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その後
【番外】オウマside15
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「ミヤハル様って意外と小さいですよね?」
ミヤハル様に買われて5年。
俺の肉体年齢は13歳。
未だ成長中。
でもミヤハル様の身長は変わらない。
魅力的な体つきだとは思うけどね?
顔だって超美形だし。
でも子供、なんだよなぁ…?
なのでズバッ、と聞いてみた。
「あぁウチは魔族ちゃうからなぁ」
予想外の答えが返って来た。
「はい?」
「ウチは正真正銘真人間やで?特に隔世遺伝とかもしてへんし」
いやいやいやいや。
普通の人間はこんな瘴気の濃い所で暮らせないでしょ!?
つーかミヤハル様はケンキさん拾ったのが15万年前て聞いてるよ?
どうかんがえても15万歳以上。
人間じゃないと思うんだけど……。
「まぁ人間でも特殊な部類やな。古代種、て聞いた事あるかぁ?」
「ないです」
「まぁマイナーな種族やからな。数も少ないし。ウチはその世界に2桁居るか居ないかの古代種の1人や」
「コダイシュって何ですか?」
「ん~スケールの大きい話んなんで。数億年前な、いわゆる神話時代にある日突然に世界の崩落が起きてんよ。地震やったり雷やったり火事やったりおやじやったり」
オヤジは何か違う気がする………。
「んで、その時に生存本能が強い人間が生きるために何らかの力に覚醒した。そして崩落した世界で生き延びた。それが今日まで生き延びてる。コレが古代種な」
「え、ミヤハル様何歳………?」
「5億年超えたあたりで数えるの止めたで。今度ユラ姉ちゃんにでも聞いてみようかぁ」
「あのお姉さんも数億年生きてるんすか!?」
「肉体年齢が22歳やからウチより10歳年上やな。古代種は能力が目覚めた瞬間に新しい人類へと進化を遂げた代わりに肉体の成長がそこで止まってるんよ。だからウチは何億年も12歳のままや」
ニッ、とミヤハル様が笑った。
でも何か寂しそうだ。
エントビーストがミヤハル様の腕にギュッ、としがみ付いた。
「じゃぁミヤハル様は俺より長生き?俺が死んだ後も生きてるの?」
「まぁそうやろな。そうやって大勢の命見送って来た訳やし」
「俺、自分が死んだ後にミヤハル様が1人で生きてるの辛いです。でも俺以外が傍に居るのも辛いです」
おや、エントビースドの様子が?
これって間違いなく独占欲の1つだよね?
8歳にもなったらそう言う気持ちも芽生え始めるか。
ちなみに俺の初恋は良く行く青果店の看板娘さん。
10歳の時に告白して見事にフラれたよ。
高給取りになっても相手いなかったら迎えに来てね~、だって。
なので俺は高給取りになるべく鍛えとる次第な訳でっす!
「おねぇーちゃ、さみしくなーい?」
「何やシックスリ―、いっちょ前に心配してくれ取るんか?優しいええ子やなぁ」
なでなでとミヤハル様がシックスリ―の頭を撫でる。
アレ気持ち良いんだよな。
数億年生きてれば人を撫でるの1つでもとんでもない技術になるんだね。
ふにゃ~、て体の力が抜けるのよ。
実際今シックスリ―の体の力が抜けて垂れパ〇ダみたいになってる。
あ、垂れ〇ンダ知ってる?
書き手が学生の頃に流行ったキャラね。
若い子はお母さんに聞いてみて。
同じく嵌っていた人は書き手と同年代だよ!
あ、ゴメン。
メタ発言メンゴ(。-人-。) ゴメンネ
でも確かにシックスリ―の言う通りミヤハル様の目がどこか遠くを見てるような、何か目の前の俺たちじゃなくて別のものを見てるような目になってる。
昔の知人たちを思い出した?
自分を置いて死んでいった人たちを思い出してるの?
もう会えないのに。
それは凄く寂しいことじゃ無いだろうか?
好きな人にも置いて行かれるんだよね?
ミヤハル様、今までどれくらいの人を見送ったんだろう?
聞かない方が良かった、て俺は思ってしまった。
「ミヤハル様、今目の前に居るのは俺です」
エントビースドが強い声で言った。
そうだ。
今ミヤハル様と一緒に居るのは俺たち。
置いて行った人たちじゃない。
だから過去の人じゃなくて俺たちを見て欲しい。
「そうやな、自分らがおるから寂しないな」
ふわり、と花が綻ぶ様にミヤハル様が笑った。
何時ものニッコリ笑顔じゃない。
本当に、心から嬉しそうに笑ったんだ。
思わず俺もその笑顔に見とれてしまった。
そんな笑い方が出来たんだ。
5年も一緒にいて知らなかった。
そして、この笑顔を引き出したのはエントビースドなんだ。
聞かなきゃよかったと思った俺と、聞いた上で今一緒に居るのが自分だと宣言したエントビースド。
何かミヤハル様に向けてる好意のベクトルが全く違うんだと分からさせられた。
エントビースドは本気でミヤハル様が好きなんだ。
幼いけど、ちゃんと恋してるんだ。
子供だからって馬鹿に出来るものじゃなかった。
まだ自覚もして無いんだろうけど、きっとエントビースドは何時かミヤハル様の心の内側にも入っていける。
だってあの笑顔を引き出せたのだから。
いつかエントビースドが気持ちに気付いて、大人になって見た目の年齢が逆転しても。
エントビースドの心が変わらずに2人が結ばれれば良いな、て思った。
今日はココまでね。
何時も呼んでくれる人ありがとうね。
次辺りからエントとシックスリーの修行も始まるよ。
2人は確実に高位魔族だから魔力量俺よりはるかに高いだろうし、俺も抜かされないよう頑張らなきゃね。
じゃぁまた次のお話でね~(^^♪
ミヤハル様に買われて5年。
俺の肉体年齢は13歳。
未だ成長中。
でもミヤハル様の身長は変わらない。
魅力的な体つきだとは思うけどね?
顔だって超美形だし。
でも子供、なんだよなぁ…?
なのでズバッ、と聞いてみた。
「あぁウチは魔族ちゃうからなぁ」
予想外の答えが返って来た。
「はい?」
「ウチは正真正銘真人間やで?特に隔世遺伝とかもしてへんし」
いやいやいやいや。
普通の人間はこんな瘴気の濃い所で暮らせないでしょ!?
つーかミヤハル様はケンキさん拾ったのが15万年前て聞いてるよ?
どうかんがえても15万歳以上。
人間じゃないと思うんだけど……。
「まぁ人間でも特殊な部類やな。古代種、て聞いた事あるかぁ?」
「ないです」
「まぁマイナーな種族やからな。数も少ないし。ウチはその世界に2桁居るか居ないかの古代種の1人や」
「コダイシュって何ですか?」
「ん~スケールの大きい話んなんで。数億年前な、いわゆる神話時代にある日突然に世界の崩落が起きてんよ。地震やったり雷やったり火事やったりおやじやったり」
オヤジは何か違う気がする………。
「んで、その時に生存本能が強い人間が生きるために何らかの力に覚醒した。そして崩落した世界で生き延びた。それが今日まで生き延びてる。コレが古代種な」
「え、ミヤハル様何歳………?」
「5億年超えたあたりで数えるの止めたで。今度ユラ姉ちゃんにでも聞いてみようかぁ」
「あのお姉さんも数億年生きてるんすか!?」
「肉体年齢が22歳やからウチより10歳年上やな。古代種は能力が目覚めた瞬間に新しい人類へと進化を遂げた代わりに肉体の成長がそこで止まってるんよ。だからウチは何億年も12歳のままや」
ニッ、とミヤハル様が笑った。
でも何か寂しそうだ。
エントビーストがミヤハル様の腕にギュッ、としがみ付いた。
「じゃぁミヤハル様は俺より長生き?俺が死んだ後も生きてるの?」
「まぁそうやろな。そうやって大勢の命見送って来た訳やし」
「俺、自分が死んだ後にミヤハル様が1人で生きてるの辛いです。でも俺以外が傍に居るのも辛いです」
おや、エントビースドの様子が?
これって間違いなく独占欲の1つだよね?
8歳にもなったらそう言う気持ちも芽生え始めるか。
ちなみに俺の初恋は良く行く青果店の看板娘さん。
10歳の時に告白して見事にフラれたよ。
高給取りになっても相手いなかったら迎えに来てね~、だって。
なので俺は高給取りになるべく鍛えとる次第な訳でっす!
「おねぇーちゃ、さみしくなーい?」
「何やシックスリ―、いっちょ前に心配してくれ取るんか?優しいええ子やなぁ」
なでなでとミヤハル様がシックスリ―の頭を撫でる。
アレ気持ち良いんだよな。
数億年生きてれば人を撫でるの1つでもとんでもない技術になるんだね。
ふにゃ~、て体の力が抜けるのよ。
実際今シックスリ―の体の力が抜けて垂れパ〇ダみたいになってる。
あ、垂れ〇ンダ知ってる?
書き手が学生の頃に流行ったキャラね。
若い子はお母さんに聞いてみて。
同じく嵌っていた人は書き手と同年代だよ!
あ、ゴメン。
メタ発言メンゴ(。-人-。) ゴメンネ
でも確かにシックスリ―の言う通りミヤハル様の目がどこか遠くを見てるような、何か目の前の俺たちじゃなくて別のものを見てるような目になってる。
昔の知人たちを思い出した?
自分を置いて死んでいった人たちを思い出してるの?
もう会えないのに。
それは凄く寂しいことじゃ無いだろうか?
好きな人にも置いて行かれるんだよね?
ミヤハル様、今までどれくらいの人を見送ったんだろう?
聞かない方が良かった、て俺は思ってしまった。
「ミヤハル様、今目の前に居るのは俺です」
エントビースドが強い声で言った。
そうだ。
今ミヤハル様と一緒に居るのは俺たち。
置いて行った人たちじゃない。
だから過去の人じゃなくて俺たちを見て欲しい。
「そうやな、自分らがおるから寂しないな」
ふわり、と花が綻ぶ様にミヤハル様が笑った。
何時ものニッコリ笑顔じゃない。
本当に、心から嬉しそうに笑ったんだ。
思わず俺もその笑顔に見とれてしまった。
そんな笑い方が出来たんだ。
5年も一緒にいて知らなかった。
そして、この笑顔を引き出したのはエントビースドなんだ。
聞かなきゃよかったと思った俺と、聞いた上で今一緒に居るのが自分だと宣言したエントビースド。
何かミヤハル様に向けてる好意のベクトルが全く違うんだと分からさせられた。
エントビースドは本気でミヤハル様が好きなんだ。
幼いけど、ちゃんと恋してるんだ。
子供だからって馬鹿に出来るものじゃなかった。
まだ自覚もして無いんだろうけど、きっとエントビースドは何時かミヤハル様の心の内側にも入っていける。
だってあの笑顔を引き出せたのだから。
いつかエントビースドが気持ちに気付いて、大人になって見た目の年齢が逆転しても。
エントビースドの心が変わらずに2人が結ばれれば良いな、て思った。
今日はココまでね。
何時も呼んでくれる人ありがとうね。
次辺りからエントとシックスリーの修行も始まるよ。
2人は確実に高位魔族だから魔力量俺よりはるかに高いだろうし、俺も抜かされないよう頑張らなきゃね。
じゃぁまた次のお話でね~(^^♪
応援ありがとうございます!
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