上 下
89 / 279
その後

【番外】オウマside4

しおりを挟む
 何か昨日わけわからん話が挿し込まれたけど気にしないでね。
 本当におバカな書き手なんだから。
 早くパソコン買い換えたくてもそのお金がないんだよね。
 可哀想だよね~。
 あ、俺?
 宮廷騎士団長の給料侮らないでね。
 かなりの高給取りなんだから。

 顔だって悪くないし。
 お金も持ってるし。
 権力もそこそこあるし。

 俺ってば結構優良物件よ?
 他のキャラ推しのお嬢さんたちは俺の推しになってよ♡
 あ、俺にとってはアラフォーもアラフィフもお嬢さんだからね♡

 え、メタ発言止めて過去編の話ししろ?
 
 も~怒らないでよ。
 昨日書き手がデータ飛ばすのが悪いんだから。

 で、お話の続き行くね。

 俺がオークションで呼ばれたのは最後から2番目。
 目玉商品ではないけど良質商品として舞台に立たされたよ。
 外套着て素顔隠しの仮面付けてる人が大勢。
 正直8歳児には引く光景だったわ。

 司会者が俺の説明をする。

 スラム育ちで頑丈。
 魔力値高目。
 剣術を嗜んでいる。
 剣に魔力を流せる。
 そこそこ美形。

 まー褒めてくれる褒めてくれる。
 正直悪い気はしないよね。

 仮面の大人たちが手を挙げて数字を言う。
 
 ちなみに初期設定が金貨100枚。
 スラムの浮浪児にしたら破格の額だよ、えっへん!

 200枚。
 300枚。
 
 値が吊り上がっていく。
 正直ちょっと快感だったわアレ。
 自分にそんなに価値があるんだ~、て。

 あ、これメタ発言になるけど大切な設定だから説明しとくね。
 お金について。

 鉄貨=10円
 銅貨=100円
 銀貨=1000円
 金貨=10000円
大金貨=100000円
白金貨=1000000円

 だよ。
 つまり金貨100枚は100万円ね。
 白金貨なら1枚になる訳。

 熱気の溢れる会場でどんどん自分の値段が吊り上がって、俺ドキドキしてた訳。
 いくら迄値段上がるんだろ~、て。

 そしてら何か視線感じてね?
 視線感じるのは当たり前だよね。
 あつ~い視線会場から感じてるよ。
 でも熱い視線じゃなくて、俺が違和感を覚えたのは冷たい視線。
 視線の主を探したら会場の1番奥、小柄な外套を纏った猫仮面の存在が居たの。
 
 んで、俺が視線に気付いたことに気付いたんだろうね。

 ぶわり、と肌が粟立ったよ。
 いわゆる鳥肌ったやつ。
 だって物凄い殺気放ってくるんだもん。

 一瞬で体中の毛穴から汗が流れて手足がガクガクと震えたね。

 あ、これ、俺死ぬわ……。

 そう思った俺は悪く無いはず。
 でも惨めに死ぬのは嫌だから最後の悪足掻きとして思い切り猫仮面睨んだったよ。
 頑張ったね俺。

「白金貨50枚」

 ソプラノの声が響いて会場が静まり返ったんだ。
 手を挙げてるのは小柄な猫仮面。
 白金貨50枚。
 つまりは神話世界で言うところの5000万円てこと。

 流石に小汚いスラムの浮浪児にそれ以上の金額を付けた奴は居なかったから、俺は猫仮面…ご主人様に買われた訳よ。

 ご主人様…つまりはミヤハル様ね。
 本人に聞いたら視線に気付いたのと殺気に耐えたのと睨みつけたのが高評価だったらしいよ?
 この地点では俺も”魔王候補”の1人だったのよ。
 何せミヤハル様がしようとしてたのは”魔王育成計画”だった訳だから。

 結果は成功するけど、この時点でミヤハル様もまさか”源氏物語作戦”も同時進行にしてしまう事になるのは想像外だったらしいよ。

 何で源氏物語知ってるのかって?
 魔国の図書館なめたら駄目だよ。
 ユラ様の能力で神話時代以前の本も”復元”されてるんだから。
 んでもって、俺意外と読書家なの。
 意外でしょ?
 ギャップ萌えした?した?

 そして俺はミヤハル様の元に連れて行かれて、目玉商品が出てくるのを一緒に待ってたの。
 
 目玉商品が出た瞬間の会場の盛り上がりは今でも忘れないね。
 そして俺の主になったミヤハル様が息をのむのを感じたんだ。

 はい、今日はココまで~♬
 続き期待せずに待っててね♡
しおりを挟む
感想 748

あなたにおすすめの小説

貴方を捨てるのにこれ以上の理由が必要ですか?

蓮実 アラタ
恋愛
「リズが俺の子を身ごもった」 ある日、夫であるレンヴォルトにそう告げられたリディス。 リズは彼女の一番の親友で、その親友と夫が関係を持っていたことも十分ショックだったが、レンヴォルトはさらに衝撃的な言葉を放つ。 「できれば子どもを産ませて、引き取りたい」 結婚して五年、二人の間に子どもは生まれておらず、伯爵家当主であるレンヴォルトにはいずれ後継者が必要だった。 愛していた相手から裏切り同然の仕打ちを受けたリディスはこの瞬間からレンヴォルトとの離縁を決意。 これからは自分の幸せのために生きると決意した。 そんなリディスの元に隣国からの使者が訪れる。 「迎えに来たよ、リディス」 交わされた幼い日の約束を果たしに来たという幼馴染のユルドは隣国で騎士になっていた。 裏切られ傷ついたリディスが幼馴染の騎士に溺愛されていくまでのお話。 ※完結まで書いた短編集消化のための投稿。 小説家になろう様にも掲載しています。アルファポリス先行。

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?

氷雨そら
恋愛
 結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。  そしておそらく旦那様は理解した。  私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。  ――――でも、それだって理由はある。  前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。  しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。 「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。  そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。  お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!  かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。  小説家になろうにも掲載しています。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?

長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。 王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、 「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」 あることないこと言われて、我慢の限界! 絶対にあなたなんかに王子様は渡さない! これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー! *旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。 *小説家になろうでも掲載しています。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら

影茸
恋愛
 公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。  あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。  けれど、断罪したもの達は知らない。  彼女は偽物であれ、無力ではなく。  ──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。 (書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です) (少しだけタイトル変えました)

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない

nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?

処理中です...