経験がない。
むしろキスの経験すらない。
コミュ障を拗らせた腐海の住民なのだ。
いかに原稿用紙に過激な男同士の絡みを描いていようとも、ユラは真っ新な綺麗な体なのである。
「ユラお姉ちゃんと一緒に寝よ~ね~」
「はい、ユラおねーさん!」
今夜血涙で枕を濡らすのは魔王だけでは無いかも知れない………。
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