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第2章
誰のものでもあって誰のものでもないお話
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朝日色の閃光が光の柱となり天を貫いた。
曇天の雲が割れ、日の光が魔国に差し込む。
日の光にその身を照らされてているのは、空に佇む魔王の番。
美しい宝剣を持ち緋色の衣をたなびかせていた。
「初めて生き物を手にかけてしまいましたが、貴方は特別枠ですよね?」
リコリスの声がシン、と静まった地に響く。
小さな呟きだったが、誰にも聞こえる鈴を鳴らしたような空に響く声だった。
「死体を滅ぼしたところで人殺しにはならんぬだろう」
答えたのはリコリスが最も愛する者。
この魔国の王である魔王の声。
その声1つで人を魅了する美しいテノールの声が、リコリスに”もう全ては片付いた”のだと知らせてくれる。
「魔王、あの男の魂はどうなりましたか?」
「兄上の魔力の牢獄に捕らえられた。これからは死体渡りも出来ない」
復讐者の男はネクロマンサーであった。
その肉体は選び抜かれた”死体”。
死体から死体を移って長き時を生きて来た。
より良い器を求めて。
おそらく最終的には魔王を器とするつもりであったのかも知れない。
魔王ほど美しく、そして強い魔力を宿している者は滅多に現れる事は無いだろう。
それは長き時を生きる魔族にとっても同じだ。
肉体の強さと美しさならミヤハルが。
魔力の強さならエントビースドの方が上であろうが、復讐者にこの2人をどうにか出来る能力は無かった。
だが”番”と言うウィークポイントを持ってしまった魔王なら何とか出来る、と気づいてしまった。
復讐者が今更になって動いたのはリコリスの存在のためだ。
おそらくリコリスの死体を得て、魔王の肉体を奪う予定であったのだろう。
それも不発に終わったが。
復讐者にとってリコリスの能力は想像以上に高かった。
リコリスの肉体が人族ではなく、長き時を生きれる魔族のものなら器にしても良いと思えるくらいには。
だがリコリスは人間だ。
長く生きれる身とあっても、人間のリコリスの肉体の耐性能力は数百年が限度だろう。
それ故に復讐者はリコリスの肉体には興味を示さなかった。
”女”としては興味をそそったようだが。
だが死体に生殖能力は無い。
そのためリコリスは肉体を穢されずにすんだと言っても過言ではない。
復讐者が最初から本気であったならリコリスの身など、もっと早くにどうとでも出来たであろう。
リコリスはそれが悔しい。
魔王の番であるのに、あまりにも力が足りない。
今回も結局、最後に復讐者の魂を捉えたのはエントビースドだ。
これほど使える魔術の種類が少ない事が悔しかったの初めてだ。
魔王に背を預けて貰えうだけの実力が今の自分に無い事が、酷く哀しい想いを抱かせる。
「魔王、私はまだ貴方の背を護れそうもありません。今日実感させられました。自分の力だけではどうしようも無かったです。
結局、あの男に致命傷を負わせたのは隣に居ないはずの魔王の魔力が助けてくれたからです」
リコリスの言葉に魔王は珍しく驚いた顔をする。
「リコリス、お前は幾つだ?」
「18歳です」
「18など魔族にとっては赤子に等しい。力などこれから付ければ良いであろう?ソレに我と交わったならその肉体にも魔力にも影響を及ぼす。お前はまだまだ強くなるリコリス。我が背を任せても思うほどに。
だがリコリス。お前が我の背中を任せるに値しなくても、お前がただの人間であっても我はお前を娶りたいと思っている。もう少し自惚れてはくれないか?」
「自惚れさせてくれますか?私を魔王のモノにしてくれますか?」
「最初から我のものにするつもりだ。出来なかったのはパンダのせいであろう?」
「今ならパンダでなくても抱き合えそうです。死ぬと思ったら魔王に全てを捧げておけば良かったと心から思いました」
「死ぬのを前提に我のものになられても困るのだが…だがあの男もリコリスがようやく我のものになる決心がついたのなら良い仕事をしてくれた。
リコリス、婚前交渉についてはどう思う?やはりバージンロードは清い体のまま歩きたいか?」
「さて、どうしましょう?ミヤハルさんに相談でもしてみてから決めますね。まずはその前に…少し眠りたいです。血が足りなくてクラクラします」
「では我が寝所迄連れて行こう。ゆっくり眠るが良い。3日後は式だ。それまでに体力を回復させてくれ。意外と結婚式と言うものは体力を使うぞ?」
「ピンヒールで歩く特訓の成果をお見せしますよ。では魔王…少しだけ、おやすみなさい……」
リコリスの体が空中から落ちる。
寸前で魔王がその体を抱きとめた。
:::
その光景を見た民たちは心を奪われた。
何と美しい朝日の光。
緋色の衣と紅い髪をたなびかせた美しい少女。
「暁の戦女神だ」
誰かがポツリと呟いた。
「あの方が我らの新しいお王妃様だ!」
「国を王と共に収めて下さる方!」
「強く、そして美しい!」
民たちは空に佇むリコリスを見、盛大な歓声が地に響いた。
:::
「あ~建物が崩れたからリコリスちゃんの闘い丸見えやったもんなぁ」
「ミヤハルの結界のお陰で敷地外に被害は無かったがな」
「うん、空中に魔力で足場を固定するの教えておいて良かったわ。お陰で映えた」
「割り込まなかったのは民にリコリスの能力を見せつけるためか?」
「それもあるんやけど、ウチ自身がリコリスちゃんが何処までやれるか見てみたかった言うのもあるな。まぁ死ぬ前には回収するつもりやったけど。
でも予想以上やわ。
民だけでなく上流階級の者も城仕えの高位魔族の兵団もリコリスちゃんの闘い間近で見て、魔王との婚姻に反対する意思は無くなったやろうしなぁ」
「冷たいのか温かいのか、未だに私には貴女が良く分からない」
「何や、ウチに愛想つかしたかエント?」
「いや、ますます貴女が知りたくなった。2千年の時如きでは貴方を理解するのに全然足りない」
エントビースドの言葉にミヤハルが妖艶な笑みを浮かべる。
「当たり前や。古代種舐めんなや?これからもウチの永い人生にじっくり付き合って貰うで」
「悠久の時、貴女と共にすると今この場で再び誓おう」
魔族より永く生きる古代種。
その番として共に生きる事をエントビースドは再びこの場で誓う。
それを見ていたのは、魂を魔力の牢獄で捕縛された復讐者のみであった。
曇天の雲が割れ、日の光が魔国に差し込む。
日の光にその身を照らされてているのは、空に佇む魔王の番。
美しい宝剣を持ち緋色の衣をたなびかせていた。
「初めて生き物を手にかけてしまいましたが、貴方は特別枠ですよね?」
リコリスの声がシン、と静まった地に響く。
小さな呟きだったが、誰にも聞こえる鈴を鳴らしたような空に響く声だった。
「死体を滅ぼしたところで人殺しにはならんぬだろう」
答えたのはリコリスが最も愛する者。
この魔国の王である魔王の声。
その声1つで人を魅了する美しいテノールの声が、リコリスに”もう全ては片付いた”のだと知らせてくれる。
「魔王、あの男の魂はどうなりましたか?」
「兄上の魔力の牢獄に捕らえられた。これからは死体渡りも出来ない」
復讐者の男はネクロマンサーであった。
その肉体は選び抜かれた”死体”。
死体から死体を移って長き時を生きて来た。
より良い器を求めて。
おそらく最終的には魔王を器とするつもりであったのかも知れない。
魔王ほど美しく、そして強い魔力を宿している者は滅多に現れる事は無いだろう。
それは長き時を生きる魔族にとっても同じだ。
肉体の強さと美しさならミヤハルが。
魔力の強さならエントビースドの方が上であろうが、復讐者にこの2人をどうにか出来る能力は無かった。
だが”番”と言うウィークポイントを持ってしまった魔王なら何とか出来る、と気づいてしまった。
復讐者が今更になって動いたのはリコリスの存在のためだ。
おそらくリコリスの死体を得て、魔王の肉体を奪う予定であったのだろう。
それも不発に終わったが。
復讐者にとってリコリスの能力は想像以上に高かった。
リコリスの肉体が人族ではなく、長き時を生きれる魔族のものなら器にしても良いと思えるくらいには。
だがリコリスは人間だ。
長く生きれる身とあっても、人間のリコリスの肉体の耐性能力は数百年が限度だろう。
それ故に復讐者はリコリスの肉体には興味を示さなかった。
”女”としては興味をそそったようだが。
だが死体に生殖能力は無い。
そのためリコリスは肉体を穢されずにすんだと言っても過言ではない。
復讐者が最初から本気であったならリコリスの身など、もっと早くにどうとでも出来たであろう。
リコリスはそれが悔しい。
魔王の番であるのに、あまりにも力が足りない。
今回も結局、最後に復讐者の魂を捉えたのはエントビースドだ。
これほど使える魔術の種類が少ない事が悔しかったの初めてだ。
魔王に背を預けて貰えうだけの実力が今の自分に無い事が、酷く哀しい想いを抱かせる。
「魔王、私はまだ貴方の背を護れそうもありません。今日実感させられました。自分の力だけではどうしようも無かったです。
結局、あの男に致命傷を負わせたのは隣に居ないはずの魔王の魔力が助けてくれたからです」
リコリスの言葉に魔王は珍しく驚いた顔をする。
「リコリス、お前は幾つだ?」
「18歳です」
「18など魔族にとっては赤子に等しい。力などこれから付ければ良いであろう?ソレに我と交わったならその肉体にも魔力にも影響を及ぼす。お前はまだまだ強くなるリコリス。我が背を任せても思うほどに。
だがリコリス。お前が我の背中を任せるに値しなくても、お前がただの人間であっても我はお前を娶りたいと思っている。もう少し自惚れてはくれないか?」
「自惚れさせてくれますか?私を魔王のモノにしてくれますか?」
「最初から我のものにするつもりだ。出来なかったのはパンダのせいであろう?」
「今ならパンダでなくても抱き合えそうです。死ぬと思ったら魔王に全てを捧げておけば良かったと心から思いました」
「死ぬのを前提に我のものになられても困るのだが…だがあの男もリコリスがようやく我のものになる決心がついたのなら良い仕事をしてくれた。
リコリス、婚前交渉についてはどう思う?やはりバージンロードは清い体のまま歩きたいか?」
「さて、どうしましょう?ミヤハルさんに相談でもしてみてから決めますね。まずはその前に…少し眠りたいです。血が足りなくてクラクラします」
「では我が寝所迄連れて行こう。ゆっくり眠るが良い。3日後は式だ。それまでに体力を回復させてくれ。意外と結婚式と言うものは体力を使うぞ?」
「ピンヒールで歩く特訓の成果をお見せしますよ。では魔王…少しだけ、おやすみなさい……」
リコリスの体が空中から落ちる。
寸前で魔王がその体を抱きとめた。
:::
その光景を見た民たちは心を奪われた。
何と美しい朝日の光。
緋色の衣と紅い髪をたなびかせた美しい少女。
「暁の戦女神だ」
誰かがポツリと呟いた。
「あの方が我らの新しいお王妃様だ!」
「国を王と共に収めて下さる方!」
「強く、そして美しい!」
民たちは空に佇むリコリスを見、盛大な歓声が地に響いた。
:::
「あ~建物が崩れたからリコリスちゃんの闘い丸見えやったもんなぁ」
「ミヤハルの結界のお陰で敷地外に被害は無かったがな」
「うん、空中に魔力で足場を固定するの教えておいて良かったわ。お陰で映えた」
「割り込まなかったのは民にリコリスの能力を見せつけるためか?」
「それもあるんやけど、ウチ自身がリコリスちゃんが何処までやれるか見てみたかった言うのもあるな。まぁ死ぬ前には回収するつもりやったけど。
でも予想以上やわ。
民だけでなく上流階級の者も城仕えの高位魔族の兵団もリコリスちゃんの闘い間近で見て、魔王との婚姻に反対する意思は無くなったやろうしなぁ」
「冷たいのか温かいのか、未だに私には貴女が良く分からない」
「何や、ウチに愛想つかしたかエント?」
「いや、ますます貴女が知りたくなった。2千年の時如きでは貴方を理解するのに全然足りない」
エントビースドの言葉にミヤハルが妖艶な笑みを浮かべる。
「当たり前や。古代種舐めんなや?これからもウチの永い人生にじっくり付き合って貰うで」
「悠久の時、貴女と共にすると今この場で再び誓おう」
魔族より永く生きる古代種。
その番として共に生きる事をエントビースドは再びこの場で誓う。
それを見ていたのは、魂を魔力の牢獄で捕縛された復讐者のみであった。
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