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第2章
25話
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ああああああああ!
無いです!
続きが見当たりません!!
私は本だなを見渡しましたが確かに続きが無いのです!
「誰かが続き借りて行っちゃったんでしょうか…」
凄く良いところだったんですが…。
でも私が読んでいた巻の後に本が引き抜かれた空間はありません。
普通、本を借りたらその分空間が空きますよね?
「どうかしたのか王妃の嬢ちゃん?」
あ、司書さんです。
「この漫画の続きが見当たらないんですが…」
「あ~ソレか。ソレは訳ありなんだよな。まぁ王妃の嬢ちゃんも2時間も漫画を読み続けて喉乾いただろう?俺はこれから茶にするから一緒にどうだ?」
「是非ご一緒させて貰います!」
読んでいた漫画の続きは見つかりませんでしたが、司書さんのお茶にありつけました。
司書さんの淹れるお茶は珍しい種類が多いので誘って貰った時は遠慮なく頂くことにしています。
図書室の茶室に移動します。
本はちゃんと本棚に帰します。
大切な本を汚すわけにはいけませんからね。
「今日はプアール茶だ。あと付け合わせの胡麻団子」
「ふわぁ」
紅茶とはまた違った色のお茶が湯気をあげています。
付け合わせの胡麻団子とやらもほかほか湯気をあげています。
とっても美味しそうです。
「頂きます」
「おう」
お茶を1口。
癖が無いのに風味があります。
ほっこりする感じです。
胡麻団子はホカホカしており齧るとふに、と柔らかい弾力の後にモチモチの食感と”あんこ”の甘さと胡麻の風味が口に広がります。
今日も司書さんの作るお菓子は美味しいです。
あ、勿論1番は魔王の作るお菓子ですよ!!
「旨いか?」
「とっても美味しいです!!」
「そうか」
司書さんがニカッと笑います。
豪快な笑顔が良く似合います。
司書さんは中々迫力のあるイケオジです。
顔に大きな傷があります。
体格も良いですし、気の弱いお嬢さんなら外見だけで怯えそうです。
喋り方も相手が誰であろうと変わらずフランクに喋る姿は中々威圧感があります。
どちらかと言うと戦闘の前線を担当していそうな方ですが、意外や意外に本と料理作りが大好きなインドアさんです。
何でもレシピでしか残っていない古い時代の料理を再現するのが好きなのだとか。
本と美味しいものが好きなミヤハルさんも良く遊びに来るそうです。
最近ミノムシさんから脱皮したそうなので早く会いたいです。
流石の司書さんもミヤハルさんには敬語です。
年上は敬う質らしいです。
年齢を聞いたら10万歳を超えた所から数えるのを止めたそうです。
魔国の建国から居るそうなのでかなりの長生きさんです。
「そう言えば気落ちしてたみたいだが何かあったのか?」
そう言えば気落ちしてました。
美味しいお菓子ですっかり忘れていました。
「実は読みたい本の続きがないのです」
「続きが無い?」
「はい、暗黒大陸に行ってからの続きがないのです」
「暗黒大陸?あぁ、あの漫画家か!」
すぐに分かってくれました。
流石は何万冊も本がある図書室を統括する司書さんです。
「ソレは今休載中なんだよ」
「休載中?」
「その漫画は古代のモノじゃなく現役の漫画家が連載している漫画でな、漫画家が筆休み中で続編が出ていないんだ」
「漫画家って今もいるんですか!?」
「おぅ、魔国には結構いるぞ。図書室には置いて無いが週間で連載している雑誌もあるしな」
「魔国、素晴らしいです」
何と魔国には今も漫画家さんがいるなんて!
漫画文化万歳です!!
「その漫画の作者は良く休載することで有名でな。でも内容は最高に面白いからファンも多い。その作家の漫画なら昔の作品もあるからソッチを読んでみたらどうだ?ちゃんと完結してあるから王妃の嬢ちゃんも安心して楽しめると思うぞ?個人的には3巻しか出ていないが宇宙人のバカ王子が出てる作品の方が俺は嵌ったな」
「ふわぁぁぁ、この作者さんの漫画が他に2作品も…」
楽しみが増えました!
「今度王都降りた時にでも本屋に寄ってみたらどうだ?年頃の女が好きそうなファッション雑誌なんかもあるぞ?」
「ん~、ファッションはあんまり興味ないです……」
「そう言えば王妃の嬢ちゃん何時も魔法衣だったな。まぁちゃんとした正装を着ているから王宮でその恰好で問題無いんだが…」
「ドレスは動きにくくて好きになれないんです。魔国では動きやすい魔法衣の正装もあるので助かってます!」
「なんせ建国者のミヤハル姐さんがドレス嫌いだからな。姐さんが力づくで魔法衣の正装を押し通したようなもんだからな、この文化は」
「ミヤハルさん本当に有難いです」
「ハハハ、姐さんが可愛がるのが分かるな。趣味がそっくりだ!」
「そうなんですか?」
だとしたら凄く嬉しいです。
だって未来の”義姉さん”ですから!
「王妃の嬢ちゃんなら少年誌の方が向いているだろうな。ここには基本姐さんが持ち込んだ古代の漫画が多いからな。今やっている連載物の少年漫画も熱くて面白いぞ!」
「今まで王宮で過ごすので十分楽しかったので、あまり王都に降りる気がしなかったんですが俄然興味が出ました!是非魔王に外出許可を得たいと思います!」
「いや、ソコは魔王の坊ちゃんと一緒に行きたいと言ってやれ。喜ぶぞ」
「魔王は私と王都散策喜んでくれますか?忙しいのに迷惑じゃないでしょうか?」
「間違いなく喜ぶから一緒に行け。これで漸く坊ちゃんも初デートだな」
ニッ、と楽しそうに司書が笑います。
何かやたらと楽しそうですね?
「人の恋路を見るのが年を取ったら達観した目線で見れるから楽しくなるんだよ。しかもお互い初デート!甘酸っぱくてオジサンは楽しくて仕方ないぞ?」
「良く分からないですが司書さんが楽しそうで良かったです。デート…何をすれば良いのでしょうか?」
「嬢ちゃん付きのメイドにでも聞いてみな。皆はりきってデートの準備してくれるだろうよ。あ、でもデートプランは魔王の坊ちゃんに考えさせろよ。やっぱり坊ちゃんも男だからデートではエスコートしたいだろうからな!」
司書さん本当に楽しそうです。
それにしてもデートですか…。
今日は私付のメイドをしてくれているエーデルに相談してみましょう。
ビーズやシーナ、ディープルも良い案だしてくれるでしょうか?
何かワクワクしてきました!
ミヤハルさんと塔でして以来の女子会です!
私付のメイドは最初戸惑いがあったものの、程よい距離感で私の事をサポートしてくれます。
何より凄く親身になって必要最小限のお世話に留めてくれているあたりが、皆私の性質を把握して接していてくれるのだと分かります。
今日の夜はカロリーの低い美味しいお茶菓子を料理長さんに作って貰って、美味しいお酒も分けて貰いましょう。
メイド達はお酒に目が無い様なので。
私ように果実水も用意して。
何だか今日の夜は楽しくなりそうです!
司書さんアドバイス有難うございました!
今日の夜が楽しみです!!
無いです!
続きが見当たりません!!
私は本だなを見渡しましたが確かに続きが無いのです!
「誰かが続き借りて行っちゃったんでしょうか…」
凄く良いところだったんですが…。
でも私が読んでいた巻の後に本が引き抜かれた空間はありません。
普通、本を借りたらその分空間が空きますよね?
「どうかしたのか王妃の嬢ちゃん?」
あ、司書さんです。
「この漫画の続きが見当たらないんですが…」
「あ~ソレか。ソレは訳ありなんだよな。まぁ王妃の嬢ちゃんも2時間も漫画を読み続けて喉乾いただろう?俺はこれから茶にするから一緒にどうだ?」
「是非ご一緒させて貰います!」
読んでいた漫画の続きは見つかりませんでしたが、司書さんのお茶にありつけました。
司書さんの淹れるお茶は珍しい種類が多いので誘って貰った時は遠慮なく頂くことにしています。
図書室の茶室に移動します。
本はちゃんと本棚に帰します。
大切な本を汚すわけにはいけませんからね。
「今日はプアール茶だ。あと付け合わせの胡麻団子」
「ふわぁ」
紅茶とはまた違った色のお茶が湯気をあげています。
付け合わせの胡麻団子とやらもほかほか湯気をあげています。
とっても美味しそうです。
「頂きます」
「おう」
お茶を1口。
癖が無いのに風味があります。
ほっこりする感じです。
胡麻団子はホカホカしており齧るとふに、と柔らかい弾力の後にモチモチの食感と”あんこ”の甘さと胡麻の風味が口に広がります。
今日も司書さんの作るお菓子は美味しいです。
あ、勿論1番は魔王の作るお菓子ですよ!!
「旨いか?」
「とっても美味しいです!!」
「そうか」
司書さんがニカッと笑います。
豪快な笑顔が良く似合います。
司書さんは中々迫力のあるイケオジです。
顔に大きな傷があります。
体格も良いですし、気の弱いお嬢さんなら外見だけで怯えそうです。
喋り方も相手が誰であろうと変わらずフランクに喋る姿は中々威圧感があります。
どちらかと言うと戦闘の前線を担当していそうな方ですが、意外や意外に本と料理作りが大好きなインドアさんです。
何でもレシピでしか残っていない古い時代の料理を再現するのが好きなのだとか。
本と美味しいものが好きなミヤハルさんも良く遊びに来るそうです。
最近ミノムシさんから脱皮したそうなので早く会いたいです。
流石の司書さんもミヤハルさんには敬語です。
年上は敬う質らしいです。
年齢を聞いたら10万歳を超えた所から数えるのを止めたそうです。
魔国の建国から居るそうなのでかなりの長生きさんです。
「そう言えば気落ちしてたみたいだが何かあったのか?」
そう言えば気落ちしてました。
美味しいお菓子ですっかり忘れていました。
「実は読みたい本の続きがないのです」
「続きが無い?」
「はい、暗黒大陸に行ってからの続きがないのです」
「暗黒大陸?あぁ、あの漫画家か!」
すぐに分かってくれました。
流石は何万冊も本がある図書室を統括する司書さんです。
「ソレは今休載中なんだよ」
「休載中?」
「その漫画は古代のモノじゃなく現役の漫画家が連載している漫画でな、漫画家が筆休み中で続編が出ていないんだ」
「漫画家って今もいるんですか!?」
「おぅ、魔国には結構いるぞ。図書室には置いて無いが週間で連載している雑誌もあるしな」
「魔国、素晴らしいです」
何と魔国には今も漫画家さんがいるなんて!
漫画文化万歳です!!
「その漫画の作者は良く休載することで有名でな。でも内容は最高に面白いからファンも多い。その作家の漫画なら昔の作品もあるからソッチを読んでみたらどうだ?ちゃんと完結してあるから王妃の嬢ちゃんも安心して楽しめると思うぞ?個人的には3巻しか出ていないが宇宙人のバカ王子が出てる作品の方が俺は嵌ったな」
「ふわぁぁぁ、この作者さんの漫画が他に2作品も…」
楽しみが増えました!
「今度王都降りた時にでも本屋に寄ってみたらどうだ?年頃の女が好きそうなファッション雑誌なんかもあるぞ?」
「ん~、ファッションはあんまり興味ないです……」
「そう言えば王妃の嬢ちゃん何時も魔法衣だったな。まぁちゃんとした正装を着ているから王宮でその恰好で問題無いんだが…」
「ドレスは動きにくくて好きになれないんです。魔国では動きやすい魔法衣の正装もあるので助かってます!」
「なんせ建国者のミヤハル姐さんがドレス嫌いだからな。姐さんが力づくで魔法衣の正装を押し通したようなもんだからな、この文化は」
「ミヤハルさん本当に有難いです」
「ハハハ、姐さんが可愛がるのが分かるな。趣味がそっくりだ!」
「そうなんですか?」
だとしたら凄く嬉しいです。
だって未来の”義姉さん”ですから!
「王妃の嬢ちゃんなら少年誌の方が向いているだろうな。ここには基本姐さんが持ち込んだ古代の漫画が多いからな。今やっている連載物の少年漫画も熱くて面白いぞ!」
「今まで王宮で過ごすので十分楽しかったので、あまり王都に降りる気がしなかったんですが俄然興味が出ました!是非魔王に外出許可を得たいと思います!」
「いや、ソコは魔王の坊ちゃんと一緒に行きたいと言ってやれ。喜ぶぞ」
「魔王は私と王都散策喜んでくれますか?忙しいのに迷惑じゃないでしょうか?」
「間違いなく喜ぶから一緒に行け。これで漸く坊ちゃんも初デートだな」
ニッ、と楽しそうに司書が笑います。
何かやたらと楽しそうですね?
「人の恋路を見るのが年を取ったら達観した目線で見れるから楽しくなるんだよ。しかもお互い初デート!甘酸っぱくてオジサンは楽しくて仕方ないぞ?」
「良く分からないですが司書さんが楽しそうで良かったです。デート…何をすれば良いのでしょうか?」
「嬢ちゃん付きのメイドにでも聞いてみな。皆はりきってデートの準備してくれるだろうよ。あ、でもデートプランは魔王の坊ちゃんに考えさせろよ。やっぱり坊ちゃんも男だからデートではエスコートしたいだろうからな!」
司書さん本当に楽しそうです。
それにしてもデートですか…。
今日は私付のメイドをしてくれているエーデルに相談してみましょう。
ビーズやシーナ、ディープルも良い案だしてくれるでしょうか?
何かワクワクしてきました!
ミヤハルさんと塔でして以来の女子会です!
私付のメイドは最初戸惑いがあったものの、程よい距離感で私の事をサポートしてくれます。
何より凄く親身になって必要最小限のお世話に留めてくれているあたりが、皆私の性質を把握して接していてくれるのだと分かります。
今日の夜はカロリーの低い美味しいお茶菓子を料理長さんに作って貰って、美味しいお酒も分けて貰いましょう。
メイド達はお酒に目が無い様なので。
私ように果実水も用意して。
何だか今日の夜は楽しくなりそうです!
司書さんアドバイス有難うございました!
今日の夜が楽しみです!!
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