65 / 275
その後
【1話】
しおりを挟む
「うん、目出度い時のご飯はやっぱこうやないとなぁ」
「御呼ばれしていて何ですが、コレは何と言うお料理でしょうか?」
今日はミヤハルさんのお家に御呼ばれしています。
テーブルに並べられたお料理は殆ど見た事がないものです。
ミヤハルさんのコキョウの料理で”和食”と言うらしいです。
とても珍しいですが、特に真ん中にある赤いお米が珍しいです。
「これはな、赤飯言うやつや。お目出度い時に食べるんやで~♫子供が大人になった時の目出度い時に食べるモンなんやわ♪」
「セキハンですか?」
「そうそう、リコリスちゃんも大人になったし御祝やで~♪」
大人になった?
最初から私は成人でしたが大人になったとはどういう事でしょうか?
「夜の営み出来る位大人になったんやもんなぁ」
………夜の営み、ってアレですか!?
多分、初夜の翌日は魔王がいたくご機嫌だったらしい(オウマさん情報)ので全員にバレているのでしょうけど。
こうして改めて祝われると恥ずかしい事この上ないです。
「で、大人になったリコリスちゃんにプレゼントとおもってなぁ」
「ほぇ、プレゼントですか?」
「そうそうプレゼントや。大人になったし、子供では入られへんお店に連れて行ってあげよーか思うてん」
「子供が入れない店!?」
そ、それはいったいどんなアダルティーな店なんでしょうか!?
頑なに私を子ども扱いして、大人と認めてくれなかったミヤハルさんが連れて行ってくれる”大人の店”!!
「行きたい?」
「是非お願いいたします!」
正式に義姉になったミヤハルさんの手を握り込んでお願いしてしまいました。
:::
「ここが大人の店ですか?」
目の前にあるのはお洒落なカフェです。
確かに窓から見える内部のお客さんは大人の女の人ばっかりですが…。
普通のカフェですよねぇ……?
「まぁ入ったら気付くんちゃうかな?」
ニヤリとミヤハルさんが笑いました。
悪戯を企んでいる少年のような笑いかたです。
でもミヤハルさん位の美形がやると異様に色気があります。
何か周りの人達の腰が抜けている姿が、視界の端に入るんですが…。
魔王ってミヤハルさんに似たんですね。
自分の笑みで周囲に影響与えている事に気付いていない所がそっくりです。
血が繋がっていなくても親子って似るんですね。
もしかしたらミヤハルさんのこの状態を子供の頃から見ていたから、魔王も自分の猥褻物的攻撃力に気付いていない可能性も大ですね。
歩く猥褻物×2と一緒に暮らしていたエントビースドさんは苦労していそうですね。
魔王とそっくりなのにエントビースドさんはフェロモン垂れ流していないんですよね。
同じように育てられたのに、魔王とのその違いは何々でしょうか?
凄く興味深いです。
「ほら、ぼ~っとしとらんと入るで~。時間は有限!使える時間は無駄にせえへんのが関西人や!」
ミヤハルさんに手を引かれてカフェに入ります。
ところで”関西人”って何々ですかね?
「「「「「お帰りなさいませお嬢様!!」」」」」
「はへっ、えっと…ただいまです?」
思わずよく分からない返事をしてしまいました。
「何時もの席へ頼むわ」
「何時も御贔屓を有難うございますミヤハル様、今日はお連れのお嬢様ともども持成させて頂きます」
「おん、頼んだで」
店員さんに連れられて奥の席に促されます。
ミヤハルさんだったら別室かと思ったんですが…。
私も仮に王妃ですし。
まさか一般人と同じ席とは思いませんでした。
私の正体に気付いていないんでしょうか…確かに変装をしていますが……?
「ここは平民がお嬢様気分、上流階級が息を抜きたい時に入る中間層の扱いをしてくれる店なんよ」
成程、確かに王宮で暮らす私もたまには気を抜いてお茶したい時ありますもんね。
平民の女性も丁寧な対応されたい時もあるでしょうし。
そう思うとこのカフェは中間層の扱いを誰にでもしてくれるので、特別な時間を過ごせます。
つまりミヤハルさんは私も大人になったのだから、こう言う上流階級にも平民にも需要のある店がある事もちゃんと知っておけ、と連れて来てくれた訳でしょうか?
「多分リコリスちゃんが考えてるような小難しい意味で連れて来たんちゃうで~。まぁここの店員たちよう見とり、面白い事に気付けるはずやわ♪」
ミヤハルさん楽しそうですね。
言われたように店員さんをよく見ます。
皆が執事さんのような恰好をしていますが…それにしても店員さん同士の距離感が異様に近い様な?
「お嬢様、アフタヌーンティーです。美味しく召し上がって下さいね♡」
可愛らしい男の子の店員さんがニッコリ笑顔で紅茶を注いでくれました。
ワンコみたいです。
ワンコな店員さんが下がると、別の店員さんがワンコ店員さんの腰を引き寄せ耳元で何か言っています。
きょ、距離感近すぎませんか!?
「リコリスちゃん、他の店員も見て損せーへんで」
他の店員さん?
ふわぁ、距離近いです!
イケメンの店員さん同士が距離が近いです!!
同僚と言うより、恋人見たいです!!!
な、何か胸がドキドキします!
見てはいけないモノを見ている様な?
でも見られずにはいられない!!
何ですかこの感情は!?
「リコリスちゃん、ソレが萌えってやつで」
もえ………。
何と言うか、とても尊い言葉です。
と言うかこの空間が尊いです。
たまに王宮でも聞く”尊い”ってこの感情だったんですね…。
「な、子供は連れてこられへん店やろ?」
たしかにコレは大人の楽しみ方です。
美麗な店員さん同士の焦れ焦れの距離感を見て楽しむ。
大変アダルティーです!
「ミヤハルさん!連れて来てくれて有難うございます!!」
「おん、気に入ってくれて良かったわ♪今日はゆっくりここで楽しい時間を過ごそうや~」
「はい♡」
この後夕食の時間まで、たっぷりお店で時間を過ごしました。
はぁ、尊い♡
:::
あまりに楽しかったので魔王に話したら、魔王が何故か青筋を額に浮かべながら満面の笑みを浮かべると言う器用な事をしておりました。
ちなみに次の日、ミヤハルさんは魔王にこっぴどく怒られたそうです。
何か怒る要素ありましたかね?
それにしても又ミヤハルさんと一緒にカフェに行きたいものです。
それを伝えるとミヤハルさんは悪戯気な笑みを浮かべて「魔王に内緒な」と言いました。
あそこは女の子だけが楽しむ空間らしいです。
大人の女はあの店の話を外でしないのがマナーだとか。
新婚早々、夫に秘密を持つなんてふしだらな妻じゃないでしょうか?
オウマさんに相談したら「それは浮気に入らないからOK」だそうです。
ミヤハルさんもエントビースドさんに内緒で行っているらしいので、オウマさんの「OK」を信じて又行きたいと思います!!
ソレにしても何故あの店はあんなにも魅力的なんでしょうか!
魔国恐るべしです!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ミヤハルが連れて行ったのは執事喫茶とBL喫茶が混じったようなカフェです。
ちなみにミヤハルがオーナーだったりします。
なんせ魔国にBL文化を持ち込んだのがミヤハル何で。
リコリスちゃんは魔王に秘密が出来ちゃいました(笑)
でもコレは浮気に入りませんよね(;^ω^)?
「御呼ばれしていて何ですが、コレは何と言うお料理でしょうか?」
今日はミヤハルさんのお家に御呼ばれしています。
テーブルに並べられたお料理は殆ど見た事がないものです。
ミヤハルさんのコキョウの料理で”和食”と言うらしいです。
とても珍しいですが、特に真ん中にある赤いお米が珍しいです。
「これはな、赤飯言うやつや。お目出度い時に食べるんやで~♫子供が大人になった時の目出度い時に食べるモンなんやわ♪」
「セキハンですか?」
「そうそう、リコリスちゃんも大人になったし御祝やで~♪」
大人になった?
最初から私は成人でしたが大人になったとはどういう事でしょうか?
「夜の営み出来る位大人になったんやもんなぁ」
………夜の営み、ってアレですか!?
多分、初夜の翌日は魔王がいたくご機嫌だったらしい(オウマさん情報)ので全員にバレているのでしょうけど。
こうして改めて祝われると恥ずかしい事この上ないです。
「で、大人になったリコリスちゃんにプレゼントとおもってなぁ」
「ほぇ、プレゼントですか?」
「そうそうプレゼントや。大人になったし、子供では入られへんお店に連れて行ってあげよーか思うてん」
「子供が入れない店!?」
そ、それはいったいどんなアダルティーな店なんでしょうか!?
頑なに私を子ども扱いして、大人と認めてくれなかったミヤハルさんが連れて行ってくれる”大人の店”!!
「行きたい?」
「是非お願いいたします!」
正式に義姉になったミヤハルさんの手を握り込んでお願いしてしまいました。
:::
「ここが大人の店ですか?」
目の前にあるのはお洒落なカフェです。
確かに窓から見える内部のお客さんは大人の女の人ばっかりですが…。
普通のカフェですよねぇ……?
「まぁ入ったら気付くんちゃうかな?」
ニヤリとミヤハルさんが笑いました。
悪戯を企んでいる少年のような笑いかたです。
でもミヤハルさん位の美形がやると異様に色気があります。
何か周りの人達の腰が抜けている姿が、視界の端に入るんですが…。
魔王ってミヤハルさんに似たんですね。
自分の笑みで周囲に影響与えている事に気付いていない所がそっくりです。
血が繋がっていなくても親子って似るんですね。
もしかしたらミヤハルさんのこの状態を子供の頃から見ていたから、魔王も自分の猥褻物的攻撃力に気付いていない可能性も大ですね。
歩く猥褻物×2と一緒に暮らしていたエントビースドさんは苦労していそうですね。
魔王とそっくりなのにエントビースドさんはフェロモン垂れ流していないんですよね。
同じように育てられたのに、魔王とのその違いは何々でしょうか?
凄く興味深いです。
「ほら、ぼ~っとしとらんと入るで~。時間は有限!使える時間は無駄にせえへんのが関西人や!」
ミヤハルさんに手を引かれてカフェに入ります。
ところで”関西人”って何々ですかね?
「「「「「お帰りなさいませお嬢様!!」」」」」
「はへっ、えっと…ただいまです?」
思わずよく分からない返事をしてしまいました。
「何時もの席へ頼むわ」
「何時も御贔屓を有難うございますミヤハル様、今日はお連れのお嬢様ともども持成させて頂きます」
「おん、頼んだで」
店員さんに連れられて奥の席に促されます。
ミヤハルさんだったら別室かと思ったんですが…。
私も仮に王妃ですし。
まさか一般人と同じ席とは思いませんでした。
私の正体に気付いていないんでしょうか…確かに変装をしていますが……?
「ここは平民がお嬢様気分、上流階級が息を抜きたい時に入る中間層の扱いをしてくれる店なんよ」
成程、確かに王宮で暮らす私もたまには気を抜いてお茶したい時ありますもんね。
平民の女性も丁寧な対応されたい時もあるでしょうし。
そう思うとこのカフェは中間層の扱いを誰にでもしてくれるので、特別な時間を過ごせます。
つまりミヤハルさんは私も大人になったのだから、こう言う上流階級にも平民にも需要のある店がある事もちゃんと知っておけ、と連れて来てくれた訳でしょうか?
「多分リコリスちゃんが考えてるような小難しい意味で連れて来たんちゃうで~。まぁここの店員たちよう見とり、面白い事に気付けるはずやわ♪」
ミヤハルさん楽しそうですね。
言われたように店員さんをよく見ます。
皆が執事さんのような恰好をしていますが…それにしても店員さん同士の距離感が異様に近い様な?
「お嬢様、アフタヌーンティーです。美味しく召し上がって下さいね♡」
可愛らしい男の子の店員さんがニッコリ笑顔で紅茶を注いでくれました。
ワンコみたいです。
ワンコな店員さんが下がると、別の店員さんがワンコ店員さんの腰を引き寄せ耳元で何か言っています。
きょ、距離感近すぎませんか!?
「リコリスちゃん、他の店員も見て損せーへんで」
他の店員さん?
ふわぁ、距離近いです!
イケメンの店員さん同士が距離が近いです!!
同僚と言うより、恋人見たいです!!!
な、何か胸がドキドキします!
見てはいけないモノを見ている様な?
でも見られずにはいられない!!
何ですかこの感情は!?
「リコリスちゃん、ソレが萌えってやつで」
もえ………。
何と言うか、とても尊い言葉です。
と言うかこの空間が尊いです。
たまに王宮でも聞く”尊い”ってこの感情だったんですね…。
「な、子供は連れてこられへん店やろ?」
たしかにコレは大人の楽しみ方です。
美麗な店員さん同士の焦れ焦れの距離感を見て楽しむ。
大変アダルティーです!
「ミヤハルさん!連れて来てくれて有難うございます!!」
「おん、気に入ってくれて良かったわ♪今日はゆっくりここで楽しい時間を過ごそうや~」
「はい♡」
この後夕食の時間まで、たっぷりお店で時間を過ごしました。
はぁ、尊い♡
:::
あまりに楽しかったので魔王に話したら、魔王が何故か青筋を額に浮かべながら満面の笑みを浮かべると言う器用な事をしておりました。
ちなみに次の日、ミヤハルさんは魔王にこっぴどく怒られたそうです。
何か怒る要素ありましたかね?
それにしても又ミヤハルさんと一緒にカフェに行きたいものです。
それを伝えるとミヤハルさんは悪戯気な笑みを浮かべて「魔王に内緒な」と言いました。
あそこは女の子だけが楽しむ空間らしいです。
大人の女はあの店の話を外でしないのがマナーだとか。
新婚早々、夫に秘密を持つなんてふしだらな妻じゃないでしょうか?
オウマさんに相談したら「それは浮気に入らないからOK」だそうです。
ミヤハルさんもエントビースドさんに内緒で行っているらしいので、オウマさんの「OK」を信じて又行きたいと思います!!
ソレにしても何故あの店はあんなにも魅力的なんでしょうか!
魔国恐るべしです!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ミヤハルが連れて行ったのは執事喫茶とBL喫茶が混じったようなカフェです。
ちなみにミヤハルがオーナーだったりします。
なんせ魔国にBL文化を持ち込んだのがミヤハル何で。
リコリスちゃんは魔王に秘密が出来ちゃいました(笑)
でもコレは浮気に入りませんよね(;^ω^)?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,985
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる