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プロローグ
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「リコリス・ロコニオ・クレーンカ!私は其方との婚約を破棄し、また聖女に対する陰湿な嫌がらせをした罪を罰するため其方を果ての塔へ幽閉することを宣言する!!」
バンリウ王国、皇太子-コンジュ・オーザ・バンリウは広間に響き渡る声で宣言した。
コンジュ様の隣にはバンリウ国《聖女》ディルバ・アーレンさんが体を寄せていた。
その距離は明らかに他人の距離ではない。
誰が見てもそこには恋情があることが誰の目にもうかがいしれたうかがいしれた。
つまり私は王族に入らなくても良いという事なのですね。
そう気付き私は周りがキラキラと輝いて見えだした。
コンジュ様がようやく諦めて下さった。
私の待ち望んでいた事態がようやく訪れたのだ。
正直なところ私はコンジュ様をお慕いはしていなかった。
でも伯爵家が王族の決め事に逆らうはずなど出来るはずがない。
まぁしようと思えば出来たのでしょうけど。
わざわざ王家を敵に回したくないのが正直なところ。
私は一族の事を思うとコンジュ様のプロポーズを受けるしかなかったのです。
幸いか不幸か私の両親は人並み外れた美貌の持ち主だったので勿論私も世間で言われるところの美貌の持ち主です。
あ、自慢じゃありませんよ。
客観的に見てどうか、と言う話です。
夕日の様に赤い髪と瞳。
色だけ見れば不気味でしょうがソコに”美貌”が加わればそれだけで色合いが”神秘的な”に変わります。
私はクレーンカ家の”夕暮れの令嬢”なんて呼ばれたりしてました。
そして私の外見に食いついたのがコンジュ皇太子です。
会いに来ても会いに来てもベッドから出てこない婚約者。
思春期に入っても手も握らせませんでした。
いつだって私のてには白い手袋がされていました。
私としてもコンジュ皇太子に素手を見られる訳にはいかなかったもので。
何せ私の手は剣だこでごつごつですから。
おおよそ淑女とは縁遠い手です。
これには理由があります。
それは我が家-クレーンカ一族-が国の裏側で《武神》と呼ばれているためなのです。
《武神》それはバンリウ国の聖女が国に張った結界では防ぎきれない高位の魔族を屠る一族。
その中でも私は歴代最強の冠を持つ最高の《武神》として物心ついた時から高位の魔族と命のやり取りをしていました。
魔族が活動するのは夜が多いので、必然的に私の生活も昼夜逆転となっています。
疲れ果てた所に発情皇太子の相手をするのは正直苦痛で仕方なかったのです。
あぁ私は物心ついた時から切実に。
誰にも邪魔されずに熟睡してみたい!
それこそが私の1番の夢でした。
ソレがこんな形で叶うなんて!!
私は初めてコンジュ皇太子に感謝しました。
そうですよね、10年間手も握らせない婚約者より体を許してくれる女の子の方が良いに決まってますもんね。
コンジュ様はそれはそれは立派な発情皇太子なんですから。
でも1つだけ不満があるとすればコンジュ様のお相手が聖女だったことでしょうか。
いえ、嫉妬じゃありません。
個人的恨みです。
私が寝不足なのも聖女であるディルバさんの能力が低く、下級の魔物しか退けられない結界しか張れなかったせいで本来なら相手する必要のない中位どころか下位の魔族、はては純魔族以下の能力しかない上級どころか中級魔物の相手を私がしなければ無かったせいです。
その癖、本人には自覚が無いのだから困ったものです。
更には姦淫をして更に能力を堕とすなんて私を過労死させたいんですかねぇ。
コンジュ様もディルバさんの体に夢中のようですね。
今も腰を抱いていやらしい笑顔を浮かべています。
にしてもディルバさん、聖女より悪女の方がお向きじゃないですか?
どうやったらベッドで臥せっている私が聖女であり神殿で守られているディルバさんに嫌がらせをする暇があると言うのでしょう?
サルじゃあるまいし性行為に耽って無いでもう少し頭を回して欲しいものです。
でもこれで私は《武神》のお勤めもしなくて良いんですよね!
あぁ幽閉生活が待ち遠しい!
周りでザワザワと国の裏を知っている上流階級の方々がコンジュ様に考え直すように言ってますが余計なことはしなくて良いんですよ。
コンジュ様もわざわざ皇帝陛下と皇妃様のいない日を狙って発言してくれて有難うございます。
それでは私は《武神》辞めさせて貰うので精々魔物討伐は我が家系に頼らず頑張って下さいね。
では私はこれにて。
睡魔が促すまま私は眠りについた。
ふらりと倒れた私の周りに人が集まって大騒ぎになっているみたいですが私には関係ありません。
次に目を開けた時は塔であったら素敵です。
あぁそれではお休みなさいませ。
バンリウ王国、皇太子-コンジュ・オーザ・バンリウは広間に響き渡る声で宣言した。
コンジュ様の隣にはバンリウ国《聖女》ディルバ・アーレンさんが体を寄せていた。
その距離は明らかに他人の距離ではない。
誰が見てもそこには恋情があることが誰の目にもうかがいしれたうかがいしれた。
つまり私は王族に入らなくても良いという事なのですね。
そう気付き私は周りがキラキラと輝いて見えだした。
コンジュ様がようやく諦めて下さった。
私の待ち望んでいた事態がようやく訪れたのだ。
正直なところ私はコンジュ様をお慕いはしていなかった。
でも伯爵家が王族の決め事に逆らうはずなど出来るはずがない。
まぁしようと思えば出来たのでしょうけど。
わざわざ王家を敵に回したくないのが正直なところ。
私は一族の事を思うとコンジュ様のプロポーズを受けるしかなかったのです。
幸いか不幸か私の両親は人並み外れた美貌の持ち主だったので勿論私も世間で言われるところの美貌の持ち主です。
あ、自慢じゃありませんよ。
客観的に見てどうか、と言う話です。
夕日の様に赤い髪と瞳。
色だけ見れば不気味でしょうがソコに”美貌”が加わればそれだけで色合いが”神秘的な”に変わります。
私はクレーンカ家の”夕暮れの令嬢”なんて呼ばれたりしてました。
そして私の外見に食いついたのがコンジュ皇太子です。
会いに来ても会いに来てもベッドから出てこない婚約者。
思春期に入っても手も握らせませんでした。
いつだって私のてには白い手袋がされていました。
私としてもコンジュ皇太子に素手を見られる訳にはいかなかったもので。
何せ私の手は剣だこでごつごつですから。
おおよそ淑女とは縁遠い手です。
これには理由があります。
それは我が家-クレーンカ一族-が国の裏側で《武神》と呼ばれているためなのです。
《武神》それはバンリウ国の聖女が国に張った結界では防ぎきれない高位の魔族を屠る一族。
その中でも私は歴代最強の冠を持つ最高の《武神》として物心ついた時から高位の魔族と命のやり取りをしていました。
魔族が活動するのは夜が多いので、必然的に私の生活も昼夜逆転となっています。
疲れ果てた所に発情皇太子の相手をするのは正直苦痛で仕方なかったのです。
あぁ私は物心ついた時から切実に。
誰にも邪魔されずに熟睡してみたい!
それこそが私の1番の夢でした。
ソレがこんな形で叶うなんて!!
私は初めてコンジュ皇太子に感謝しました。
そうですよね、10年間手も握らせない婚約者より体を許してくれる女の子の方が良いに決まってますもんね。
コンジュ様はそれはそれは立派な発情皇太子なんですから。
でも1つだけ不満があるとすればコンジュ様のお相手が聖女だったことでしょうか。
いえ、嫉妬じゃありません。
個人的恨みです。
私が寝不足なのも聖女であるディルバさんの能力が低く、下級の魔物しか退けられない結界しか張れなかったせいで本来なら相手する必要のない中位どころか下位の魔族、はては純魔族以下の能力しかない上級どころか中級魔物の相手を私がしなければ無かったせいです。
その癖、本人には自覚が無いのだから困ったものです。
更には姦淫をして更に能力を堕とすなんて私を過労死させたいんですかねぇ。
コンジュ様もディルバさんの体に夢中のようですね。
今も腰を抱いていやらしい笑顔を浮かべています。
にしてもディルバさん、聖女より悪女の方がお向きじゃないですか?
どうやったらベッドで臥せっている私が聖女であり神殿で守られているディルバさんに嫌がらせをする暇があると言うのでしょう?
サルじゃあるまいし性行為に耽って無いでもう少し頭を回して欲しいものです。
でもこれで私は《武神》のお勤めもしなくて良いんですよね!
あぁ幽閉生活が待ち遠しい!
周りでザワザワと国の裏を知っている上流階級の方々がコンジュ様に考え直すように言ってますが余計なことはしなくて良いんですよ。
コンジュ様もわざわざ皇帝陛下と皇妃様のいない日を狙って発言してくれて有難うございます。
それでは私は《武神》辞めさせて貰うので精々魔物討伐は我が家系に頼らず頑張って下さいね。
では私はこれにて。
睡魔が促すまま私は眠りについた。
ふらりと倒れた私の周りに人が集まって大騒ぎになっているみたいですが私には関係ありません。
次に目を開けた時は塔であったら素敵です。
あぁそれではお休みなさいませ。
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