皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか？

その後

【番外】オウマside２０

　シックスリ―も１３歳になったら魔術の部門と剣術の部門両方に出るようになったよ。
　結果は魔術部門２位。
　剣術部門３位ね。

　え、魔王より誰が強かったかって？

　勿論俺とエントだよ。
　エントは剣術でも２位が取れる位、剣技極めたの。
　恋の力は凄いね。
　ミヤハル様に誰よりも必要とされたいからエントも必死必死。

　ま、でも剣術では俺とエントじゃ越えられない壁があるから。
　常勝は逃す事はないよ。
　伊達に今騎士団長してる訳じゃないのよ。
　俺の剣の腕、王妃さんも知ってるでしょ？

　え、寝れなかった？
　そう言えば王妃さん《剣神》の仕事で寝れてなかったんだっけ。
　その節は御免ね。
　知ってたら襲撃２日に１回から５日に１回くらいにしたんだけどな。
　あんまり変わらない？
　俺に取ったら凄い譲歩よ？
　王妃さん会うたびに強くなるから手合わせが楽しかったんだよね～♪
　いつか魔王レベルにはなるんじゃない？
　剣術限定だけど。

　想像がつかない？
　まぁ闘いの日々が終わって平和慣れしたらそうもなるかな。
　王妃さんは仕事で戦っていただけでバトルジャンキーじゃないもんね。
　え、剣術に興味出て来た？

　あ～ミヤハル様に興味抱いたのね。
　確かにこんだけバケモノ扱いしてるとミヤハル様の実力気になるよね～。
　でも止めた方が良いよ。
　剣を持つことも出来なくなりかねないから。
　それくらいミヤハル様強いから。

　え、この頃には俺が２１歳でエントが１６歳。

　さすがにミヤハル様と並んでいるのを見ても、もう兄妹くらいにしか見えない。
　ミヤハル様は外見どんなに綺麗でも子供だからね。
　逆にエントは成長期。
　せもぐんぐん伸びて視線を合わせるのもミヤハル様が首を上げないと無理。
　流石にエントも焦っていたよ。
　成長を促す魔術と成長を止める魔術を開発する位に。

　でも結局むりだった。
　
　魔術の術式構築は問題なかったよ。
　ただミヤハル様の”古代種”て言う呪いがエントの魔術を阻んだ。
　そしてミヤハル様はエントが成長を止める事を阻止した。
　成長を止めると魔力の成長まで止まるからね。
　まだまだ強くなって欲しいエントの成長止める気にはならなかったみたいだね。

　ま、その辺りは２人から詳しく話聞いてないから知らないけど。

　どしてどんどん年が過ぎて、約束の１０年がたったんだ。
　エントが２３歳。
　ミヤハル様は相変わらずの１２歳の姿。

　何がどうなったか分からないけどエントはミヤハル様の心を射止めたんだ。

　何をしたか俺もしらないよ？
　その辺は２人しか知らないと思う。
　シックスリ―も詳しくは知らないんじゃないかな？

　でも俺は忘れられないんだ。
　眼を赤くしたミヤハル様がエントと手を握りあい家に帰ってきた日。
　エントてばミヤハル様泣かせちゃったんだね。
　どんだけ情熱的な言葉を紡いだのか。
　でも俺もシックスリ―も使用人の皆も喜んだよ。

　エントが１０年ミヤハル様の事諦めていないの知ったから。
　
　気付いてなかったのはミヤハル様だけ。
　長生きしすぎてその辺の感覚が俺たちと違うのかもね？

　２人の話が気になる？
　実は俺もきになるんだよね。

　だからさ～王妃様、美味い事ミヤハル様から聞き出してよ。
　ミヤハル様は王妃さんには甘いからさ。
　魔王を出しにソレが目当てだったかって？
　需要と供給は大切でしょ。
　でもシックスリ―の子供の頃の話で美味しい思いしたでしょ。
　だから俺に教えてくれると嬉しいな。

　今は俺は家出てるし、王宮ですんでる騎士団長。
　家族、と言うには昔より遠い気がするんだよね。
　だから家族の王妃さんに聞いて欲しいの。

　俺も家族？
　ありがと王妃さん。
　皆もそう思ってくれてたら嬉しいな。

　はい、昔話は今日でおしまい。

　長々付き合ってくれて有難うね。
　また何か聞きたい事あったら気軽に声かけてね。
　ここまで付き合ってくれた方ありがとう。
　また機会があったらよろしくね(^^♪