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第1章
【番外】元凶side
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どうしてどうしてどうして!?
女は背中の羽を羽ばたかせて高速で逃亡していた。
既にバンリウ帝国から数十キロはなれた海の上まで距離を開ける事が出来た。
だが追って来る者が居る。
自分より遥に速い速度で。
そして追跡者の殺気は既に女に届いていた。
今まで上手くやってきたはずだ。
ボロなんて出した覚えは無い。
実際女は数千年以上、誰からも悪意を買うことなく過ごしてきたのだ。
なのに何故?
何故あんな存在が自分を追い詰めに来るのか!?
女の思考回路は追跡者から逃げる事しか考えられない。
あんな存在に捕まったら無事でいられるはずがない。
汗がだらだらと体を濡らす。
折角化粧で美しく整えた顔も汗で全て流れ落ちている。
それでも女の美しさを曇らすことは無い。
(何故私があんな存在に狙われなければならないの!?)
「ソレは自分が1番よう知っているんやないんか名も無き女神?」
「ヒィィィッ!」
先程まで随分な距離があったはずだが物の数分で女は追跡者に追いつかれた。
前に回り込まれて逃げる事は出来ないのを女は悟った。
「あぁ今はエリザベート・フュア・バンリウ、やったか?」
女、バンリウ帝国皇妃ーエリザベート・フュア・バンリウは顔を真っ青にさせていた。
「何故?何故貴方のような方が人間に肩入れするのですか!?今までバンリウ帝国に係わってこなかったでは無いですか!?」
「五月蝿い」
ヒステリックに叫ぶ王妃に冷たい言葉と眼差しがミヤハルから浴びせられる。
その冷たさにエリザベートは口を噤んだ。
自分では目の前の相手をどうにも出来ないことを悟っているからだ。
「何で今になってかかわって来たかって?そんなん可愛い養い子達の為に決まっとるやろ?ウチの子が《武神》と心を通じ合わせた。ウチも当代の《武神》であるリコリスちゃんを可愛い思うとる。
せやからリコリスちゃんがあんな苦しい人生を送る原因を作ったお前は抹殺対象や」
「何故、何故ですか!?私はもう手を引きました!これ以上関りも持たないです!なのに抹殺だなんて!!」
「2度も言わせんな、五月蝿い」
エリザベートはその美しい顔を恐怖のあまり引き攣っている。
「元々バンリウ帝国は”闘神”が行き場を無くした者たちに安住の土地を、とウチに願って来たから与えてやった土地や。魔族は新たに魔国を築いてな。
神である”闘神”は地上の者と必要以上に係わり合うことは出来ひん。せやから自分の遺志を継ぐ《武神》に国を託した。魔国とバンリウ帝国は兄弟国やった。お前が現れるまではな。
”女神”として碌な力を持たんお前は天界から人界に降り立った。
お粗末な能力しか持ってへんお前でも人間からすれば奇跡を起こすことが出来る存在やからな。
そこまでやったらまだ良え。
問題はお前がバンリウ帝国の王子に懸想して能力を1国に注いだことや。
人へと姿を変え王子に取り入り、自分の力の1部を”聖女”と呼ばれる存在に分け与えた。それまではバンリウ帝国に”聖女”なんて存在せえへんかった。
お前が国を自分の都合の良いように在る様に”聖女”を生み出した。
”聖女”を生み出すことで邪魔だった《武神》の存在意義を奪い影日向へと追いやった。
元々《武神》は魔国とのパイプ役やったはずや。それを長い年月をかけて魔族を殺す歪な存在へと変えた。
それでもウチは可愛い”闘神”の頼みやったからバンリウ帝国は放っておいてやった。
お前が名を変え姿を変えバンリウ帝国の皇妃の座を常に座り続けたんも多めに見てな。
せやけどウチの”お気に入り”を不幸に追い込んだなら話は別や。
お前が今の皇帝に愛想つかしたんは知っとる。この国から一端手を引こうとしたこともな。
でもそれじゃぁウチの溜飲は下がらんよ?
ウチの可愛い養い子の番となるリコリスちゃんがここまで追い詰められたんはひとえにお前が”聖女”なんて自分の都合の良い存在を生み出したせいや。
それ相応の報いは受けて貰うで」
「何故、何故貴方ほどの力がある方が人間に肩入れするのですか!?人間の寿命など些細なものではありませんか!当代の《武神》は伴侶を手に入れた。ソレでは駄目なのですか!?
貴方の人生のほんの一瞬の出来事では無いですか!神を屠る者、”神屠”の名を持つ貴方が出張る程の事ではないではありませんか!!」
エリザベートは必死だった。
目の前の相手は”神屠”の名を持つ神をも上回る戦闘能力の持ち主だ。
世界の守護神ですら”神屠”には手出しどころか口出しも出来ない。
そんな相手に名も無き女神である自分が敵と認識されて生きて帰れる保証など無かった。
今エリザベートが出来るのは目の前の相手を懐柔する事だけだ。
「短い時しか生きられへんから人間は尊い。一瞬の生の煌めきはウチの目には眩しいけど何時まででも見守っていたくなる。今の神々も勿論ウチから見たらまだ子供みたいなもんや。神話時代より更に昔から生きている古代種のウチにとっては神も魔族も人間も可愛い子供みたいな存在や。
子供の喧嘩に出てくるんは間違ってると思うとるよ?
せやから今までは見て見ぬふりをしてきたった。
でもお前はアカン。天界から堕天した挙句、人間を玩具にして遊び過ぎた。ウチは自分の”お気に入り”に害をなされて放っておけるほど人間は出来てへんよ。
さぁ断罪の時間や。
今まで殺してきた魔族や使い捨てにした《武神》の怨念をその身に受けや」
ミヤハルの言葉と共に足元からせり上がって来た黒い触手がエリザベートに絡みつく。
背中の翼が毟り取られる。
鮮血とボロボロと崩れた翼が宙に舞った。
それはエリザベートが唯一女神である証であった。
「アビスでその業火に命尽きるまで焼き尽くされるんやな。最も堕天したからといってお前の寿命が短くなぅた訳ではあらへんからな。寿命を全うするまで転生はできひんようにアビスの管理者には話を通しておいてやるわ。悠久の時を業火に焼き尽くされて生きていくが良え」
「いや、いやぁあっぁぁあぁあっ!!!」
触手が絡みつきエリザベートを拘束すると、海の上に出来ていた混沌の黒い【ゲート】がその身を待ち受ける。
触手に混沌の【ゲート】に引き摺られてエリザベートはあらんばかりの悲鳴をあげた。
その声に同情するものはこの場には存在しなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
※言い訳と言う名の後書き
今回の話は他の話と違ってスケールが若干大きくなっていますが、バンリウ帝国だけに限った事じゃなく他の国でも高次元存在がかかわっている事なんて多々あります。
バンリウ帝国はたまたまミヤハルの「お気に入り」を傷つけたから断罪されただけです。
ミヤハル自体は正義の味方でも何でもないので他の国の事は知ったこっちゃありません。
またミヤハルも「自分は長生きしすぎただけの一魔族」と自分の事を思っている為、世界の出来事に係わる事はしません。
「神屠」なんて呼ばれていますが戦闘能力が高いだけで魔法構成能力はエントビースドに負けますし人の上に立てる君主としての能力は魔王に負けます。
「古代種」なんて存在ですが魔族の中においてはかなり人間臭く、長生きの割には達観していません。
そんな酷くアンバランスな存在ですがミヤハルお気に入りの方居ましたら今までと同じく愛でてくれると有難いです(*- -)(*_ _)ペコリ
女は背中の羽を羽ばたかせて高速で逃亡していた。
既にバンリウ帝国から数十キロはなれた海の上まで距離を開ける事が出来た。
だが追って来る者が居る。
自分より遥に速い速度で。
そして追跡者の殺気は既に女に届いていた。
今まで上手くやってきたはずだ。
ボロなんて出した覚えは無い。
実際女は数千年以上、誰からも悪意を買うことなく過ごしてきたのだ。
なのに何故?
何故あんな存在が自分を追い詰めに来るのか!?
女の思考回路は追跡者から逃げる事しか考えられない。
あんな存在に捕まったら無事でいられるはずがない。
汗がだらだらと体を濡らす。
折角化粧で美しく整えた顔も汗で全て流れ落ちている。
それでも女の美しさを曇らすことは無い。
(何故私があんな存在に狙われなければならないの!?)
「ソレは自分が1番よう知っているんやないんか名も無き女神?」
「ヒィィィッ!」
先程まで随分な距離があったはずだが物の数分で女は追跡者に追いつかれた。
前に回り込まれて逃げる事は出来ないのを女は悟った。
「あぁ今はエリザベート・フュア・バンリウ、やったか?」
女、バンリウ帝国皇妃ーエリザベート・フュア・バンリウは顔を真っ青にさせていた。
「何故?何故貴方のような方が人間に肩入れするのですか!?今までバンリウ帝国に係わってこなかったでは無いですか!?」
「五月蝿い」
ヒステリックに叫ぶ王妃に冷たい言葉と眼差しがミヤハルから浴びせられる。
その冷たさにエリザベートは口を噤んだ。
自分では目の前の相手をどうにも出来ないことを悟っているからだ。
「何で今になってかかわって来たかって?そんなん可愛い養い子達の為に決まっとるやろ?ウチの子が《武神》と心を通じ合わせた。ウチも当代の《武神》であるリコリスちゃんを可愛い思うとる。
せやからリコリスちゃんがあんな苦しい人生を送る原因を作ったお前は抹殺対象や」
「何故、何故ですか!?私はもう手を引きました!これ以上関りも持たないです!なのに抹殺だなんて!!」
「2度も言わせんな、五月蝿い」
エリザベートはその美しい顔を恐怖のあまり引き攣っている。
「元々バンリウ帝国は”闘神”が行き場を無くした者たちに安住の土地を、とウチに願って来たから与えてやった土地や。魔族は新たに魔国を築いてな。
神である”闘神”は地上の者と必要以上に係わり合うことは出来ひん。せやから自分の遺志を継ぐ《武神》に国を託した。魔国とバンリウ帝国は兄弟国やった。お前が現れるまではな。
”女神”として碌な力を持たんお前は天界から人界に降り立った。
お粗末な能力しか持ってへんお前でも人間からすれば奇跡を起こすことが出来る存在やからな。
そこまでやったらまだ良え。
問題はお前がバンリウ帝国の王子に懸想して能力を1国に注いだことや。
人へと姿を変え王子に取り入り、自分の力の1部を”聖女”と呼ばれる存在に分け与えた。それまではバンリウ帝国に”聖女”なんて存在せえへんかった。
お前が国を自分の都合の良いように在る様に”聖女”を生み出した。
”聖女”を生み出すことで邪魔だった《武神》の存在意義を奪い影日向へと追いやった。
元々《武神》は魔国とのパイプ役やったはずや。それを長い年月をかけて魔族を殺す歪な存在へと変えた。
それでもウチは可愛い”闘神”の頼みやったからバンリウ帝国は放っておいてやった。
お前が名を変え姿を変えバンリウ帝国の皇妃の座を常に座り続けたんも多めに見てな。
せやけどウチの”お気に入り”を不幸に追い込んだなら話は別や。
お前が今の皇帝に愛想つかしたんは知っとる。この国から一端手を引こうとしたこともな。
でもそれじゃぁウチの溜飲は下がらんよ?
ウチの可愛い養い子の番となるリコリスちゃんがここまで追い詰められたんはひとえにお前が”聖女”なんて自分の都合の良い存在を生み出したせいや。
それ相応の報いは受けて貰うで」
「何故、何故貴方ほどの力がある方が人間に肩入れするのですか!?人間の寿命など些細なものではありませんか!当代の《武神》は伴侶を手に入れた。ソレでは駄目なのですか!?
貴方の人生のほんの一瞬の出来事では無いですか!神を屠る者、”神屠”の名を持つ貴方が出張る程の事ではないではありませんか!!」
エリザベートは必死だった。
目の前の相手は”神屠”の名を持つ神をも上回る戦闘能力の持ち主だ。
世界の守護神ですら”神屠”には手出しどころか口出しも出来ない。
そんな相手に名も無き女神である自分が敵と認識されて生きて帰れる保証など無かった。
今エリザベートが出来るのは目の前の相手を懐柔する事だけだ。
「短い時しか生きられへんから人間は尊い。一瞬の生の煌めきはウチの目には眩しいけど何時まででも見守っていたくなる。今の神々も勿論ウチから見たらまだ子供みたいなもんや。神話時代より更に昔から生きている古代種のウチにとっては神も魔族も人間も可愛い子供みたいな存在や。
子供の喧嘩に出てくるんは間違ってると思うとるよ?
せやから今までは見て見ぬふりをしてきたった。
でもお前はアカン。天界から堕天した挙句、人間を玩具にして遊び過ぎた。ウチは自分の”お気に入り”に害をなされて放っておけるほど人間は出来てへんよ。
さぁ断罪の時間や。
今まで殺してきた魔族や使い捨てにした《武神》の怨念をその身に受けや」
ミヤハルの言葉と共に足元からせり上がって来た黒い触手がエリザベートに絡みつく。
背中の翼が毟り取られる。
鮮血とボロボロと崩れた翼が宙に舞った。
それはエリザベートが唯一女神である証であった。
「アビスでその業火に命尽きるまで焼き尽くされるんやな。最も堕天したからといってお前の寿命が短くなぅた訳ではあらへんからな。寿命を全うするまで転生はできひんようにアビスの管理者には話を通しておいてやるわ。悠久の時を業火に焼き尽くされて生きていくが良え」
「いや、いやぁあっぁぁあぁあっ!!!」
触手が絡みつきエリザベートを拘束すると、海の上に出来ていた混沌の黒い【ゲート】がその身を待ち受ける。
触手に混沌の【ゲート】に引き摺られてエリザベートはあらんばかりの悲鳴をあげた。
その声に同情するものはこの場には存在しなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
※言い訳と言う名の後書き
今回の話は他の話と違ってスケールが若干大きくなっていますが、バンリウ帝国だけに限った事じゃなく他の国でも高次元存在がかかわっている事なんて多々あります。
バンリウ帝国はたまたまミヤハルの「お気に入り」を傷つけたから断罪されただけです。
ミヤハル自体は正義の味方でも何でもないので他の国の事は知ったこっちゃありません。
またミヤハルも「自分は長生きしすぎただけの一魔族」と自分の事を思っている為、世界の出来事に係わる事はしません。
「神屠」なんて呼ばれていますが戦闘能力が高いだけで魔法構成能力はエントビースドに負けますし人の上に立てる君主としての能力は魔王に負けます。
「古代種」なんて存在ですが魔族の中においてはかなり人間臭く、長生きの割には達観していません。
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