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その後

チビ魔王と一緒11

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「おっは~王妃さん。お互い寒い眠りだったね!」

「おはようございますオウマさん。えぇ、それは寒い眠りでした…視覚が生きていたから魔王の寝姿は堪能しましたが」

「何それズリーねん!俺なんか氷塊の上エントと2人部屋よ?むさいったらありゃしねーの」

「夜這いしに行きかねないからな」

「「ヒィッ!」」

 冷たい声が聞こえてきました。
 しかも感情の読み取りにくい青銀の瞳に剣呑な光が宿っていて怖いです。
 いきなり現れないで下さいエントビースドさん!
 何かすっかり私もオウマさん寄りの扱い何ですね…。
 ちょっとショックです。

「リコおねえちゃん、おはよぅ~」

 ま、魔王…その長い耳は何ですか?
 可愛い…そう可愛すぎます………。
 真っ白な着ぐるみ幼児着、ウサギさんヴァージョンですか!?
 お耳が顔の横でふるふる動いて可愛いです。
 チビ魔王が動くたびに動く長いミミ。
 は、鼻血をぐっと堪えました。
 耐えた。
 私偉い!!!

「朝食はビュッフェスタイルなんやな」

 ミヤハルさん…浴衣が反則的にエロいです………。
 そりゃエントビースドさんもオウマさんを氷塊にしますよ。
 私も億年生きたらあんな色気が身につくのでしょうか?

「おはよー」

 ユラさんも浴衣です。
 似合いますね。
 でもその浴衣姿を見て思いました。
 億年生きたからと言って色気が身につく訳ではないのだと。

「リコリスちゃん、後で2人で仲良くガールズトークしましょうかぁ?」

 ヒッ、ユラさんの笑顔が怖いです。
 もしかして私口に出してました!?

「億年生きたから色気が身につく訳じゃないのとこだけやで」

 それ完全に地雷じゃないですか!
 せめて「ユラさん浴衣似合いますね」を口にしたかったです( ノД`)シクシク…

「ほら魔王、歩きまわったら危ないで~」

 ヒョイ、とミヤハルさんがチビ魔王を抱きかかえました。
 そして私は見てしまいました。
 ぷりぷりお尻に白い丸の尻尾。

 (  ゚Д゚)∴グハッ

「リコおねえちゃん、また血がでたの~!」

 あぁチビ魔王が泣いております。
 泣き顔迄愛らしい。
 こんな死に方も良いかも知れませんね…。

「起きたら魔王にあーん権」

「復活しました!」

 エントビースドさん、そんな残念な物見る目をしないで下さい……。

 こうして私は魔王のお口に食べ物を運ばせて頂くと言う、最高の仕事をすることが出来たのでした。
 あ、今回は凍らされていないのであしからず!
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