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その後

【番外】オウマside10

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 朝ごはん食べてお片付けしたら勉強の時間がやって来た。
 書斎(そんなに広くないけど)の椅子に着席。
 テーブルの上にはドン、と詰まれた本がズラリ。
 
 勉強…生まれて初めての経験だ……。

 難しいことなんて俺分からないよ?
 だって俺スラム生まれのスラム育ちだし?

「今日はこの本で勉強しましょうね」

 そう言ってケンキさんが出してくれたのが”モモタロウ”ってお話の本。
 ミヤハル様の故郷の本なんだって。
 タイトル聞いただけじゃ話の内容分かんないわ。

 表紙を捲ると大きな絵が書いてあって下に文章が書いてる。
 あ、これ絵本てやつだわ。
 絵が描いてるから分かりやすい。
 字はケンキさんが読んでくれた。
 コレは覚えやすいかも。
 勉強てもっと小難しいのイメージしてたけど全然違ってたね。

 何で桃から人が生まれるの?とか。
 お供なんで動物ばっかりなの?とか。
 吉備団子って何?とか。
 鬼って全部コイツが悪いの?とか。

 馬鹿なガキの質問をケンキさんは1つ1つ答えてくれる。
 優しいなぁ。
 俺の爺ちゃんは厳しかったからね。
 剣位使えるようになれ、て。
 こんなに優しく物事教えて貰うの初めてかも。
 ケンキさんは優しいなぁ。

 まぁそんな感想もこの後の剣術の訓練で評価が裏返るんだけどね。

 この人2重人格かってくらい人変わるの。
 勿論剣術の腕も抜群。
 あんな大量のお金持ってるミヤハル様の執事だもんね。
 強くない訳ないよね。
 まぁミヤハル様がもっと強いのは後に分かる衝撃の事実なんだけど。

 ”モモタロウ”
 ”キンタロウ”
 ”ウラシマタロウ”

 やたら”タロウシリーズ”多いんね。
 何でも”エーユー”縛りらしいよ?
 ミヤハル様はYモ〇イル使っていたらしいけど。
 ふ〇ニャンが好きなんだった。
 某ソフ〇バンクのお父さんも好きらしい。
 白い毛皮が素敵な犬のお父さん。
 え、ミヤハル様って犬に育てられたの?

 ”?”が顔に出てたらしい。

 ケンキさんに”違いますよ”て微笑まれた。
 うぅ恥かいた。

 でも”聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥”て言うんだって。

 ミヤハル様の受け売りらしい。
 何となく分かる様な分からないような?
 でもいい言葉なんだろうな~、てケンキさんのニコニコ顔見てたら思ったよ。

 初めての勉強は意外と面白かった。
 明日からもちょっと楽しみかな?

 この後、剣術の稽古で吐きそうになるまで鍛えられるんだけどね。
 まぁ時間無いから今日はココまで。
 続きも付き合ってくれると嬉しいな(^^♪
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