皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか？

その後

【番外】オウマside１１

　勉学の後はお昼の時間だよ。

　〇本日の昼食メニュー
　　・レタス炒飯
　　・麻婆豆腐
　　・エビのマヨネーズ和え
　　・焼き餃子
　　・杏仁豆腐
　　・胡麻団子

　俺が見た事も聞いた事もない料理がズラッ、とテーブルに並んでいた。
　見たこと無いけどやたら食欲そそる良い匂いだ。
　ゴクリと唾を飲みこむ。

「はいはい、皆席着きや。ほら、エントはウチの膝の上な」

　ひょい、とミヤハル様が兄を膝の上に乗せる。
　兄の身長ではテーブルが高すぎるのだ。
　兄の方は何処か困惑した顔。
　抱っこ慣れしてないなぁ。
　俺はガキの頃爺ちゃんに抱っこされる機会もあったよ。
　人肌って気持ち良いよね。

　んで、今回のご飯は箸とスプーン(レンゲってこの時は知らなかったの)で食べるらしい。

「はい、いただきます」

「「いただきます」」

　俺と兄の声がハモった。
　流石に赤ちゃんはいただきますが言えない。
　すでにメイドさんからミルクを飲ませて貰ってる。
　良いなぁ美女の膝の上。
　赤ちゃんプレイも悪く無いなぁ。
　俺も綺麗なお姉さんに抱っこされながらミルク飲ませて欲しい。

　あ、兄も同じ立場なのに羨ましくないの何でだろう？

　オークション会場でミヤハル様の殺気に当てられたせいかな？
　ミヤハル様は”女”である前に”主”なんだよね。

　それにしてもこのご飯無茶苦茶美味いわ！
　油を吸った米ってこんなに美味いのね！
　玉子が絡んで米が金色になってる。
　野菜嫌いだけどシャクシャク食感が米を進めさせる。
　胡麻の香りがするのがまた美味しくて仕方ない。
　頭を使って疲れていたぶん、ご飯が脳にエネルギーになって届けられている気がするわ。

　白いソースがかかったエビも旨っ！
　微かに酸味が効いてて飽きが来ない。
　砕いたナッツが入ってて食感が凄くイイ。
　エビもプリップリ。
　初めてエビ食べたけど美味いわぁ！！

　赤くて白いの。
　熱っ！
　辛っ！！
　でも癖になる。
　白いののつるんとした食感とまろやかさが赤いタレの辛さを中和させる。
　これ米の奴とよく合う。
　エンドレスで食べれるね。

　んで、1口サイズの三日月形の焼いたヤツ。
　口に入れて噛むと肉汁がジュワ～って！！
　これもハフハフ。
　熱いけど美味しい。
　肉たっぷりで何か凄い旨味がある。
　聞いてみたらニンニクやニラと言う薬味が入ってるんだって。
　どうりで美味しいはずだよね～！！

　炒めたお米も良いけど白い米も欲しくなる。
　味が濃いからかな？
　でも飽きない。
　本当ここの料理長の腕良いなぁ。
　毎日コレ食べれるとか良いとこに奴隷しに来たわ。

　食後のデザートは白くてプルプルしたのと、胡麻がまぶしている団子。
　この団子揚げてあるみたい。
　濃い味を食べたとだから胃に重いかな、と思ったけどぬくぬくの餡子の甘みがたまらなく美味しい。
　つーか初めて食べたよ餡子。
　俺餡子好きかも。
　白くてプルプルしたのはスッキリした味。
　重かった胃がさっぱりする感じ。
　食べたのに逆に胃がスッキリするなんて不思議な食べ物だよね。

　でも俺すっかりチュウカに嵌ったわ。

　んで、お片付けは俺の役目。
　皿を重ねてシンクに運ぶ。
　そしてスポンジに液体洗剤をつけてモコモコの泡を作って、食器をゴシゴシ。
　油が落ちて、食器がキュキュってなるの何か良いね。
　今までは汚い川の水で数少ない食器洗ってたから。
　綺麗にするって楽しいかも。

　これが俺が掃除好きになった瞬間だったね。

　今は立場上あんまり家事する機会ないけど、自分の部屋は綺麗にしてるよ。
　掃除が出来る優良物件だよ俺！

　食休みの時間もちゃんと貰える。
　胃が満腹だと剣の指導で吐くからだって。
　ケンキさんの指導そんなに怖いの？
　若干ビビりながらも、俺は兄弟を子供用のお昼寝クッションに寝かせて、その隣で横になる。

　ちゃんと子守しないとね。
　コレが俺の仕事だし。

　お腹ポンポンの美形兄弟はすっかり夢の中だ。
　あ～俺も眠くなってきた。
　少しくらい睡魔に身を任せても良いよね？

　少しの仮眠のはずが本眠しちゃったんだけど、俺の上に毛布が掛けられていた。

　優しい主に恵まれて本当に良かった。
　これなら午後からの剣術の指導も頑張れるね。

　はい、今日は食レポが中心になっちゃったね。
　だって初めて食べる料理だから興奮しちゃった。
　明日は俺の午後からの指導応援してね♡